平和の尊さと国を守る責任を学ぶための体験型・対話型教育の重要性や、高校授業料の無償化に伴う市立高校の役割見直しと「魅力倍増プラン」の策定、物価高対策としての「フードサポート神戸」の安定的かつ確実な運営方法の改善、垂水区独自の減塩推進策を交えた生活習慣病の重症化予防対策、介護サービス未利用者への納得感醸成、空き家を活用した高齢者シェアハウスの先行事例推進、しあわせの村を森林資源の循環と防災機能を有する総合的モデル拠点と位置づける提案、神戸空港の国際化に連動したゴルフツーリズムの戦略的誘客、そして道の駅等でのスマートゴミ容器の効果的な配置によるポイ捨て防止と環境美化まで、市民に寄り添う9項目について、当会派の植中雅子議員が質疑をおこないました。

1. 平和の尊さと国を守る責任を学ぶ教育について
【質疑】植中雅子議員
市内各地で行われてきた戦争慰霊祭は地域の戦争の歴史を学ぶ貴重な機会ですが、近年は担い手の高齢化により開催が困難になっています。世界各地で不安定な情勢が続く中、平和の尊さを次世代に伝え、国を守る責任を学ぶ教育の重要性は一層高まっています。本市では語り部を招くなどの取り組みを行っていますが、戦争体験者の減少により、こうした実感を伴った学びの機会が今後さらに限られていくことが懸念されます。児童生徒が平和を自分事として捉え、主体的に考える力を育む平和学習の充実に一層取り組むべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】福本教育長
神戸市立学校では社会科や道徳、修学旅行などを通じて戦争の悲惨さや平和を守るための学習をしております。体験者の減少という現状に対し、各学校では資料や映像の活用を工夫しているほか、神戸市の副読本「わたしたちの神戸」に掲載されている神戸大空襲の写真や地図、地域の高齢者の体験談に触れることで、児童生徒がそれぞれの発達段階に応じて当時の人々の感情や背景を想像できるよう取り組んでおります。教員が一方的に伝えるのではなく、児童生徒が主体的に調べ、考え、意見を交わしながら実践に繋げられるよう、今後も多様な教材や体験的な活動を取り入れ、平和学習の更なる充実に努めてまいります。
【再質疑】植中雅子議員
私は4月下旬に日本パラオ友好地方議員連盟の一員としてパラオ共和国を訪問し、ウィップス大統領と意見交換をさせていただきました。その際、ペリリュー島に眠る、命をかけて戦った日本人に対して大統領から深い敬意が示されるとともに、二度と戦争が起きないことを願う、そしてペリリュー島に平和のミュージアムを作りたいというお話をお伺いしました。ペリリュー島の激戦を題材とした漫画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』は子供たちが抵抗なく読み進められる作品です。戦争の悲惨さは文字中心の教材だけでは伝わりにくい面がありますが、こうした漫画や映像作品は視覚的・感情的に受け取りやすい良さがあります。
また、母校の山田小学校での語り部のお話を踏まえて感じたのは、言葉による学習だけでなく、対話型・体験型の学習の大切さです。実際に地域の防空壕を見たり、当時の千人針や生活用具などの実物に直接触れてその苦労を思い知ることで、子供たちからは「家に帰って家族と戦争について話し合ってみたい」「テレビでウクライナの惨状は見ていたけれど、今日お話を聞いて初めて実感が伴った」といった感想が聞かれています。みずから知りたい、地域の歴史を知りたいと思える主体的な平和教育、家族や地域から戦争を知る教育が大切だと考えますが、教育現場においてこうした体験的教材や手法を活用することについていかがでしょうか。
【答弁】竹森教育委員会事務局長
漫画や映像作品は、児童生徒の視覚や感情に訴え理解を深め、学習意欲を高める効果が期待できるものと認識しております。本市におきましても戦争中を描いた絵本や映像作品を既に授業に活用しています。ご紹介のパラオを舞台とした作品は、戦争の悲惨さや極限状態の人間を描いた評価の高い作品であり、子供たちにも親しみやすい絵柄で書かれております。一方で、戦争を扱う作品にはショッキングな描写も含まれるため、子供たちの発達段階に応じたきめ細かな配慮と心理的負担への目配りが必要となります。今後も心理面への負担に十分に配慮しつつ、漫画や映像作品を適切に活用するとともに、防空壕の見学や当時の道具に触れるといった体験型の学習についても工夫を凝らしながら取り組んでまいります。
