令和7年
 第1回定例市会 5月議会
[一般質問] 要旨
令和7年第1回定例市会5月議会の6月9日に、坊 やすなが 議員(北区選出)、平野 達司 議員(兵庫区選出)、山口 由美 議員(西区選出)の3名が自由民主党神戸市会議員団・無所属の会を代表して市長及び副市長に一般質問を行いました。

[一般質問]要旨 坊 やすなが 議員(北 区選出)

 
[ 録画映像を見る ]

映像スタート

1.「特別市」の法制化について

 人口減少社会のもと、東京都への一極集中はとどまることなく進行しており、先日も東京都における夏場の水道基本料金の無償化が発表され、東京対地方の格差を改めて実感したところである。そのような社会情勢の中、多極分散型社会の実現により日本全体のバランスの取れた発展を目指す「特別市」制度の意義はますます大きくなっているものと考えている。
 令和6年12月の本会議においては、我が会派(の上畠議員)より、「特別市」の法制化に向けた本市としての取組みについて質問したが、その後、国においては「大都市における行政課題への対応に関するワーキンググループ」が設置され、「特別市」制度が議論の対象となり、夏ごろに向けて議論が取り纏められる予定となっている。指定都市市長会においても、久元市長も参加されている「多様な大都市制度実現プロジェクト」において国への提言に向けた議論が行われているが、国が「特別市」を取り上げているこの機会を逃すことがないよう、指定都市市長会の会長として、「特別市」の法制化に向けた働きかけを強力に実施していくべきである。特に、機運の醸成にはより力を入れて取り組む必要があると感じているが、どのように取り組んでいくのか、市長の見解を伺いたい。

2.3期12年の評価と今後の施策展開について

 久元市長が初めて神戸市長として就任されて以降、都心・三宮の再整備や、子育てしやすい街・全国1位と評価されるほどの子育て支援の大幅な強化、新型コロナウイルス感染症への対応、神戸空港の国際化など、様々な難題に取り組み、その手腕を発揮してきた。昨年度、神戸の基本理念を定める「神戸市基本構想」が策定され、この実現に向けた初動期となる重要な局面である今、久元市政3期12年を振り返り、この間の神戸市の歩みをどのように評価しているのか、また今後どのような施策展開を図っていこうとしているのか、市長の見解を伺いたい。
(議員再質問)
 久元市長が初めて就任されてからこの間、“神戸を新しいステージに”・“神戸を変革する”ということがキーワードになってきたように感じている。久元市長が構想し平成27年9月に「三宮周辺地区の『再整備基本構想』」を発表してから、およそ10年の歳月が経ち、都心・三宮の再整備はいよいよ形になろうとしている。また、各地の郊外拠点駅ではリノベーションが進み、海外エアラインの航空機が神戸の空を飛び、新しい国際都市として、次のステージへ向け神戸のまちは着実に変わりつつある。市役所の組織については、古い体質の改善や、民間人材・民間経験者採用の拡大により新たな風を組織に取り込み、組織全体の変革に取り組んできた。多くの職員と話をしてきた私の実感としても、1人1人の職員の働き方・マインドが、震災で傷ついたところから立ち上がり前向きな方向に向いてきたのではないかと感じている。また、冒頭に申し上げた「特別市」の法制化に向けては、指定都市市長会の会長として久元市長自身が中心となって国などへ働きかけを行ってきたことで、ようやく議論が動き始めてきた。
 これらの歩みを止めることなく、神戸をさらなる高みへ押し上げるためには、市政の継続性が非常に重要である。今まさに事業が動き、変革に向け現場がフル回転している中にあたっては、引き続き強力なリーダーシップで組織をガバナンスできるリーダーの存在が不可欠であると考える。
 市政の継続性を維持し、この変革の流れを止めないために、次の神戸市長選挙に向けてどういった決断をすべきと考えているのか、市長の見解を伺いたい。

[一般質問]要旨 平野 達司 議員(兵庫区選出)

[ 録画映像を見る ]

