令和6年
 第1回定例市会 5月議会
[一般質問] 要旨
令和6年第1回定例市会5月議会の5月28日に、平井 真千子 議員(長田区選出)、河南 忠和 議員(中央区選出)、山下 てんせい 議員(西区選出)の3名が自由民主党神戸市会議員団を代表して市長及び副市長に一般質問を行いました。

[一般質問]要旨 平井 真千子 議員(長田区選出)

 
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1.こどもまんなか社会の実現に向けた取組みについて

 政府が定めた「こども大綱」では、こども・若者が権利の主体であり、その最善の利益を図り、「こどもまんなか社会」をつくるとされ、親など子育て当事者のニーズを中心に考える従来のこども施策の方針とは違ったものになっている。これから策定される「神戸っ子すこやかプラン2024」の次期計画に、「こどもまんなか」の理念がどのように反映されるのか、見解を伺いたい。

2.新教育長の想いと決意について

 4月に就任された福本靖教育長は、68年ぶりとなる教員出身の教育長ということもあり、世間から注目を集めている。中学校長時代にはPTA改革をはじめ、様々な改革に取り組んでこられた実績もあり、現場を熟知された教育長としての活躍に期待している。学校教育を取り巻く環境は、社会の多様化・複雑等の社会状況の変化により厳しい状況であり、教員の多忙化対策や不登校問題など取り組むべき課題は山積しているが、本市のこれからの教育行政に対する教育長の想いと決意について伺いたい。

3.世界パラ陸上競技選手権大会のレガシーについて

 先週末、閉幕した世界パラ陸上競技選手権大会は、参加選手数は1,000人以上に上り、国内外から8万人が応援に来場するなど、本市に大きな賑わいをもたらした。市民にとっても、世界最高峰のパフォーマンスを直接目の当たりにできる、またとない機会であり、「つなげる」「ひろげる」「すすめる」をテーマに開催された今回の大会によって、より本市のインクルーシブ社会の実現に向けた意識醸成につながったと感じる。本大会の開催を通しての意義及び成果、そして大会を終えてこれから残していくレガシーについて、見解を伺いたい。

4.震災30年を迎える取組みについて

(1)能登半島地震を踏まえた今後の災害対策
 来年の1月で阪神・淡路大震災の発生から30年が経過する。国からの支援策も十分でないなか、市民と行政が手を携え、着実に復興を遂げてきたことは、本市の誇りである。一方で、1月に発生した能登半島地震では、地理的要因などから支援活動が進まず、本市から派遣された職員からは、阪神・淡路大震災とは被害状況や地域特性が異なり、思うように支援が出来ずもどかしかった、という声もあったと聞く。能登半島で起こったことは、神戸市民が復興に取り組んだ足跡と重なるものがあり、決して過去のものではないことが浮き彫りになったが、今回の被災地で起きている課題や本市の支援活動の実体験も踏まえ、今後、本市の災害対策にどう生かすのか、また市内外に対して継承すべき教訓としてどう発信するのか、見解を伺いたい。
(2)小売市場への支援
 令和3年には、災害援護資金も返済免除し、個人への支援については一定の区切りが付いたが、一方で事業者については、未だに震災の爪痕が根強く残っていることが課題と認識している。特に小売市場は、本市の魅力である下町風景を構成しており、継承すべき財産であるが、復興の途上で事業規模に見合わない債務を負い、債務の清算のために廃業する例が相次いでいる。事業を継続している市場も組合員が減り、厳しい経営状況で、事業継続に明るい見通しをもてないところもある。震災30年を契機に、復興の中で各事業者が街の財産として市場を復興させてきたことを評価し、本市としてもう一歩踏み込んだ支援が必要であると考えるが、見解を伺いたい。

5.暴力団追放の取組みについて

 昨年、長田区で暴力団組長の射殺事件が起き、住民の不安が高まるなか、明泉寺町の暴力団拠点周辺で4年ぶりに暴力団追放集会が開かれた。何とか取組みを前に進めようと、地域住民は努力し続けてきたが、活動が膠着しているのが現状である。他都市では、行政が事務所を買い取ることにより排除に成功したケースもある。こうした事例に学び、警察任せにせずに、あらゆる摘発が行われるよう市長から警察に申入れを行い、何かが起こった時には市と警察が共同で相手に警告を発するなど、行政が主体的に暴力団追放に取り組むべきではないか。また、暴追センターの規定や市条例が買取りの障害となる可能性があるなら、除外規定などの法整備も行うなど、暴力団のない安全なまちづくりの機運を高めていくべきと考えるが、見解を伺いたい。