【要望】植中雅子議員
尊い命について学ぶ教育の中で、子供たちが必要以上のショックを受けることのないよう配慮を施した体験学習を進めていただくことを要望します。
2. 市立高校の魅力向上について
【質疑】植中雅子議員
令和8年度の兵庫県内公立高校入試においては、平均倍率が0.97倍と初めて定員割れとなり、長田高校などの都市部の進学校においても志願者の減少が見られました。高校授業料の無償化が開始されて以降、公立高校のあり方そのものが問われる局面に来ていると考えます。本市の市立高校においては、再編や特色化の取り組みにより一定の志願倍率を維持しているものの、今後の少子化の進展と相まって、学校間競争は一層激しくなることが見込まれます。先日の総合教育会議でも議論がなされたと聞いておりますが、公立高校を取り巻く環境変化を見据え、市立高校の特色化・魅力向上にどのように取り組んでいかれるのか、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】福本教育長
授業料無償化によって学びの選択肢が増え、私立高校への流出などによる公立離れが進んでいるのは事実でございます。直近の公立高校一般入試でも約6割の学校が定員割れという状況です。その中で市立高校が一定の志願倍率を維持できている理由は、これまでの高校再編による通学利便性の向上や、地域密着型の探究学習、地域資源を活かしたSTEAM教育といった特色ある先進的取り組みが総合的に評価されているためと認識しております。今後は先日行われた総合教育会議の方針に基づき、外部の有識者や企業、さらに在籍生徒やこれから受験を控える中学生の協力も得ながら議論を深めてまいります。また、有識者会議からの提言や国・県の動向、少子化を踏まえた定員数・学科編成、教員の研修体制、そしてデザイン的視点を持った充実した施設整備など、ハード・ソフトの両面から様々な検討を重ね、市長部局とも緊密に連携しながら、市立高校全体の特色・魅力向上に向けたプランを策定してまいります。
【再質疑】植中雅子議員
先日の総合教育会議において市長からは、通称「魅力倍増プラン」を秋頃を目途に策定し、令和9年度予算編成にも繋げていくとの考えが示されました。このプランの策定に向けては、有識者や企業、生徒の参画を得て、議会への報告を丁寧に行いながら進めるとされています。これは変化する高校教育環境を踏まえ、本市として主体的に方向性を示していこうとする強い意志の表れと受け止めておりますが、このプランを通じて市立高校の役割や魅力をどのように再定義し、将来像を描いていくお考えか、市長の思いをお伺いいたします。

【答弁】久元市長
高校授業料無償化が公立離れを引き起こすことは予測しておりましたが、県立高校が定員割れをすること自体は大変大きな衝撃でした。しかし、その中で本市の市立高校が定員以上の志願者を得て志願倍率を維持している事実は、市立高校にまだ十分なポテンシャルがあることを示しています。私自身、4月中に全ての市立高校に足を運び、全ての校長先生方と直接意見交換を行い、実際の授業風景や生徒たちの様子を拝見してその確信を強くいたしました。総合教育会議での議論を経て秋頃を目途にプランを策定する決定をしたところです。教育内容や学科編成、入試制度そのものは教育委員会が決定すべき領域ですが、市長部局としては、生徒の皆さんが快適かつ気持ちよく学べる学校環境や施設整備を、デザイン面や、断熱性などの機能面も含めてどのように良いものに作り上げていくかという部分に参画する意義があると考えています。ハロー生徒の皆さんや学校の先生方の声、さらにはデザイン・機能面の専門家の知見を借りるため、企画調整局のデザイン担当において専門家の人選を進めているところです。来年度の予算編成を前に、議会に対して一定の考え方をお示しできるよう、教育委員会と緊密に連携を取りながらプランの策定作業を進めてまいります。
