令和7年
 第1回定例市会 2月議会

[一般質問]要旨
 令和7年第1回定例市会 2月議会最終日の3月26日に 大野 陽平 議員(東灘区選出)及び、浅井 美佳 議員(灘区選出)は、市長及び副市長に一般質問を行いました。

[一般質問]要旨  大野 陽平 議員(東灘区 選出)

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1.次期基本計画等の策定と今後の施策について

 昨年の一般質問では、次期基本構想は神戸市の最上位の理念であるため、様々な意見を聞きながら柔軟に素案を修正していくべきと指摘し、先般の11月議会で承認された「基本構想」は、素案から多くの修正が加えられ、神戸の明るい未来に向け、より良い構想になったと感じている。一方で、現実では、少子高齢化や人口減少に起因する様々な課題への対応は待ったなしの状況である。そのため、次年度に策定する「基本計画」や「実施計画」については、様々な課題に対応しながら、基本構想で描いた神戸の未来を実現するための具体的な方向性や施策を掲げていかなければならない。昨年の一般質問で、次期総合基本計画の策定にあたっては、具体的な目標設定や目標達成時の人口見通しを示すことも重要であると指摘したが、その後の検討状況も含めて、今後、どのような「次期基本計画」「実施計画」を策定していこうとしているのか、見解を伺いたい。

2.部活動の地域移行を踏まえた学校教育について

 昨年11月議会の一般質問にて、我が会派の吉田議員 が、部活動の地域移行によって生まれる教員時間を、子ども達にどのように還元するのかと質疑したところ、当局からは「学校教育全体にとって効果的な取り組みとなり、非認知能力の向上をはじめ、子どもたちの健やかな成長につながるよう推進していきたい。」旨の答弁があった。これまでは部活動も教育の一環であったため、教員は、授業だけでなく部活動の指導の仕方も評価されてきたが、今後は、授業の教え方で子ども達から評価される面が大きくなる。昨年の一般質問では、「公立学校におけるブランド力の向上として、例えば、神戸の学校は塾に行かなくても学力が向上することを神戸の教育ブランドにできないか」という旨の質疑をしたが、今後、部活動の地域移行により空いた時間を、具体的にどのように子供たちの学力向上に活用し、質の高い教育を提供していくのか、今後のビジョンについて伺いたい。
(議員再質問1)
 部活動の地域移行によって、本来業務である授業に集中できることは、神戸で教員として働くメリットになりえると考える。そのメリットを効果的にPRすることにより、教員志望者が増加し、優秀な人材の確保が進めば、児童生徒の学力向上につながると期待している。これまで部活動を兼任してきた教員にとっては、個々の理解度に応じた指導法の検討などに十分な時間を注ぐことができなかったと推察されるが、部活動の地域移行を契機に授業準備に集中できる環境が整うため、勉強の苦手な児童生徒へのサポートや、得意な児童生徒への一歩進んだ学習の提供が可能となる。そのため、教員と教育委員会事務局が一体となり、児童生徒の習熟度に応じた学習の展開を、まずはモデル校からでも、前向きに実施いただきたいと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 今後、部活動の地域移行を進めていくにあたり、活動場所へのアクセス面を向上させる工夫は重要であると考える。例えば、東灘区においては芦屋市、西区においては明石市といった、市内に限らず、隣接した他自治体で実施されている活動団体に参加したいニーズも増えてくることが予想される。そのため、今後、部活動の地域移行を進めるにあたっては、双方で市域を超えた柔軟な受け入れが可能となるよう、近隣自治体とより連携を図るべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.六甲アイランドの魅力向上について

 アイランドセンター駅の南西にある土地は、昭和63年の六甲アイランドのまちびらき以降、今日まで恒久的な土地利用がなされておらず、現在は土地を分割し、複数の事業者が暫定利用している。また、各事業者の定期借地期間は異なっており、それぞれの区画で契約更新が行われ、未だ一体的な土地活用がなされていない。すべての現契約が満了となる令和12年頃には、国際定期便が運用開始する予定であるため、国際化の恩恵を最大限に受けるためにも、土地全体の一体的な活用は重要な課題ではないか。区画単位で契約更新が行われれば、いつまでも検討が先延ばしになるため、現契約終了後は一時的に市直営による活用も視野にいれながら、一体的な利用に向けて検討を始めるべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 六甲アイランドの小磯記念美術館前やイベント広場では、スケートボードをする人が目立ち、近隣の方からは、騒音問題等に悩んでいる声を聞く。そこで六甲アイランド内の暫定地を活用して、スケートボードパークの設置をしてはどうか。AOIA跡地は10年間の定期借地の暫定利用という位置づけで、一部にてグランピング施設の開業が予定されており、跡地全体の活用については、サウンディング調査を踏まえて検討していくとのことだが、暫定活用期間だけでも、スケートボードパークを整備してはどうかと考えるが、見解を伺いたい。