6.学校におけるフッ化物洗口の実施について

 市内小中学校におけるフッ化物洗口については、令和3年度より2校でモデル実施を行ってきたところである。子どもたちの歯の健康格差が拡大してきているなか、将来的には全校に広げるべき意義深い取組みと考える。昨年の決算特別委員会では、塗布よりも洗口が効果的である一方で、校内実施については教員の負担の観点から外部人材の活用の必要性があることや、液剤の配付では渡しっ放しになる懸念がある旨の答弁があった。虫歯予防の効果の面からは、学校においての洗口を全校で実施することが重要で、実施校を絞ってでも学校での洗口を行うべきと考えるが、見解を伺いたい。

[一般質問]要旨 河南 忠和 議員(中央区選出)

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1.ポートアイランド及び神戸空港の活性化について

 まちびらきから約40年が経過し、まちの成熟とともに賑わいの創出が課題となっているポートアイランドの活性化に向け、令和4年度より、ポートアイランド・リボーンプロジェクトが始動し、学識者等が中心となって、まちの将来ビジョンについて検討が進められている。緑豊かな将来像が示され、今後の姿が楽しみである一方で、ポートアイランドには目下取り組まなければ問題もたくさんある。例えば、ファッションタウンやポートピアプラザの活性化など、まさに今直面している課題に対しても、目を背けず積極的に取り組むべきと考えるが、見解を伺いたい。

2.神戸医療産業都市の成果を還元する取組みについて

 神戸医療産業都市は、プロジェクト始動から25年以上が経過し、世界初のiPS細胞を用いた臨床研究のほか、スーパーコンピュータ「富岳」を活用した創薬の取組みなど、日本最大級の医療産業集積地として成長を遂げてきた。今後、さらに医療技術の実用化や神戸経済の活性化を進めることはもちろん、これまでの取組みや成果を市民が享受できるようにフィードバックしていくことが重要であると考える。そのためにも市民がより一層健康で豊かに暮らすことができるよう、神戸医療産業都市の研究成果を市民の健康づくりに対して存分に還元すべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.中央区におけるふれまち活動の振興について

 持続可能な地域づくりの実現に向けて、地域ごとの特性や課題に応じた域内のつながりを作る取組みが必要である。本市の地域活動は、主に小学校区ごとに地域住民が中心となって結成されているふれまち協議会によって担われてきたが、特に、中央区のこうべ小学校区は、北野エリアから新港エリアまで及ぶ広大な学区を有し、近年の高層マンション開発により人口が増えており、ファミリー層も多い。しかし、ふれまち活動については、人口に対して活動のための予算も十分には確保されておらず、特にJR線より南側のエリアについては、活動に参加できていない現状がある。人口や面積の規模に応じた、ふれまちの活動助成を十分に行い、地域の住民同士の顔が見える取組みを強化すべきと考えるが、見解を伺いたい。

4.タンタンの追悼について

 神戸市民に20年以上愛されてきた王子動物園のパンダ「タンタン」が3月に亡くなった。献花台には、連日多くの人が、別れを惜しむために訪れ、先日行われた追悼式には、定員の40倍を超える応募があり、約160名の方が参加された。多くのファンからは、希望や笑顔を与えてくれたタンタンへ感謝の気持ちを込め、タンタンがこれだけ愛され親しまれていたことを形として残し、いつまでも記憶に残していくための取組みに寄付をしたいという声も多く聞く。そういったファンからの思いを形にする取り組みを行い、次のパンダの再誘致につなげるべきと考えるが、見解を伺いたい。

5.外国人児童生徒の教育について

 外国人人口が全国的に急増するなか、来日する外国人児童は今後も増加していくと思われる。学齢期の後半や15歳を超えて来日する児童でも、しっかり学力を身につけないと進学や就業が難しくなる。諸外国の例を見ても、通学も就職もしてない外国の若者の増加は、当人達にとっても社会からの疎外感を感じることが多く、社会不安の要素にもなりかねない。これらを踏まえ、本市においても、学齢期を超えた年齢層に対しても、十分な日本語学習の機会を提供していくことが重要と考えるが、見解を伺いたい。

