令和3年
 第2回定例市会 9月議会
令和2年度神戸市各会計決算
[代表質疑]要旨
 令和3年9月議会が、8月31日から10月8日までの41日間の日程で開かれ、令和2年度神戸市各会計決算が審議されました。 自由民主党神戸市会議員団を代表して、安井俊彦議員(東灘区選出)、吉田健吾議員(灘区選出)及び、大野陽平議員(東灘区)は、9月6日の本会議において、市長及び副市長に質疑を行ないました。

[代表質疑]要旨 安井俊彦 議員(東灘区選出)

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1.職員の意識改革と議会とのコミュニケーションについて

①久元市長には、永年続いた市役所内部出身の市長における問題点、ヤミ専従の一掃、政府との太いパイプ、そして職員の意識改革などの解消への期待があった。最も大切な「市民目線への意識改革」について、もう一段の取り組みが必要と考えるがどうか。
②近隣市において専決処分をめぐる軋轢があったが、市長と議会の関係は、適度な緊張感と信頼関係が必要である。コロナ禍のように迅速な対応が必要な時期こそ、より丁寧な議会との対話が大切と考えるが、見解を伺いたい。

2.コロナ対策について

①コロナ感染症対策は、専門家の意見では終着まで長期化するとのことである。第5波で若年層への感染、家庭内感染が増加しているが、家庭内への持ち込みを防ぐために、小中学生がいる家庭へのワクチン優先接種を実施すべきと考えるがいかがか。
②また、軽症者の増加傾向を踏まえ、宿泊療養施設の増設を図り、希望者以外の“自宅療養者ゼロ”を目指すべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.神戸の強みについて

(1)港湾機能の強化について
①神戸経済の強化には“特色ある強み”が重要であることから、港湾・農業・医療産業の3分野の成長戦略を伺いたい。神戸港は、震災前の世界第6位から67位と低迷しているものの、日本の成長戦略港であり神戸経済の主軸である。カーボンニュートラルポートで名をあげ、ターミナルを強化するなど、神戸港の成長戦略について、どのように考えているのか。
②神戸港の集荷強化、釜山等からの貨物奪回に向け、日本海側からの内航フィーダーの積極活用などポートセールスを強化すべきと考えるがどうか。
③神戸において世界規模の港湾技術大会を開催するなど、神戸港の誇る港湾労働者の人材確保・育成機能を強化していくべきと考えるが、併せて見解を伺いたい。

(2)農業政策の強化について
①大都市に近い立地を生かした園芸生産物と都市近郊農業を特徴とした本市の農業は、主要産業の一つである。農業関係者によると、“土づくり”が農業の基礎であるということであり、下水処理からのリン肥料「こうべハーベスト」を安価に提供し、よい土壌で給食用食材の全てを栽培すべきと考えるがどうか。
②JA兵庫六甲と連携し、付加価値の高い作物の創出につなげるため、フルーツフラワーパークの研究機能の強化を図るべきと考えるが、どのように考えているのか。
③神戸ネクストファーマー制度など、新規就農者の募集を全国に発信すべきと考えるが、見解を伺いたい。

(3)医療産業都市の発展について ①当初のメディカルツーリズムを中心とした構想から、将来的には数百億円規模となるCAR-T細胞療法の拠点など、研究・産業クラスターへと変革した「神戸医療産業都市」の現時点における評価を踏まえ、バイオテックベイなどと伍する世界的なクラスターに発展させるため、今後必要となる機能・機関、タイムスケジュールはどのようになっているのか。
②本庶理事長は「研究成果の市民への還元」が大事とされているが、市民はどのような還元が期待できると考えればよいのか。
③研究を加速させるためには、ファンドも活用した新たなサポートが重要と考えるが、市長の見解を伺いたい。

[代表質疑]要旨 吉田健吾 議員(灘区選出)

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1.今後の財政運営について

 令和2年度はコロナに振り回された1年であり、感染状況等に応じてコロナ対策予算を逐次立案・実行する一方で、緊急事態宣言等により企業活動・市民生活は制約を受け、市税収入等は減少するなど、厳しい財政運営を強いられた。特例債の発行や財政調整基金取崩による財源対策を10年ぶりに行うことになったが、実質収支の黒字を確保し、財政の健全化を示す将来負担比率や実質公債費比率は政令市の中で上位程度を確保しており、評価している。一方で、今後、超高齢社会の進展による社会保障関係費の増大や感染症に強いまちづくりに必要な財源確保など、より一層厳しい財政運営が予想される。神戸が持続可能な大都市経営を行っていくためには、財政の健全性を保ちつつ、戦略的な投資を着実に進めていくことが不可欠と考えるが、今後の財政運営における基本的な考え方について、伺いたい。
(議員再質疑)
持続可能な財政運営のため、起債が可能なハード事業への戦略的な投資により、税収の拡大や更なる成長へと繋げることは重要であるが、未来あるこどもたちへの投資や、誰ひとり取り残さないというスタンスから困っている、苦労をしている方々への支援は、起債が不可能なソフト事業であったとしても、本市の将来的な成長へと繋がることも加味すると、より充実させていくべきと考えるがどうか。

