令和8年5月25日 第1回定例市会第10日 浅井美佳議員の一般質問

「神戸2030ビジョン」に掲げられた国際都市への発展に向けた海外都市連携や学校現場でのオンライン国際教育の充実、災害時に孤立しても機能する医薬品の分散備蓄や現役世代の防災活動への参画促進、市民文化ホール等の利用料金補助を通じた高校生の部活動支援、行政手続きスマート化に伴う成年後見人手続きなどの利便性向上、そして20年を要する王子公園・王子動物園再整備を活性化させるための段階的な魅力向上策など、多角的な視点から、当会派の浅井美佳議員が質疑をおこないました。

1. 国際都市神戸に向けた都市間連携と国際教育について

【質疑】浅井美佳議員
「神戸2030ビジョン」の達成に向け、神戸空港の国際化に伴う効果を市民企業の海外展開、観光、人材・教育交流など具体的な経済成長へ繋げる仕組みにするべきです。海外都市との姉妹・友好都市(現在10都市)の提携は平成22年以降行われていませんが、今後新規に提携を検討する際、経済効果や都市規模、成熟度などを踏まえ、どのような考え方で臨まれるのか見解を伺います。

【答弁】久元 市長
本市は指定都市最多となる10都市と姉妹都市等の提携関係にあります。今後の新規提携は完全に否定はしませんが、提携にあたっては議会や市民へ極めて明確なビジョンを示す必要があります。重要なのは具体的な成果であり、海外企業の神戸誘致、市内中小企業とのビジネスマッチング、医療産業都市の国際展開、学術や若い世代の交流を深化させる観点を踏まえ展開を図りたいと考えています。

【再質疑】浅井美佳議員
提携の見直し・整理を行い、一部の都市を「戦略連携都市」として強化するなど、既存の繋がりを整理し直すお考えはあるでしょうか。また、2030ビジョンに掲げる「市内中小企業の海外進出比率を10%から15%に高める」ために重要となる東アジア(台湾やシンガポール等)との連携の言語化や共有も推進していくべきです。

【答弁】久元 市長
特定の件数のMOU(覚書)が積み上がれば姉妹都市にするという定量的な基準を定めるのは困難です。しかし、シアトルやブリスベンのように神戸に対し高いシンパシーを持つ行政組織と、職員同士を含めた具体的な交流を深化させることが何より重要です。一方で、相手側の政治的混乱など、各都市の個別事情を考慮しつつ、市民に実感していただける目に見える具体的な成果を出せるよう取り組んでまいります。

【要望】浅井美佳議員
神戸のさらなる経済発展に資するよう、東アジア地域も含めた都市間連携の意味合いを整理し、市民や職員、そして議会が広く共有できる具体的な戦略として推し進めていただくよう要望します。

【再質疑】浅井美佳議員
国際教育の視点から、第4期神戸市教育振興基本計画に掲げる英語コミュニケーション能力向上に向け、八多学園(北区)で実施されているモデル的な「オンライン国際交流事業(年間を通じ海外の生徒と定期交流)」は貴重な経験です。他の中学校への横展開を進めるべきではないでしょうか。

【答弁】福本 教育長
オンラインの国際交流は重要な実践の場であると認識しています。八多学園は民間委託であり、全校展開には費用面の課題がありますが、現在約1割の中学校で実施されている台湾やオーストラリア等とのオンライン交流を増やすため、全教員への指導研修を充実させるほか、事務局に国際交流員(CIR)等を配置してハード・ソフト両面での相手校との接続をサポートし、可能な限り実施校を拡大できるよう努めます。

【再質疑】浅井美佳議員
実施校を1割から2割、3割と広げるための目標設定を求めます。さらに、今年10月から運用開始する「コラボ」の仕組み等も活用し、英語を日常的に使用する市内企業や研究機関で働く方々を講師に招くなど、実際のコミュニケーションを通じて英語に触れる機会を創出してはいかがでしょうか。

【答弁】福本 教育長
「コラボ」には現在、多くの事業所が登録していますが、国際交流分野は限定的です。社会の中で英語を用いている人と直接関わることは学習意欲を高めるため非常に有意義です。今後は地域人材の協力を得る視点も持ちつつ、ALT(外国語指導助手)の全校配置の強みを最大限に活かし、実際に英語を使用する場面を想定した実践プログラムを推進していきたいと考えています。