6.ガストロノミーツーリズムの推進について

 近年、食文化や料理を通じて地域の文化や歴史を体験するガストロノミーツーリズムについて、食通の方々を中心に関心が高まっている。本市は、神戸牛や神戸ワインをはじめとした多彩な食文化を有しており、ポテンシャルは十分にあると考える。ウォーターフロントエリアにおいて再開発が進むなか、現在、国や地方自治体を中心に瀬戸内海クルーズ推進会議が立ち上がり、瀬戸内海独自の魅力や特色を活かしたクルーズ振興が図られていると聞く。クルーズ振興によるインバウンド需要の増加を見据え、地域と一体になって本市の特産物を改めて磨き上げ、ガストロノミーツーリズムを推進すべきと考えるが、見解を伺いたい。

7.空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みの強化について

 近年、移動革命に向けた取組みが着実に前進しており、中でも注目を浴びる「空飛ぶクルマ」は、国も官民協議会を立ち上げ、実現に向けた制度整備も検討されるなど、遠くない将来に、車が自由に飛び交う社会が到来すると考える。本市においても、昨年度より、兵庫県とも連携して、市内の空飛ぶクルマの社会実装に向けた事業を支援・促進する補助金事業を実施しているところであるが、民間事業者に補助するだけではなく、本市が主体となって、市政課題の解決にもつながるような活用方法を積極的に模索し、社会実装に向けた動きが加速する取組みを行うべきと考えるが、見解を伺いたい。

8.本市の情報発信戦略について

 人口減少、少子高齢化が急速に進むなか、自治体の魅力や求心力を高めるために、市内外に対して、地域に関する情報を的確に発信し、関心を呼ぶことが不可欠である。本市の情報発信については、情報発信サイトが林立していたなか、横串を刺して情報発信を集約化しようとしている取組みは認めるものの、依然、サイトが乱立しており、ユーザー側からするとどのサイトを見るべきか、右往左往することもある。SNSの公式アカウントによる情報発信も含め、さらなる集約化を進めるべきと考えるが、見解を伺いたい。

[一般質問]要旨 山下 てんせい 議員(西区選出)

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1.地域協働の取組みについて

 地域の担い手の高齢化に加え、高齢者や子育て世帯の孤立など、地域課題の多様化が進むなか、局や区の垣根を越え、多様な主体の協働による課題解決のための司令塔として地域協働局を新設し、各区には地域協働課を設置してから、一年が経過した。これまでの各区まちづくり課の取組みからの変化について検証が求められるところであるが、特に西区ではコロナ禍による対面でのやり取りの減少や、地域の担い手の高齢化も相まって、以前は地域団体で実施していた夏祭りなども完全には再開されておらず、西区の特色であった行政と市民の距離の近さが損なわれたままと感じる。今後、修復に向けた取組みが望まれるが、地域協働局及び各区の地域協働課は、どのように課題を捉え、今後施策を展開するのか、見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 西区では、令和4年度より、地域の活性化に積極的な人材が集まり、活動を展開するプロジェクト「西神中央クロッシング」が実施されてきた。今後、人口減少や少子高齢化が進む中、地域活動を継続し、さらに活性化させていくためには、地域において、やる気のある人材の発掘や支援が不可欠である。そのため、本事業を継続し、さらに効果的に発信していく意義は大きいと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 歴史の浅い西区において、郷土の祭りや盆踊りは後世に継承すべき無形文化遺産である。文化を途絶えさせないために、これまでに無い多様な担い手を巻き込んでいく必要があり、特に学生が有効と考えるが、西区では勤め人の割合が高く、学生へのアプローチが課題である。行政からも働きかけが必要だと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問3)
 今後、本市の課題である地域活性化や担い手の確保、さらには若い世代への文化の継承を進めていくうえで、学校を活用していく視点も有効だと考える。例えば、各小学校の運動会や文化祭などの学校行事で、子どもたちが盆踊りなどを披露する機会を設けてはどうか。教員の負担軽減になるよう、準備や運営スタッフに保護者を巻き込む工夫が必要だが、各地域で昔から親しまれている郷土文化が若い世代に根付くきっかけになるとともに、子供の為なら積極的に頑張ってくれる若い親世代が行事の準備等を通じて連帯感が芽生え、ひいては地域活動への継続的な参加につながると考えるが、見解を伺いたい。