2.にぎわいづくりを促進する都市計画行政について

 本市における都市計画行政は、これまで、規制当局として都市開発の規制・抑制に取り組んできたが、人口減少社会の進展、高度経済成長期に建築された建築物の陳腐化などの社会情勢の変化を踏まえると、規制行政のもとでは新たな民間投資が誘導できない時代となってきている。都市計画行政においては、地域・土地所有者・事業者などの声をよく聞いて、市域全体の賑わいを創出するために地域毎の施策を考え、都市計画(用途地域・容積率)を柔軟・迅速に見直すなど、にぎわいづくりを促進する攻めの都市計画行政を展開すべきと考えるが、市長の見解を伺いたい。
(議員再質疑1)
本市の市街地の駅周辺においても、高度経済成長期頃に建築された小規模の商業・事務所ビルなどが林立していることがあり、駅の価値を十分に高められていない。建替え・再開発などが進まない要因の一つに、再建築しても容積率等の関係で延べ床面積を拡大するなどのインセンティブが働かないことがあると聞いている。駅周辺の魅力向上を促進するためには、事業者から都市計画の緩和について要望しやすい環境を整え、賑わいのあるまちづくりの観点で柔軟・迅速に見直すべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質疑2)
令和3年度は、北神急行市営化に伴う大幅な乗車料金低減による魅力向上が図られている神鉄沿線の西鈴蘭台・花山・大池・唐櫃台をはじめ、多くの駅でリニューアルが実施される予定となっている。また、市街地東部でもJR摩耶駅や阪神御影駅などは近年にぎわいが増している。これらの機会を逃すことなく、駅を利用する人口の増加を図るためには、市内の各駅・地域において、駅周辺、駅から商店街などへの動線も含めたにぎわいづくりの観点で都市計画行政に取り組むべきと考えるがどうか。また、これから進める公共施設整備については、にぎわい創出と整備財源の確保等の観点から、整備計画の検討段階より、都市計画緩和の必要性を検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.障害者の就労支援について

 一般就労と福祉的就労の両方の支援を一体的に行う「しごと開拓員」をしごとサポートに配置し、障害者雇用を考える企業への相談支援体制を強化しており、社会福祉法人等に業務を委託している。障害者に対し、身近な場所で必要なサポートを提供することに関しては、これら団体の知識・経験を活かして受入れ現場の支援や継続雇用のサポートを行うことが非常に重要であることは当然であるが、障害者の就労を進めるにあたっては、ノウハウを持たない中小企業等といった企業側へのアプローチを強化すべきと考える。業務内容の分析から企業の中に入り、仕事の切り出しについて助言を行うコンサルティング業務を、専門事業者の知見を生かし、全市的に実施すべきと考えるがどうか。
(議員再質疑)
特別支援学校において、障害者やその保護者に「しごとサポート」で行われている超短時間雇用のような多様な働き方を促す事業が十分に周知されておらず、法定雇用率が義務付けられた大企業の職務内容を中心に就労を考えてしまい、一般就労を諦めてしまう事例があると聞いている。障害者の就労を考えるにあたっては、定められた職務内容に従事できるか否かではなく、個人の性格や障害特性に合わせた雇用を創出するという順序で考えるべきであり、このような就労観を育むような取組みを行うべきと考えるが、見解を伺いたい。

4.六甲山・摩耶山の活性化について

 平成29年度の決算特別委員会において、六甲山における遊休施設等を活用し、魅力的な働く場を創出すべきと指摘したところ、ロコノマドをはじめとして新たな拠点が整備されていることは評価している。令和3年度には、山上の交通改善や山上へのアクセス向上を目的として山上交通のあり方を検討するとのことだが、新たな交通手段のアイデアを把握するため、市内の既存事業者との意見交換に加え、他都市で先進的な取り組みを行っている事業者の参画など、全国的な視点から様々な意見を募り、今後の山上交通の活性化に向けた取組みを加速化すべきと考えるが、見解を伺いたい。

5.新任教員の育成について

 採用されて間もない教員がすぐに担任を持ち、即戦力として学級運営を行うことは非常に困難であることから、授業力のある教員の授業動画を研修用に配信する取組みを行っていると聞いている。教員の個々の能力を向上させ、休職や離職を防ぎ、学校経営の問題を根本から解決していくためには、研修だけでは不十分だと感じる。採用3年目程度までの教員を対象に、日々の授業において、ICTを活用してベテラン教師の授業動画を活用して授業を行い、児童のサポートや生活指導に余力を配分することで、教員の負担軽減・スキルアップ、クラス運営の強化を図ってはどうか。
(議員再質疑)
学校規模や実情等を踏まえ選定された10校の小学校において、教科担任制のモデル実施を行っていると聞いており、授業の質向上に繋がる効果的な取組みと感じることから、早期に本市の状況に即した教科担任制の有効性の検証をするとともに、更なる質の向上につながる複数担任制の導入を試行的に実施すべきと考えるが、見解を伺いたい。