4.市街地消防団と地域防災力の向上について

 今後、人口減少が進展するなかにおいても、災害等に即時に対応できる体制維持は不可欠であり、地域での防災活動を担う消防団の取り組みは非常に重要である。現在、北区・西区、灘区の一部等では、消防団の小型動力ポンプ積載車は公費で導入され、維持管理や更新費用も公費で賄われている一方で、市街地の区では、公費導入はなされておらず、東灘区及び垂水区は、消防団自らが保有する消防車両を用いて消防団活動を行っていると聞く。東灘区はじめ市街地の消防団からは小型動力ポンプ積載車の公費導入を求める声が多く、地域防災力の維持の視点を踏まえると必要性は高いと考えるが、消防団の車両導入に関して公費負担する目的や意義、また、エリアによって公費負担の差を設けている考え方について、見解を伺いたい。
(議員再質問)
(東灘区の地元保有車両は、震災時に救助、消火、救援物資搬送などで大きな役割を果たし、現在も火災や風水害、防潮鉄扉の閉鎖等で車両を活用している。しかしながら、多くの車両が30年近く経過し、部品の生産中止などで、次回の車検も厳しいと聞く。)毎年数百件発生している火事件数をはじめ、今後、高い確率で発生が見込まれる南海トラフ地震や、今般の山火事リスク等を踏まえると、消防団に求める役割は増えていくのではないか。さらに、今後、人口減少により市職員も増加が見込めないなか、大規模災害の避難や救助活動には地域の力が不可欠であり、消防団にも様々な活躍が期待されており、車両を導入すれば、消火や救助だけでなく、様々な地域防災活動に貢献できると考える。これらを踏まえると、消防局としての必要性の再検証はもちろん、地域協働局や危機管理室など関係部局とも協議し、消防団車両の導入が高い費用対効果を発揮できるならば、積極的に導入を検討すべきではないか。また、消防団の車両導入には、緊急防災減災事業債の充当が可能であり、他都市では企業版ふるさと納税を活用した消防団の車両導入を進めている事例もある。費用負担の軽減を図ることが可能であることも視野に入れ、市街地での消防団車両における公費負担について、まずは、すでに保有している消防団からでも柔軟に対応すべきと考えるが、見解を伺いたい。

5.カラスやハトへの餌やり規制について

 (明るい未来を目指した取り組みを進める一方で、市民の安心・安全な生活環境を守るため、市民が日々感じる不安や不満にも丁寧に耳を傾けることも重要である。例えば、)公園をはじめとして、カラスへの餌やりが原因で生活環境が悪化している事例がある。市民から苦情が入れば、衛生監視事務所が現地を確認した上で必要な指導を実施することになっているが、改正動物愛護管理法に基づいた命令に至ったケースはなく、いつまでたっても、鳴き声による騒音問題や糞尿被害、クリーンステーションにおけるカラス被害といった周辺住民の不満や不安が解消されていない状況である。当局は「丁寧に粘り強く指導を重ねていきたい」との姿勢であるが、強制力がない対応では不十分ではないか。他都市では、条例で規制している例もあり、かねてより我が会派から要望してきたが、本市においても、カラス被害の抜本的な解決に向けて、条例による規制効果も分析しながら、罰則規程を定めた、カラスやハトへの餌やりを禁止する条例制定を検討してはどうか、見解を伺いたい。

[一般質問]要旨 浅井 美佳 議員(灘 区選出)

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1.新たな国際都市の実現について

(1)英語教育の推進
 今後、グローバル化が加速する中、未来を担う子供達のために、成長段階における英語レベルの目標を市として掲げ、予算措置いだきたいと考えている。来年度予算では、我が会派から要望してきた、児童館における英語体験の強化や、全小学校におけるALTの継続配置のための予算が措置されており、非常に評価している。一方で、国の令和5年度から9年度の第4期教育振興基本計画では、中学校卒業段階で、CEFR A1レベル相当以上を達成した割合を60%以上とする目標が掲げられているが、本市の達成割合は、令和5年度時点で54.1%であり、目標値には達していない状況である。市として、この状況をどのように受け止め、また、今後、どのような目標を設定し、英語教育を推進していくのか、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 横浜市では、来年度から1億円を超える予算を計上し、留学の機会を与える制度の対象が約100名に拡充される。一方で、兵庫県の留学制度は県下で20名に留まり、神戸として独自の補助制度の必要性も感じているどころであるが、まずは、グローバル貢献都市神戸の特徴を活かし、将来なりたい仕事を具体的に考え出す中学校期までに、将来の仕事分野における公用語の重要性を理解し、且つ、できるだけ多くの生徒にその機会を提供すべきと考える。例えば、英語を常用している市内企業や研究機関等と連携しながら、短期間のワークショップやインターンシップを通じて学生に仕事での英語に触れる機会を提供し、英語学習への意欲を高める仕組みを構築すべきと考えるが、見解を伺いたい。
(2)海外事務所の体制強化
 令和5年5月に神戸欧州ビジネスオフィスを開設して早や2年に迫り、グローバル企業の誘致や、外資系企業と市内企業の交流促進において多くの成果をあげていると聞いており、今後の活躍を期待するとともに、市民にも広く周知してほしいと考える。一方で、現在、市からの赴任は1名のみであるため、人事異動による職員の入れ替わりが生じれば、現地で構築してきたネットワークにマイナスの影響を与えかねないと危惧している。そのため、赴任する職員を複数配置し、それぞれの人事異動のタイミングをずらすことで、現地で苦労して構築したネットワークを維持し、継続的に成果を創出していけるような体制構築を図るべきと考えるが、見解を伺いたい。

