既存市街地のエリア価値向上と空き家・空き地の活用促進、市バスの運行効率化と利便性向上、外国人の生活実態に即した福祉制度の適正化、そして兵庫区内における産後ケア体制の充実やMICE機能の強化など、市民生活に直結する幅広い課題について。この内容について、当会派の平野 達司議員が質疑をおこないました。

1. 既存市街地におけるエリア価値向上と住宅供給の促進
【質疑】平野 議員
本市では2030年までに5,000戸以上の手頃な住宅供給を目指していますが、市有地が限られる既存市街地においては、民間による空き家・空き地の活用が不可欠です。地域の活性化や魅力向上に寄与する事業者への支援を含め、今後の取り組みについて見解を伺います。
【答弁】久元 市長
1,000平米未満の小規模な市有地や施設統廃合による余剰地の活用に加え、民間活用では「空き家・空き地地域利用バンク」によるマッチングや改修費補助を行っています。兵庫区梅元町の「バイソンプロジェクト」では、空き家を共同茶室やシェアキッチンに再生する好事例も生まれています。今後は、空き家発生の主因である「相続」に注目し、相続前からの早期支援や意識醸成を民間と連携して強化していきます。
【再質疑】平野 議員
子育て世帯は戸建て住宅を望む傾向が強いですが、兵庫区北部などの山麓部では、接道要件を満たさないために建て替えが困難な土地が多く、これが住宅供給の妨げとなっています。こうした土地の活用可能性を事業者に発信し、ニーズに応えるべきではないでしょうか。
【答弁】久元 市長
接道要件を満たさない敷地でも、火災時の消火活動や救急車の通行といった安全性が確認されれば、建築審査会の同意を経て建て替えが可能となる「包括同意基準」を定めています。この基準が十分に周知されていない現状があるため、不動産関係者への周知を徹底するとともに、新年度からは建築・都市局が中心となり、住宅供給フォーラムやオープンミーティングを積極的に開催して有効活用を推進します。
【意見】平野 議員
地元の相談では、相続が重なり所有者の特定が極めて困難な「戦国時代のような家系図」の状態になっているケースも見受けられます。購入希望者がいても活用できないのは大きな損失です。ターゲット層を絞った効果的な広報と、スピード感を持った対応を強く求めます。
2. 市バス事業の運行効率化と利便性の向上
【質疑】平野 議員
市バスの走行距離の約4分の1を占める「回送ロス」の削減は喫緊の課題です。以前、地下鉄駅構内に休憩所を設け、交差するバス停で乗務員交代を行うことで効率化を図るべきと提案しましたが、令和6年度の試行運用の内容を伺います。
【答弁】城南 交通局長
4月1日のダイヤ改正に合わせ、地下鉄旧居留地・大丸前駅の空きスペースを活用した乗務員待機所を整備します。これにより、2系統「元町1丁目」停留所で乗務員が交代し、1台の車両を継続して運行させることで回送の削減と車両稼働率の向上を図ります。路上での円滑な交代や乗務員の負担、遅延時の対応など、試行を通じて課題を精査し、手法のブラッシュアップを目指します。
【要望】平野 議員
経営改善の観点からも、安全を第一とした上で、こうした効率化の取り組みを確実に進めていただきたい。
3. 外国人の生活実態を踏まえた福祉制度の適正化
【質疑】平野 議員
国の総合的対応策において、外国人の在留を前提としていなかった社会保障制度の見直しが示されました。例えば、入国前の所得が把握できない留学生が、就労制限(週28時間)の影響で結果的に非課税世帯向けの給付対象となる実態があります。また生活福祉資金の帰国後の回収困難事例なども含め、実態を国や県に伝え、改善を求めるべきではないでしょうか。
【答弁】今西 副市長
低所得世帯向けの給付等は住民登録がある方を対象に国の要件に沿って実施していますが、生活福祉資金貸付(県社協実施)については、6ヶ月以上の居住実態や連帯保証人の確保などの審査があります。直近の留学生への貸付実績はありませんが、制度の運用実態については、本市が把握する情報を適切に国へ伝えてまいります。
【意見】平野 議員
住民登録時に在留資格を把握している以上、その情報を社会保障制度の判定に連動させるなど、市民の理解が得られる仕組みを構築すべきです。指定都市市長会などの場も活用し、実態に即した制度改善を強く働きかけてください。
4. 兵庫区における地域課題の解決(バス路線・産後ケア)
【再質疑】平野 議員(バス路線について)
兵庫・長田エリアの路線再編により、兵庫区役所や東山商店街へのアクセスが不便になったとの切実な声があります。大型車両進入禁止となっている湊町線の側道を、バスに限り通行可能とする迂回ルートの新設について、現在の進捗を伺います。
【答弁】城南 交通局長
1月に警察等と実施したテスト走行で物理的な走行が可能と確認し、先日、国へ路線の新設認可申請を行いました。夏から秋頃を目途に実証実験運行を開始し、利用需要を測った上で本格運行を判断します。
【意見】平野 議員
この迂回ルートは地元の強いニーズに基づくものです。実現した際には、婦人会や老人会、商店街などへ積極的に広報し、利用促進を図るよう私からも働きかけます。
【質疑】平野 議員(産後ケアについて)
兵庫区内では産科医療機関や病児保育施設の開設が進んでいますが、「産後ケア」については区内に実施施設がなく、市内唯一の未実施区となっています。区内での施設設置が必要と考えますが、見解を伺います。
【答弁】中山 こども家庭局長
本市の産後ケア利用率は35.3%と全国平均の倍以上であり、非常に重要な事業です。現在、全市統一の予約システム導入などで利便性を高めていますが、兵庫区で新たに分娩を開始する医療機関に対しても、実施施設となっていただけるよう個別に強く働きかけてまいります。
【要望】平野 議員
区内で安心して出産・子育てが完結できる環境は、現役世代の定着に直結します。新たな病院への丁寧かつ積極的な調整を強く要望します。
5. 次世代MICE都市に向けた通信基盤の強化
【要望】平野 議員
国際会議場等のリニューアルにあたり、4K・8Kの超高精細映像配信やハイブリッド型イベントに対応できる、超高速・大容量の通信環境(次世代通信基盤)を戦略的に整備することを強く要望します。2030年の神戸空港国際化を見据え、「選ばれるMICE都市・神戸」の実現を求めます。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、空き家対策による住環境の整備から、交通・福祉・子育て環境の最適化まで、現場の課題を一つひとつ丁寧に拾い上げ、市民の皆様の暮らしをより豊かに、より便利にするための政策提言を続けてまいります。