[代表質疑]要旨 大野陽平 議員(東灘区選出)

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1.企業や人を呼び込む取組みについて

 国内外から多くの優秀な若い世代を集めて人の流れを生み出すため、500 Startupsと連携した起業家育成プログラムを実施しているが、神戸に根付き、神戸の経済に貢献してもらうことが重要であると考える。今年4月には知的交流拠点であるANCHOR KOBEの開設をされているが、本市が実施している支援プログラムを受けた企業が、その後も神戸で事業をし続け、地元の経済に貢献できるよう、地元事業者を巻き込んだ協業を促す取組みを更に強化すべきと考えるが、見解を伺いたい。

2.アフターコロナを見据えた公園の利活用について

 コロナ禍において屋外での健康運動の大切さが認識され、都市公園を活用した健康運動の需要が高まっている。今までに進めてきた健康器具の設置などに加えて、例えばジョギングやウォーキングがしやすいコースや、健康づくりのエリアなどの整備を進めてはどうかと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質疑)
子育てに資するために、遊具の整備などが進められているが、こどもの保護者が集えるような木陰のベンチやあずまや、座りやすいベンチなども併せて整備を進めるべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.駅前のリノベーションについて

 鈴蘭台駅前においては、駅前再開発ビルや交通広場が整備されるなど、交通結節機能等の改善が進められ、雰囲気が随分良くなったと感じる。しかし、鈴蘭台駅周辺には、区役所に加え区民ホールや文化センター、北図書館等があり、高度成長期から栄えた北区の行政・文化の中心にも関わらず、以前のような賑わいは感じられないことから、駅前だけでなく、もう少し広い範囲で活性化の検討が必要ではないか。本市では、「リノベーション神戸」と題して、各駅周辺の再整備を進めているが、鈴蘭台はその対象となっていない様に思う。駅周辺のリノベーションを進める神戸市として、この鈴蘭台駅周辺において、どのようなまちづくりを進めていくのか、見解を伺いたい。
(議員再質疑)
北区文化センターや北図書館において、老朽化・バリアフリーの問題があり、早急に改善に向けた対策が必要だと感じている。旧北区役所跡については、北区役所の移転以降、活用方針が出されておらず、3年間も放置された状況が続いているが、防犯・防災面からも早急に解体すべきであり、貴重な公共用地が未利用となっていることから、我が会派から要望してきているように、利活用を早期に図るべきである。旧北区役所跡を隣接する北区文化センターの機能の移転用地として抜本的に再整備してはどうか。諸課題の解決と駅周辺の新たな魅力向上が図れ、鈴蘭台エリアの活性化に繋がると思うが、見解を伺いたい。

4.保護司活動の促進について

 保護司について、高齢化が進み、担い手確保も年々困難となっている状況を鑑み、国から一層の理解・協力を求める旨の通達が発出されている。本市では、保護司会連絡協議会に対する補助や、くらし支援窓口における住居や就労、福祉サービス利用などに関する相談等を実施している。ソフト面において市民の安全・安心なくらしを守るという観点からも、地域における保護司確保は重要と認識しており、様々な知見や地域の課題・特性を把握する市の職員やOBの活躍は非常に有益と考える。今後、再犯防止の取組みを進めていくため、国や保護司会等と連携した取組みを強化し、保護司活動をより一層支援していくべきと考えるが、今後どのように取組んでいくのか、見解を伺いたい。

5.主権者教育について

 選挙権年齢が引き下げられ、政治や選挙への意識を高める取組みの重要性が増している中、本市の取組みに興味をもってもらうための教育・機会が十分に設けられているのか。小・中学校においては、神戸について学ぶ機会が設けられており、市政への理解を育むことに寄与していると考えるが、参政権を持つ直前の世代である高校時代においても、能動的に主権者としての役割を果たすため、神戸市の特色や施策などを、学ぶ機会をつくり、自身が生活する市・国に興味を持たせることが重要である。そこで、選挙権年齢に達する直前の高校2年生頃、まずは市立高校において、市の統計資料や各省庁の白書等も活用して、具体的に神戸市や国の取組み・特色・特徴などに興味を持たせる教育・機会を設けるべきと考えるが、見解を伺いたい。

6.戦略的な広報の展開について

 現在、各部局において、チラシ・ポスターをはじめとした印刷物の作成などの広報活動が行われているが、部局ごとに内容や表現方法が異なり、届けたいターゲットに届けたい情報がきちんと届いているのか疑問である。市の重要施策を中心に、広報戦略部が組織横断的に広報の指針やマニュアルを定め、司令塔として全体調整を行う役割を果たすべきと考えるがどうか。

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