【要望】植中雅子議員
実際にすべての市立高校を回っていただいたことに感謝いたします。中学生の皆さんが「ぜひともこの市立高校に行きたい」と心から思ってもらえるような魅力向上への取り組みを期待します。
3. 神戸市の物価高対策、「食の支援事業」について
【質疑】植中雅子議員
国の交付金を活用した本市の物価高対策は、単なる現金の給付ではなく、影響の度合い、時間的効果、公益性という3つの柱のもとで支援の循環を生み出す仕組み作りを重視している点を評価しております。一方で、本年4月から新規事業として各区で開催している「フードサポート神戸」については、希望者全てに食料が行き届いていない点や、情報収集が十分にできていないこと、移動が困難な方が利用しにくいことなどの課題が指摘されています。見直すべき点は速やかに改善し、中期日程に向けては、必要とする人が確実に受け取れるよう、運営方法を抜本的に見直すべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】今西副市長
フードサポート神戸はこれまでに5会場で開催し、約8,800名への食料配布と約100件の相談支援を行ってまいりました。行政窓口の支援に直接繋がった事例など一定の成果は生まれております。一方で、当初想定していたよりも多くのご来場があり、希望する全員に支援が行き届かないといった課題が生じたことは事実です。そのため、直近の垂水区会場では配布数を大幅に増やし、希望者全員に食料品等を配布することができました。次回の兵庫会場以降につきましても、会場の安全を確保しつつ可能な限り配布数を増やす方向で事業者と調整を進めております。秋季に向けた体制やあり方については、春季の今後の状況と課題をしっかりと検証した上で検討してまいりたいと考えております。
【要望】植中雅子議員
4月17日の金曜日に、北神区文化センターで開催された中央区・北区・兵庫区対象の現場を視察させていただきました。これまでに生じた課題に対する改善の方向性は理解いたしましたが、依然としてインターネット等での情報収集に不慣れな高齢者をはじめ、本当に支援を必要とする方々へ情報が確実に伝わっていないことが懸念されます。地域の実情をよく知る自治会や民生委員の皆様と積極的に連携をとり、丁寧で確実な情報提供を行うことで、よりきめ細かな周知と行き届いた支援が可能になると考えます。また北区などの広域的なエリアでは、移動手段がなくて会場まで来られない方もおられます。今回の運営から明らかになった課題をしっかりと検証し、困っている方の手に確実に必要な支援が届くよう、実効性の高い運用見直しを強く要望いたします。
4. 地域ベースの健康寿命延伸の取り組みについて
【質疑】植中雅子議員
食塩の過剰摂取は高血圧を引き起こす主な要因ですが、厚労省が定めた1日の食塩摂取量目標値7gに対し、令和6年の国民健康・栄養調査によると、平均摂取量は9.6gと高い傾向が続いています。海に近い垂水区では古くから漁業が盛んで製塩も行われていた歴史的な背景もありますが、高血圧やその重症化によって生じる脳出血を予防するため、区民に減塩を促す「たるみSIO(しお)6プロジェクト」という独自の取り組みを垂水区で実施しており、非常に高く評価しております。今後さらに高齢化が進む中、健康寿命延伸のため、生活習慣病の予防や重症化対策をより一層強化していくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】今西副市長