映像スタート

1.データを活用したまちづくりについて

 全国的に少子高齢化が深刻化する中で、人口動態等を的確に把握しながら、客観的なエビデンスに基づく政策形成を行うことは非常に重要であると考える。本市では、EBPM推進のため、令和4年度より神戸データラウンジを構築し、全職員にダッシュボードが共有されるなど、データ利活用のための環境整備やデジタル人材の育成に取り組んでいる。さらに、令和7年1月には、「神戸市データ利活用方針」が策定され、データ・デジタル先進都市の実現に向けて、市の保有する様々なデータを最大限活用する方針が示されるなど、EBPMの推進にこれまで以上に積極的に取り組んでいくといった印象を受けるが、今後、具体的にどのようなことに取り組んでいくのか、見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 住民基本台帳に基づく人口動態のデータを見ると、例えば兵庫区においては、6歳児未満の子育て世帯が市内他区へ転出するケースが多く見受けられ、子どもが生まれたり大きくなったタイミングで区外に転出しているものと推測される。その背景には、かねてから指摘しているとおり、小児科が市内で最も少ないことや、病児保育施設が市内で唯一設置されていないこと、また指定建築物建築届のデータを分析するとワンルームマンションの供給が非常に多く、手頃な価格帯のファミリーマンションが少ないことも子育て世帯の転出の要因として考えられ、結果として、兵庫区の単身世帯の割合は57%と他区と比較しても高い割合となっている。このように、客観的なデータに基づいて、それぞれの地域特性や課題をきめ細かく把握することが重要であり、そのうえで個々の地域に応じた政策を展開していく必要があると考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 兵庫区には、市内唯一の大型児童センターである「こべっこランド」や、湊川公園のトランポリン遊具「ふわふわドーム」等、子どもが遊ぶための市内有数の施設がある。その一方で、産婦人科がなく、小児科も市内で最も少ないことや、政令市でトップクラスの施設数を誇る病児保育施設に関しても、市内で唯一未設置であること等、他区と比較して子育て環境に課題がある部分もある。本市は、昨年度の「共働き子育てしやすい街ランキング」で1位に選ばれたものの、区別の人口動態等のデータを踏まえると、本市に対する印象から実態が乖離しているようなエリアもあるように思うが、1位に選ばれた要因や子育て世帯の動態をどのように分析しているのか。また、より子育て世帯に選ばれるためには、子育て環境をバランスよく配置することも重要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。
(議員再質問3)
 指定建築物建築届を基にしたワンルームマンションの整備状況のデータを見ると、令和2年度から令和6年度にかけての市内のワンルームの計画戸数は11,913戸となっており、そのうち約半数の5,235戸を兵庫区が占めている。また、居住期間別の人口統計を見ると、20代~30代では、居住期間が5年未満の方の割合が半数以上を占めていることから、先ほど指摘した兵庫区の子育て環境の課題だけでなく、ライフステージの変化に応じてワンルームから住み替えるタイミングで、物件の選択肢がそもそも少ないといった住宅事情が、子育て世帯の転出を招いているのではないか。今年度にも160戸を超えるワンルームマンションの建設が予定されているなど、既存のワンルームマンションが全て埋まっていない中で、このようにワンルームマンションが増え続けることについては、強い危機感を抱いている。子育て世帯の定住を促進するため、本市においても子育て世帯向けの住宅ストックの形成や流通の促進に取り組むべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問4)
 地域人材の担い手が限られるなかで、地域課題の解決に向けてより効果的な取り組みを進めていくためには、各地域における転出入の実態や子育て支援施設の整備状況など、客観的なデータに基づいた地域の現状と課題を地域団体等と共有し、課題解決に向けた共通認識を持つための機会を設けて、各地域に応じた的確なアドバイスを行っていくことが重要と考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問5)
 阪神・淡路大震災において、近隣住民の助け合いによって多くの命が救われたように、災害時における初動対応を含め、防犯、子育て、高齢者福祉など、日々複雑多様化する地域課題に取り組んでいくためには、地域コミュニティの活性化による「共助」の仕組みの維持が必要不可欠である。しかしながら、市内には高齢者が多いエリアもあれば、単身世帯や外国人住民の割合が高いエリア、若年層が多く居住人口の流動性が高いエリアもあるなど、各地域の実情はさまざまである。特に、居住人口の流動性が高いエリアは、地域のつながりが希薄になりがちであることから、いざというときの「共助」が機能しない恐れもある。「共助」の仕組みの維持にあたっては、まずは、地域のつながりをつくり、育み、必要な時にはきちんと協力し合えるといった関係性を築いていくことが重要と考えるが、市として、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。
(議員再質問6)
 各区のふれまち協議会が実施する「子育てサロン」は、親子あそびやリトミック、お母さん同士のおしゃべりの場として、地域福祉センター等で開催されている。このような活動は、住民と地域がつながるきっかけとして非常に重要であるが、ある地区では、担い手となっていた方が継続困難となったことで、サロンの開催を中止した事例もある。一度終了した地域活動を再開させることは難しい場合もあり、そのためにも既存の活動を大切にし、継続に向けた支援が重要である。地域活動の担い手の継続が難しくなった場合には、ぼらくる等を活用しながら、多様な人材の参画を促進し、継続に向けた必要な支援を行うべきと考えるが、見解を伺いたい。