2.未来を担う子どもたちの教育環境の向上について

(1)子どもたちへの平等な学習機会の提供
 全国的に不登校児童生徒数は増加傾向にあり、要因も様々で、きめ細かな対応が求められる。本市ではこれまで「校内サポートルーム」や「くすのき教室」を設置し、4月からは「みらいポート」が開校される。また、対面での支援が難しい児童生徒のうち約100名に対して、オンラインでの学習・コミュニケーション支援が試行実施されることも大いに期待している。一方で、令和5年度の不登校児童生徒が4,714人であることを鑑みると、今後、本格実施に向けては対象人数の拡大を図り、希望する不登校児童生徒に対しては漏れなくオンライン学習を提供できるようにすべきと考えるがどうか。また、誰一人取り残さないという観点で、各不登校児童生徒の状況を、教育委員会や学校で把握する仕組みが必要ではないか、今後の展望について見解を伺いたい。
(議員再質問)
現在取り組みを拡大しているチーム担任制は、大変評価しているが、新人教員が採用後すぐに担任を持つこともあるため、不安に思われる教員や保護者が、未だ一定数いるのではないかと考える。不安払拭のためにも、OJT研修の拡充や副担任制度の導入、チーム担任制に新任教師を参画させるなど、十分なフィードバックを受けられる、より質の高い教育の提供ができる工夫が必要であると考えるが、見解を伺いたい。
(2)集団登校の実施
 本市では、小学校163校のうち、23校が集団登校を実施している。集団登校は全市統一のルールはなく、実施判断は各学校に委ねられており、学校や保護者が地域割りや集合場所・時間を設定していると聞く。しかし、全国的にも、登下校中に子供たちが犯罪被害に巻き込まれるケースが一定数あることを踏まえると、市として、子ども達の安全・安心をより一層確保するため、集団登校を原則にすべきではないか。地域人材の確保が集団登校の課題と聞くが、他都市では子供たちだけで集まり、高学年が先導して集団登校する事例も多数あることから、これらの取り組みを本市でも積極的に取り入れるべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.避難所DXと効果的な情報発信について

 本市では、災害対応の効率化と高度化を図るため、防災DXを推進しており、今年2月には、避難所受付のデジタル化や、大学・企業と連携した、テレビやスマホを用いた避難誘導の実証実験を積極的に進めており、緊急時においても迅速かつ効率的な避難行動につながることが期待される。しかし、今後、新しいシステムが導入されても、いざ大災害が発生した際に、市民が十分に活用できなければ効果は得られない。そのため、災害発生時には、神戸市の公式LINEを登録している市民等に対して、災害情報や、避難所の混雑情報等を閲覧できるシステムのリンクをプッシュ型で通知し、適切な避難行動につながる仕組みを構築すべきではないか、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 本市では、他都市に見劣りしない施策が多数実施されているのにも関わらず、取り組み内容が市民等に十分周知できていないため、情報発信の強化について、様々な提案を重ねてきた。例えば、市内のイベント情報は「おでかけKOBE」で掲載されているが、子育て世帯向けのイベント情報等の発信は区ごとに異なっており、情報の網羅性に欠け、集約もできてない。市が後援となっているイベント情報も含めて、市が関係する全てのイベント情報の一元化を図り、さらに、市民が見やすく、検索しやすい仕組みを構築すべきではないか、見解を伺いたい。

4.路上喫煙対策の強化について

 本市は、路上喫煙禁止地区を指定し、指導員等の巡回や、違反者に対する過料徴収を行っているが、依然として路上喫煙に対する不満や不安の声を多く聞く。今後、神戸空港の国際化や国内線の発着枠の拡大により、国内外から多くの観光客が神戸に訪れることが見込まれるため、特に玄関口である都心・三宮では、ポイ捨てによる街の魅力低下や受動喫煙リスクを低減していく必要性は高まっている。そこで、違反者の取り締まりを強化すべきではないか。例えば、指導員の増員、過料の増額や歩合制の導入、徴収のキャッシュレス化、巡回時間をタバコのポイ捨てが多い早朝と夜間に集中させるといった取り組みにより、さらなる路上喫煙防止対策を図ることで、神戸の観光ブランド向上に取り組むべきと考えるが、見解を伺いたい。


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