垂水区では、2024年に脳出血の発症予防や高血圧対策を目的とした「たるみSIO(しお)6プロジェクト」を開始しました。高血圧治療中の患者における1日の塩分摂取目標量である6gについて、地域の学習会等を通じて周知・啓発を行い、実践的な減塩活動を展開しており、地域連携の観点からも非常に意義深いものと考えております。本市で生活習慣病と要介護状態との関連を分析した結果、脳血管疾患や腎不全、糖尿病が要介護の大きな要因として影響していることが確認されました。また、重症化して発症する疾患の初年度医療費(手術・投薬含む)は、透析で年間約650万円、脳血管疾患で年約290万円、心血管疾患で年約250万円と高額です。特に人工透析の開始原因となる疾患は高血圧による腎硬化症と糖尿病性腎症が約6割を占めており、生活習慣病の重症化予防対策の強化は健康寿命延伸のために必須であると考えております。本市では2020年度より、後期高齢者健診の受診者の中からリスクのある方を抽出し保健指導を行ってまいりました。今年度からは、健診結果で基準値から外れた方に加え、医療レセプトデータも活用して治療を自己中断している治療中断者など病状の悪化が懸念される方も新たに対象に加え、生活習慣の改善指導と受診勧奨を始めております。今後もデータを継続的に分析し、重症化対策に重点的に取り組んでまいります。
【要望】植中雅子議員
市民の健康寿命を延ばし、自立した生活を守るためには、生活習慣病の予防と重症化対策の推進が必要不可欠です。本プロジェクトのような優れた地域連携活動を評価し、市内全体でも積極的な対策を進めていただくよう要望します。
5. 持続的な介護保険制度の理解促進について
【質疑】植中雅子議員
令和7年12月時点で、本市の介護保険第1号被保険者は約43万人ですが、サービス利用者は約8万人です。介護保険制度は高齢者の介護を社会全体で支える助け合いの制度ですが、サービスを利用せずに長年保険料を負担し続けている方々の中には、直接的な給付を受けていないことに対して不公平感を抱くという声も耳にします。介護サービスを利用せず健康を自立して維持している高齢者に対し、市長名での感謝状を贈呈するなど、制度を支えてくださっていることへの感謝と敬意を行政として明確に示すことで、市民の納得感を醸成し、同時に健康維持への意欲向上に繋げるべきと考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。
【答弁】今西副市長
介護保険制度にかかる費用の原則9割は、国・県・市の公費と、40歳以上の方々の保険料によって半分ずつ賄われています。本市においては、約95万人(65歳以上の第1号被保険者約43万人、40歳以上65歳未満の第2号被保険者約51万人)の方々に保険料をご負担いただいており、実際にサービスを利用されている約8万人の方々を含め、全ての被保険者の皆様のご理解とご協力があって、いざ介護が必要となった際に適切なサービスを受けられる体制が維持されています。高齢者の皆様が健康を維持し、元気に長くお過ごしいただくことはご本人だけでなく社会全体にとって大変重要なことであり、介護予防や健康づくりの大切さを引き続き丁寧にお伝えしてまいります。一方で、実際に介護が必要となった際、ためらわずに相談しサービスを利用していただくことも極めて重要です。感謝状の贈呈というご提案について、制度自体が全員を支える仕組みであること、そしてご自身の健康維持の取り組みが制度の持続可能性に貢献していることについて、保険料をご負担いただいている皆様に共通の理解が広がるよう、制度周知にしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。。
【要望】植中雅子議員
以前の本会議質問においても同様の提案をし、広報等での発信などの答弁をいただき一定の実践はなされていますが、今なおサービス未利用者の納得感へ十分に繋がっている実感がありません。第9期の介護保険料における他都市との比較を見ても、政令市の中でも本市は取り崩し基金に頼る厳しい財政維持状態にあり、大阪市の100%取り崩し等に比べても、本市は50%の基金内で制度を保っています。このような実情や、介護サービスを利用せずに健康でいてくださる皆様のおかげで、この厳しい制度運営が成り立っているという事実に対し、行政として心からの感謝の意を明確な形で示す手段を引き続き要望いたします。
6. 空き家活用による高齢者シェアハウス整備について
【質疑】植中雅子議員