2.貧困ビジネス対策

 日常的に生活保護受給者との関わりの深いケースワーカーや民生委員の方々から、他都市の生活保護受給者を一部の事業者が囲い込み、本市の老朽化した住宅へ居住させる、いわゆる貧困ビジネス的実態があるという声を聞いている。貧困ビジネスについては、不正受給問題はもとより、劣悪な環境にある住居等が利用されることにより、まちの景観が損なわれることやまちのイメージそのものに影響を及ぼす懸念もある。その解決にあたっては、一次的な対応を行うケースワーカーや民生委員の意見や疑念を吸い上げ、警察等の関係機関に着実につなげていく仕組みが必要と考えるが、見解を伺いたい。

3.まちなか自習室について

 中高生の自習スペース充実のニーズが高いことを踏まえ、本市では、時間によって空いている民間施設を活用し、放課後等に中高生が無料で自習スペースとして利用できる「まちなか自習室」の設置に取り組んでいる。本年の4月には事業者が決定し、7月までに15か所以上かつ各区に1か所以上の設置を目指しているが、今後どのように事業を展開していこうと考えているのか、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 学校や駅からのアクセスの問題や、自習に適した設備の整備状況等、中高生の様々な利用ニーズに対応する必要があることを踏まえると、現在協力店舗等として想定しているカフェや喫茶店、コワーキングスペース等のみでは、なかなかハードルが高い地域もあるのではないか。「まちなか自習室」の設置場所として、例えば、市場や商店街の空きスペースを活用すれば、自習スペースの確保だけではなく、普段あまり市場・商店街に足を運ばない中高生などの新たな層を呼び込むことができ、市場・商店街の活性化にもつながると考える。さらに、「ぼらくる」や「シニア元気ポイント」を活用し、管理のための人材を募ることで、実現可能な仕組みになると考えるが、見解を伺いたい。