2. 地域の防災と安心して暮らせる街づくりについて

【質疑】浅井美佳議員
広域災害の発生時、孤立状態においても地域が自力で応急医療を提供できるよう「D-KOBE」(災害時メディカルチーム)が発足しました。しかし、区役所の直営備蓄や協定薬局のみの供給体制では発災直後の道路混雑などで医薬品の配送が困難になる恐れがあります。各救護所等の近隣に医薬品を分散備蓄するべきではないでしょうか。

【答弁】今西 副市長
発災直後の迅速性の観点から救護所の近隣に分散備蓄しておくことは望ましく、神戸市医師会および薬剤師会と継続的に協議を進めています。現在の区役所の直営備蓄は使用期限が切れた際の廃棄が課題ですが、薬剤師会からは「ローリングストック方式」の備蓄が望ましいとの意見を得ております。他都市の薬局を活用した事例なども参考にし、最適な備蓄・供給方法を検討してまいります。

【質疑】浅井美佳議員
災害時の被害拡大を防ぐには地域住民による初期対応が重要であり、防災福祉コミュニティや防災ジュニアチームが活動しています。一方で、将来の地域防災のリーダーとなり得る「現役世代」の参画が不十分です。地元企業に対する訓練への参加促進や、SNSの動画を活用した意識啓発に乗り出すべきではないでしょうか。

【答弁】小松 副市長
現役世代の参加促進は課題です。地域企業への働きかけは有効であり、防災訓練で地元企業がブース出展をする等の先進的な参画事例の収集や、地域貢献相談窓口を通じたマッチングを進め、効果的な取り組みを広げてまいります。また、時間的な制約等から訓練に参加しづらい方々のためにも、消火・救命技術を伝える動画を分かりやすく作成し、SNS等で発信・啓発する環境を整え、持続可能な体制構築を進めます。

【再質疑】浅井美佳議員
LINEを用いた「神戸市災害掲示板」が運用されています。災害時に冷静な判断が難しくなる中、スマホの位置情報を活用し、近隣の避難所情報などを一括で表示、プッシュ通知で案内するようなタイムリーで正確な配信システムを検討できないでしょうか。

【答弁】小松 副市長
災害掲示板(現在登録数約1万4000人)では、事前に登録された任意の地点情報をもとに、危険度が高まった際に対象者へプッシュ通知を送信する機能を追加しています。また、避難所の混雑状況を可視化する「VACAN(バカン)」と連携し、最寄り避難所をワンクリックで検索できる仕様となっています。今後は、更なる避難情報の取得しやすさに向け、プッシュ通知の実装やその費用対効果を含め検討を進めてまいります。

【要望】浅井美佳議員
LINEにこれほどの災害機能が追加された事実を知らない市民が多いため、広報こうべやLINE公式アカウント上で改めて積極的に周知するよう要望します。またペット対策として、犬の糞尿放置等の相談に市が実施している「超音波発生装置・注意喚起看板等の貸出」等の支援の周知徹底を要望します。さらに、現在市のペット火葬では不可能な「返骨(遺骨の持ち帰り)」について、家族として手元供養を望む市民の声に寄り添い、希望者が遺骨を持ち帰れる仕組みの検討も強く要望します。

3. 高校生が挑戦を続けられる環境づくりについて

【質疑】浅井美佳議員
通学定期代の補助に続く高校生支援として、部活動で市内の文化施設や体育施設を利用する際の料金支援策が発表されました。部活動により施設利用料以外に発生する運搬費やリハーサル等での複数日利用など実態は一様ではないため、実効性ある支援とするためには各高校の活動・経費状況を丁寧に把握すべきですが、どのような方針で検討を進めるのでしょうか。

【答弁】久元 市長
県立高校のコーラス定期演奏会では、無料開催にもかかわらずホールの利用料や運搬・印刷費用など総額で100万円を超える多額の経費がかかり、それを保護者やOBOGが補填し、さらに部員自身が企業を駆け回って広告費を募っている厳しい実態を知り、支援の必要性を強く感じました。部活動ごとの実態は異なるため、アンケート調査により保護者の費用負担や、自ら資金を集める活動が部活動本来の時間を圧迫している現状などを十分に把握し、多様な部活に即した効果的な支援策を年内を目途に整理してまいります。

【要望】浅井美佳議員
部活動での施設利用支援を充実させていくとともに、高校生たちが世界に羽ばたき、さらに広い環境で挑戦し続けられる場やチャンスを、神戸市が積極的に構築・提供していくよう要望します。