2.西神ニュータウンが抱える課題について

 西神ニュータウン周辺については、駅周辺の公共空間の改修をはじめ、大型商業施設のリニューアルや文化芸術ホールの整備など、魅力的なリノベーションが進められている。一方で、ニュータウンの構造上、駐車場不足が課題の一つであり、各戸建て住宅は来客用の駐車場までは備えておらず、特にお盆や正月など路上駐車に関する苦情が多く発生している。さらに、近隣の市からも家族連れで来訪するような大きな公園が複数あるにも関わらず、駐車スペースがないという指摘も聞く。これらの課題を解決するため、広大な公園の余地を活用すべく、駐車場としての目的外利用を検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 近年、西神ニュータウンにおいて、空家が発生し始めている。空家を放置せず早期活用を促進するためには、初期対応が重要であり、「完全に放置はされていないが、居住しているかどうかが不明瞭な状態である物件」への対応が求められる。これまで本市は空家対策に関して条例を制定し、先進的に空家対策に取り組んできたが、昨年12月の「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正により、管理不全空家という概念が新たに作られ、全国的に空家対策が加速し始めている。空家対策を積極的に推進する本市として、今後はさらに空家になる前段階の状態である物件についても、例えば、民間事業者や民生委員との連携などにより、戸数の把握などに努め、さらなる空家対策の推進に取り組むべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 西神ニュータウンのまちびらきから40年が経過するなかで、調整池周辺の管理が不十分であると考える。例えば、興亜池公園に隣接する調整池では、外周の遊歩道を含め、鬱蒼としており、昼間であっても暗い印象がある。調整池としての機能は尊重するため、景観面や安全面など適正な管理という観点から、適切な対応を考える必要があると考えるが、見解を伺いたい。

3.シティプロモーションについて

 先日、未来の神戸・三宮の姿を描いたショートムービー「KOBE203X」がYoutubeで公開され、公開一か月で20,000回を超える再生回数を稼ぐなど、注目を浴びている。映像コンテンツの制作会社へ委託し、ハリウッドで使われる最新技術であるバーチャルスタジオにより制作されたこの作品は、メイキング動画も紹介されており、興味深く拝見した。新しい映像技術を駆使したプロモーションを行政が後押しすることで、クリエイターにとっても大きな励みになるため、他の施策のプロモーションなど、取組みを広げるべきと考えるが、今回の制作に至った背景も含めて、見解を伺いたい。
(議員再質問)
「KOBE203X」は成功だったと言えるが、この成功を偶然の一回切りで終わらせないことが重要である。本市では、これまでITや映像制作分野など、いわゆる都市型創造産業の振興に取り組み、クリエイターズノートの登録者数も200名を超えるなど、徐々に市内でも優秀なクリエイターが育ってきていることは評価している。今後は、市内外のクリエイターたちが、日ごろから本市でクリエイティブな映像を作ることができる環境を作るために、最新の技術を駆使した映像制作に必要な設備や技術スタッフを備えたバーチャルスタジオを本市に誘致してはどうかと考えるが、見解を伺いたい。

4.ペロブスカイト太陽電池の導入促進について

 脱炭素社会の実現に向けては太陽光発電が核となるが、次世代型の太陽電池として注目を浴びるペロブスカイト太陽電池について、国は、2030年の社会実装を目指し、昨年度から先行投資や市場創造に力を入れており、本市においても、今年度、導入可能性の検討の予算が計上された。「SDGs貢献都市 神戸」を目指す本市として、調査検討に留まらず、他都市に先駆けて行政が導入を進め、市内に広げるべきと考える。3月の委員会で今後の動きについて質疑したところ、「他局とも連携しながら、実証的に導入できる施設を選定していきたい」という答弁であったが、現在の検討状況と今後の方向性について見解を伺いたい。

5.熱中症対策について

 近年の気候変動の影響により、異常高温の頻度・強度がますます高まっていくことが予測されるなか、熱中症対策は喫緊の課題である。本市では、これまでの啓発やミストの設置に加え、今年度より「KOBEクールオアシス事業」を開始し、事業者とも協力しながら一時休息所を提供するなど、対策を進めているところである。一方で、世田谷区では、多くの区民が訪れる公共施設や商店街等に、一時休憩だけでなく無料で水分補給も可能な「お休み処」が開設されている、と聞く。市民や来街者が、夏場でも安全・安心に過ごすことができる環境を整えるため、他自治体の好事例も参考に、より一層サービスを充実させるべきと考えるが、見解を伺いたい。
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