4.兵庫運河における取組みについて

 兵庫運河は、本年3月に、生物多様性の保全が図られている区域であることを国が認定する「自然共生サイト」にも認定されるなど、自然と共生する地域資源として、地元の方々に親しまれている。令和6年決算特別委員会において、兵庫運河における環境学習施設の整備について質疑したところ、「周辺の回遊性向上にも寄与する施設となるよう検討を進めていきたい」との答弁があり、令和7年度予算では、設計・工事費用が計上された。現在は、漁業協同組合を中心に、地域の子どもたちを対象とした環境学習を実施しているが、今後、施設の整備が進み、環境学習の機会を拡大していくためにも、地元の大学生や研究者等を含めた担い手の確保に努める必要があると考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 環境学習事業を持続可能な取り組みとしていくためには、担い手の確保のみならず、安定的かつ多様な資金源の確保も重要である。国においては、生物多様性を保全する「自然共生サイト」への企業支援を後押しする制度として、証明書の発行手続きを本年8月にも本格化させる方針が示されている。企業には、ブランド価値の向上や投資家へのアピールといったメリットが期待されるため、今後の企業連携を進める上で有力な手段の一つと考える。一方、ブルーカーボンを活用した「Jブルークレジット」への企業支援が進む中、自然共生サイトについても、その趣旨や意義を丁寧に整理し、兵庫運河の自然回帰や脱炭素社会の実現といった、CSR・ESG経営に直結する取り組みとして、企業にアプローチする必要がある。企業にとっての意義や参画の方法を明確に示すことで、クレジット購入にとどまらず、人的リソースの提供やイベント時の協力など、より多様な形での企業参画を促すことが可能となる。そのためにも、行政として、企業に対して包括的かつ分かりやすい情報提供を行うとともにマッチングの取り組みを推進し、企業の社会貢献意欲と地域のニーズを結び付ける役割を果たしていくべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 令和8年4月に予定されている環境学習施設の完成は、兵庫運河の環境や魅力を広く発信し、市民の関心を高める絶好の契機と考える。この機会を最大限に生かすには、施設の完成に合わせたセレモニーや環境学習を体験できるイベントを開催することで、兵庫運河の魅力や施設を整備した意義などを広く周知することができるのではないか。また、イベントの開催にあたっては、地域のにぎわい創出にもつなげるため、例えば、地元商店による出店、周辺企業の協力による夜間の動画放映やプロジェクションマッピングといった演出、近隣の大型商業施設であるイオン、そして地域密着で活動するヴィッセル神戸などとの連携を行うことで、地域内外から幅広い層の来訪を促すことが可能になると考える。さらに、今回の施設整備を契機として、兵庫津やその周辺に点在する歴史遺産、土木遺産を巡る街歩きの促進にもつなげるなど、地域全体としての回遊性を高めていく視点も重要であると考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問3)
 環境学習施設の整備は、地域の環境意識の醸成や次世代への環境教育の拠点として大変意義のある取組みであり、その趣旨に深く共感し、強い関心を持っていただいている企業の方からも、具体的なご相談をいただいているところである。現在、市有施設におけるネーミングライツの導入は大規模施設が中心となっているが、たとえ小規模であっても、企業の理念と公共の目的が合致する場合には、ネーミングライツを通じた新たな官民連携の可能性があると考える。ネーミングライツの導入により、施設の管理運営に係る財政的な支援が期待できるほか、企業の社会貢献の一環としても意義のある取組みとなり、今後、他の小規模施設にも波及する好事例となる可能性もあるため、本施設におけるネーミングライツの導入を前向きに検討してはどうかと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問4)
 運河の魅力発信や保全の取組みの一環として、現在、区内在住の小学生等を対象とした生き物観察等の環境学習プログラムが実施されているが、先述した、環境学習の担い手の確保や企業からの支援体制が整えば、来年4月に予定されている環境学習施設の完成を契機として、より多くの市民に運河の魅力を伝えていく取組みが重要と考える。特に、兵庫運河では、人工的に干潟を整備し、自然が再生されつつあるという極めて珍しい事例が展開されており、全国的に見ても他に類を見ない取組みとして認識している。このような特徴は、北海道の小樽運河が観光名所として知られているように、「神戸の兵庫運河」としての知名度向上や観光振興にもつながる大きな可能性を持っていると考える。そのためには、来年の4月以降は市内外を問わず対象者を幅広く拡充できるよう、広報・周知の強化にも力を入れていくべきではないかと考えるが、見解を伺いたい。

[一般質問]要旨 山口 由美 議員(西 区選出)

[ 録画映像を見る ]

映像スタート

1.障害学生の実態調査について

 日本学生支援機構の調査によると、障害学生数や、在籍する学校数は年々増加傾向にある。本市は、政令市の中でも上位の大学数・学生数を誇り、全国有数の大学都市として、大学や学生との連携・支援に取り組んでいるところである。重度障害者が修学するために必要な身体介護等を提供する「神戸市重度訪問介護利用者等大学等修学支援事業」を実施し、一定の支援は実施しているが、現行の制度は活用しにくい上に十分ではないため、制度の改善やさらなる支援が必要である。障害学生の修学支援については、本来、国が主導で取り組むべきことではあるが、国に積極的に働きかけを行うためにも、まずは本市としても市内在住の障害を持つ学生や市内大学の実態や当事者のニーズを把握すべきと考えるが、見解を伺いたい。