単身高齢者の増加が見込まれる中、低額な国民年金等のみでは生活が成り立ちにくい層が一定数存在しています。日常的な見守りや助け合いが得られる住まいのあり方が求められる中、高齢者シェアハウスは入居者同士の支え合いによる自立した生活環境を提供し、かつ家賃負担の軽減にも寄与する現実的な解決策として注目されています。市内には未活用の空き家が相当数存在しており、これら既存の住宅ストックを有効に活用する観点からも、空き家を活用した高齢者向けシェアハウスの整備検討を加速化させるべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

【答弁】久元市長
高齢者向けシェアハウスは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や一般の民間賃貸住宅に比べて費用が低額に抑えられることや、入居者間の交流・支え合いによって孤独感や孤独死のリスクを軽減できるといった多くのメリットがあります。一方で、入居者の介護必要度の変化や疾病への対応、バリアフリー化といった課題のほか、事業者からは「入居者が集まりにくい」「入居者同士の生活トラブル」などの運営面の課題も聞いているところです。以前、予算特別委員会で議員から「先行事例をつくってはどうか」という前向きなご提案をいただきました。そこで建築課との協働による「空き家活用促進補助」を活用した結果、令和6年度に未活用で放置されていた戸建てや長屋住宅を再生し、2つの高齢者向けシェアハウスの先行事例を作り上げることができました。これは既存ストックの有効活用にも繋がる事例であり、こうした取り組みをさらに広げ、模索していきたいと考えております。平成23年度に設立した神戸市居住支援協議会において不動産関係団体や居住支援団体と連携し、住宅確保要配慮者の民間賃貸への入居促進に努める中、本シェアハウスに関する勉強会も実施いたしました。今後は、空き家を活用する運営事業者を対象とした現地視察や意見交換、協議会での積極的な情報共有を通じて、引き続き検討を行ってまいります。
【要望】植中雅子議員
前向きな先行事例の取り組みについて感謝を申し上げます。私は11年前の初当選時の初めての本会議の質問で「団塊世代の真っ只中にある当事者として、2025年問題に何としても取り組まなければならない」との決意を述べさせていただきました。生活保護受給者の急増を防ぎながら、高齢者が地域でお互いに支え合って自立して自らの生活を維持できるよう、行政が先頭に立ってこうした空き家活用の成功事例をさらに増やしていただくことを強く要望します。
7. しあわせの村における森林資源循環について
【質疑】植中雅子議員
市産材のブランド化を進める取り組みは評価しておりますが、現在も多くの伐採木が処理費用を支払って民間業者に引き取られているのが実態です。公園や街路樹の伐採木だけでも年間約3,300トン、約3,500万円の処理費用を支出していると聞いております。木を無駄なく使い切りその価値を高めていく観点から、薪やチップとしての活用も含めた資源循環が必要です。現在「しあわせの村」では、木材ストックヤードに備長炭の炭釜の整備が進められるなど資源利用の機能が集積しつつあります。今後は薪やチップへの加工と活用を進めることはもちろん、薪割り体験や、薪で作る調理など、利用者が森林資源を活用するプロセスに関わり、価値を実感できる仕組みを導入して実践的な環境教育の場としての機能を高めていくべきです。さらに、薪やチップといった木質資源は災害時には貴重な熱源となることから、防災面における備蓄拠点としても期待できます。しあわせの村を森林資源活用を学び、防災、持続可能な経済循環へと繋ぐ総合的なモデル拠点として位置づけていくべきと考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。
【答弁】久元市長
森林を適切に管理することは、公益的機能(防災、生物多様性保全、水源涵養など)を高め、市民の貴重な財産を守るために極めて重要です。本市では、市内森林の9割を占める広葉樹林の資源利用と再生を通じた持続可能な森林管理の資源循環に重点を置いています。ご指摘のように、街路樹や公園管理から発生する伐採木を無駄なく活用することは重要です。建築物の内装や家具に高価値なものとして活用するとともに、それ以外の部分については一定の処理費用を負担しつつ、製紙用・燃料用チップ、堆肥等として民間流通させる取り組みを広げています。しあわせの村においては、搬出した伐採木の仮置きや製材した木材の保管を行うストックヤードを運用しており、今年度は「神戸備長炭実証事業」の炭釜を整備します。この炭釜の完成後は生産のための薪が必要になりますので、ストックヤードを活用した薪の製造生産拠点としての活用を考えており、生産した薪を多くの方に使っていただけるような方策を検討してまいります。一本の木を無駄なく使い切ることは大切であり、学習や体験的な観点を取り入れながら、「あいな里山公園」などとの機能分担を踏まえ、しあわせの村における森林資源循環の拠点整備について検討を進めてまいります。
【要望】植中雅子議員
5月13日に宝塚市の県所有林を、5月20日にしあわせの村のストックヤードを視察いたしました。宝塚の森林では、民間業者と無料の委託契約を結び、萌芽更新(ほうがこうしん)を用いて雑木林を若返らせ再生する、持続可能なサークル(循環)の手法をとっていました。伐採した木のうち太い幹は家具・台木とし、それ以外は薪やチップに加工、小枝は森に残しておがくずを箱詰めし着火剤として利用するなど、余すところなく活用しています。「神戸里山自然共生センター」でもスピード感を持って取り組みを行っていただきたいです。しあわせの村の約9,000平方メートルのストックヤードは、備蓄倉庫の建設予定があり、炭釜を2基設置すると使用可能面積が4,000平方メートルに縮小するため、木材加工の一連の作業を行うにはスペースが不足する懸念があります。ぜひ里山自然共生センターと連携して加工と販売を進め、プラスの価値に転換させてほしいです。しあわせの村はリニューアル検討が進められていますが、「薪と暮らしの体験拠点」として、薪を用いたピザ窯コーナーや、非常時に薪ボイラーを設置して使える入浴コンテナなど、実証実験を通じたボイラー導入なども期待されます。森林資源を学び、遊び、体験する場として、神戸発の資源循環型・防災拠点を確立されるよう強く要望します。
8. 神戸空港国際化によるゴルフツーリズム誘客促進について
【質疑】植中雅子議員
平成30年度より行政、ゴルフ事業者、宿泊施設等で構成される協議会においてゴルフツーリズムの誘客に取り組んでまいりました。神戸空港の国際化を契機とし、韓国や台湾を中心に訪日ゴルフ客が増加し、ゴルフ場によっては利用客が倍増するなど具体的な効果が表れています。空港と多様なコースの接近性、観光や飲食を組み合わせて楽しめる点がリピーター獲得に繋がっています。一方で海外では、依然として兵庫・神戸のゴルフ資源の認知度が十分とは言えず、更なる誘客の余地が大きく残されています。今後は神戸空港の就航都市や来訪者の移動データを踏まえた戦略的なターゲット設定のもと、ゴルフと観光滞在を一体化したパッケージ商品を横展開し、ゴルフツーリズムをより高いレベルへ引き上げていくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】久元市長
神戸空港国際化の効果などもあり、2025年におけるインバウンドの市内延べ宿泊者数は速報値で過去最高となる約140万7,000人を記録しました。ゴルフ場への来訪状況を見ても、ゴルフ志向が高い韓国を中心に、台湾からもゴルフ旅行客が増加しており、認知度を高めることでさらに誘客の余地があると考えます。これまでも専門旅行会社へのプロモーションや、商品造成を目的としたモニターツアーを実施し、神戸空港発着で市内の宿泊施設や観光施設を紹介しながら、ゴルフと観光滞在を意識したパッケージツアーを実施してまいりました。ゴルフ旅行客は滞在期間中にできるだけ多くプレーすることを重視する傾向にありますが、宿泊を有馬温泉にしたり、中日にハーブ園や神戸ポートタワーを巡るツアーなども実際に行われております。市街地、ウォーターフロント、里山などの多様な観光魅力をツアーの中に組み込んでもらうことが重要であり、ゴルフ旅行客の多様なニーズを細かく捉え、旅行会社にふさわしいモデルコースを提案し、さらなる誘客促進を図ってまいります。