2.視覚障害者の一貫した支援について

 難聴児者支援に携わる傍ら、視覚障害児支援に関わる機会があった。聴覚も道半ばであるが、視覚分野はまだ課題が整理されていない印象を持った。一方で、市内には神戸アイセンター病院など最先端の研究・外来があり、公立・民間の支援施設もあり、恵まれた環境であるが、時代の変化や当事者のニーズに適応した内容となっているのか、改めて確認する必要があるように感じている。そのため、市内の民間団体や国・県の施設とも連携し、福祉・教育・療育が一体となって、子どもから大人まで一貫した視覚障害者支援の最適なあり方を改めて検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 教育委員会は令和5年度に、神戸市就学・教育支援委員会のもとに視覚障害教育部会を設置し、一定期間議論を行ってきた。部会の議論も踏まえ、教育委員会としても視覚障害者支援の検討に主体的に取り組み、より良い視覚障害教育のあり方につなげていくべきと考えるが、見解を伺う。

3.アウトドア・バリアフリーについて

 令和7年度予算特別委員会の総括質疑において、我が会派より持続可能なユニバーサルツーリズムの推進について質疑したところ、「引き続き民間企業や団体と連携のうえ、さらに利便性を高める方策について積極的に検討し対応してまいりたい」との前向きな答弁を受けた。また、4月に行われた好日山荘100周年記念式典においても、同社がアウトドア・バリアフリーの取組みをされることに対して、市長より、「行政として大変ありがたい」という趣旨の発言もあった。須磨海岸エリアや六甲山等、海と山を活かした観光施策を進める本市においては、ユニバーサルツーリズムの中でも、障害の有無等に関わらず全ての人に野外活動への参加機会を提供する「アウトドア・バリアフリー」の観点が特に重要である。市内ではすでにアウトドア・バリアフリーを実践する団体も活動しているため、ユニバーサルツーリズムに関わる既存団体を含めたコンソーシアムを創設するなど、神戸ならではの観光資源を活かし、アウトドアも含めたユニバーサルツーリズムを展開できないか、見解を伺いたい。

4.児童虐待の対応について

 一昨年に西区で発生した児童虐待死案件を受け、庁内のみならず、第三者による児童虐待対応についての検証が行われ、事件で得た教訓を活かしていこうとする動きがみられている。特に、昨年度の代表質疑でも我が会派より指摘した定期的な第三者評価については、虐待対応の質の担保のみならず、現場職員が安心感を得るためにも、必要だと感じているが、今後の取組みについて、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 本事案に関する検証報告書では、初動や時々のアセスメントについての課題だけでなく、虐待を受けた人が、大人になって自分の子供に対して虐待をしてしまう「虐待の世代間連鎖」に対して、日本において予防的取組みが依然として進んでいない点についても言及された。本事案を踏まえ、今後は、虐待に至らない予防的な対策や世代間連鎖を断ち切る取組みも重要と考えるが、市の見解を伺いたい。

5.地域医療体制について

 神戸市内の様々な医療関係者から意見を聞く中で、診療科によっては、市が適切な地域医療体制の構築にもっと介入すべきではないかと感じている。医療体制については、兵庫県の所管であることは承知しているが、多くの診療科では神戸市単独で神戸圏域となっており、市の意見をベースに保健医療計画が策定されている。そのため、本市の事情をよく把握して、それゆえの課題もしっかり認識すべきではないか。特に、周産期・精神科には課題があると感じているが、神戸市内の地域医療体制の強化に向けて、患者の動向や医療機関の受入状況など、まずは現状をしっかり把握すべきと考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質問)
 精神科、特に児童精神科については、子どもの外来患者が増えており、対応できる専門人材が不足している等、深刻な状況であると感じている。学校現場では、心に問題を抱える子どもへの医療介入が必要かどうかの判断は難しく、保護者が悩みながら医療機関を探し求め、見つからずに苦労するケースもあると聞く。そのような実態も把握した上で、市内において児童精神科の十分な体制を整える必要があると考えるが、見解を伺いたい。

市会情報一覧に戻る