【要望】植中雅子議員
日本ゴルフ発祥の地としての歴史と、三木市をはじめとする西日本随一のゴルフ場集積地に隣接している地理的優位性を活かし、都市部から1時間圏内で多様なコースにアクセスできる極めて高い利便性を前面に出すべきです。インバウンド客が神戸空港に到着し、市内を滞在の拠点としてゴルフや観光を満喫し、空港から帰路に着くという一連のゴールデンルートをしっかりと構築することが重要と考えます。空港から有馬温泉や、三田のプレミアムアウトレットへの直行利便性をアピールするとともに、市内のラグジュアリーホテルや有馬温泉での「ゴルフ連泊パッケージ商品」の開発、そしてSNS等を活用した一体的なプロモーション発信を一層強化していただくよう強く要望します。
9. スマートゴミ容器の更なる導入について
【質疑】植中雅子議員
令和4年10月から、三宮のフラワーロード周辺にIoT機能を搭載したスマートゴミ容器を設置し、ゴミ回収の効率化やポイ捨て削減に関する実証実験を行っています。当該ゴミ容器は自動圧縮機能により、溢れを防止できる他、ゴミの堆積状況をリアルタイムで遠隔確認できることから効率的な回収が可能となり、検証によって一定の有効性が確認されたと聞いております。一方で、例えば「道の駅」などでは既存のゴミ箱の容量を超えるゴミが排出されてゴミが溢れ、景観の悪化やポイ捨てを誘発する原因となっています。実証実験の結果を踏まえ、ポイ捨て防止重点区域や人の往来が特に多い場所を中心にスマートゴミ容器を効果的に配置し、街の環境美化とポイ捨ての抑制に努めていくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】小松副市長
実証事業では、従来型のゴミ箱をスマートゴミ容器に置き換える形で効果を検証し、結果としてゴミが周囲に溢れ出すことなく、かつ収集回数を減らすことができるなど、スマートゴミ容器の有用性を一定確認することができました。なお、ご指摘をいただきました道の駅(淡河などを含む大沢エリア等)の既存ゴミ箱については、通常のゴミ箱であり、清掃体制を見直すことで既に現状ではゴミの溢れ状況は改善されています。街頭のゴミ容器の設置については、全国的にテロや放火といった犯罪防止対策や、街の美化の観点、また行政のみの回収に頼るやり方は持続可能ではないという判断等から、多くの政令市がゴミ箱を元々設置しないか、順次撤去を行っており、現在公的にゴミ容器を街頭設置しているのは本市を含めわずか3指定都市(※実質的に主要な形で現在も設置しているのは神戸市のみの意)という状況であり、本市でも段階的に削減してきた歴史があります。訪日観光客からゴミ箱が少なくて不便だという意見がある一方、ゴミ箱が少ないにもかかわらずポイ捨てが少なく、清潔に保たれている日本の「持ち帰り文化」を高く評価する声もございます。現時点で、市が主体となってゴミ容器を各所に新設することは考えておりませんが、商業者の皆様によるスマートゴミ容器の設置検討を働きかけるなどして可能性を探るか、他都市の先進事例を調査しながら研究してまいります。
【要望】植中雅子議員
道の駅(大沢等)は主要な道路からよく見え、ポイ捨てやゴミの放置は景観を大きく損ねます。「たまたま収集のタイミングが合わなかった」ということがないよう、徹底した清掃・回収体制の管理見直しを求めます。ポイ捨て抑制に有効なスマートゴミ容器の配置など、綺麗な神戸の景観維持を強く要望します。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、平和の尊さを伝える次世代への対話教育をはじめ、魅力ある市立高校のハード・ソフト双方の変革、市民生活に不可欠な生活困窮者支援や高齢者の地域での自立・健康づくり、持続可能な自然資源循環型のまちづくり、そして神戸空港の国際化を活かした地域経済のさらなる活性化まで、現場の課題に真摯に向き合い、市民の皆様の期待に応える具体的な政策実現に向けて着実に取り組んでまいります。