4. 市民に選ばれる行政DXについて

【質疑】浅井美佳議員
行政手続きのスマート化率70%を達成したことは評価できますが、まだ電子申請に対応していない手続きが多く、申請フォームの使いにくさ、一括申請ができないなどの声があります。完全な電子化が難しいものを除き、さらにスピード感を持って電子申請化を推進し、使いやすさの改善を不断に検討していくべきではないでしょうか。

【答弁】今西 副市長
残る約90万件の未対応手続きについて、原則電子化を進める前提でスピード感を持って対応します。使いやすさに関しては、画面上に利用案内を出す「システム利用支援ツール」を今年度から順次導入し、入力ミスや差し戻しの削減を図ります。あわせて、職員にとっても紙と電子の混在が負担となっているため、データの自動ダウンロードや審査結果のシステムへの自動入力などを進め、双方が便利さを実感できるDXを推進します。

【再質疑】浅井美佳議員
成年後見人が被後見人の納税や社会保障給付の手続き等を行う際、郵便物の送付先を後見人住所に変更するため、各部署の個々の窓口(税、国民健康保険等)を個別に回る必要があり大きな負担となっています。神戸市のスマート化の取り組みにおいて、一度の手続きで各担当窓口の送付先情報が一斉に変更されるような仕組みができないでしょうか。

【答弁】八乙女 福祉局長
郵便物の送付先を一括変更するにあたっては、各制度で必要な確認書類が異なる点や、業務システム間のデータ連携に必要なシステムの改修といった課題があります。各制度の現状の手続き方法を一度丁寧に確認したうえで、デジタル技術等も考慮し、まずはできるところから成年後見人等の負担軽減を図れるように検討を進めてまいります。

【要望】浅井美佳議員
成年後見人のなり手不足が課題となっている中で、申請者である後見人と受ける行政側、双方にとって実効性のあるスマート化となるよう、一括変更手続きの導入を早く進めていただくことを要望します。

5. 王子公園再整備を通じた新たな都市魅力の創出について

【質疑】浅井美佳議員
王子公園再整備は神戸の土地価値を高め、世代を超えた来客や周辺の水道筋商店街等への回遊、民間投資を呼び込む極めて重要な事業です。この波及効果を最大化するために、来訪者数、滞在時間、回遊性の変化や人口流入などについて、定量的な目標指標をしっかりと設定し、効果検証を行う仕組みを整備すべきではないでしょうか。

【答弁】小松 副市長
多様な地域資源が集積する王子公園周辺における効果検証は、まちの活性化において重要です。令和7年4月に複数施設の一括設計・施工契約を終え基本設計が進んでおります。今後具体的な施設内容や規模が固まってまいりますので、有料施設や無料広場、段階的整備という事業特性を踏まえつつ、エリア全体での来園者数や地域への波及効果などの具体的な目標指標・効果検証の在り方について、民間の知見を導入し今年度から本格的に検討を進めます。

【再質疑】浅井美佳議員
王子動物園の完全なリニューアル完了には20年を要するため、工事中の段階においても魅力向上を持続させ、子どもたちが何度も来たいと思える仕掛けが必要です。コアラの頭数充実や展示再編に伴う空き獣舎の有効活用、数年以内での新たな人気動物(ライオンなど)の積極的な展示など、目に見える変化を積極的に作っていただきたいですがいかがですか。

【答弁】小松 副市長
人気動物であるコアラは現在7頭飼育しており、優先種として2024年にも赤ちゃんが誕生するなどの繁殖効果が出ており今後も体制を維持します。また、空き獣舎の有効活用は、動物福祉向上や新たな魅力づくりの観点から重要です。ご提案のライオンについては、現在ゴリラ舎の寝室部分を爬虫類館の利活用に当てている等の制約があり、動物の飼育環境(寝室の確保)に課題がありますが、段階的リニューアルに並行し、创意工夫で魅力向上を進めていく。

【要望】浅井美佳議員
20年は非常に長いため、リニューアルの過程を見せること、そして75周年などの節目も捉え、爬虫類館等の早期完成と、動物に優しい環境を整えた新たな人気動物の段階的配置などの魅力向上策を、スピード感を持って進めていただくことを強く要望します。


自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、国際都市としてのさらなる飛躍と、子どもから高齢者、ペットにいたるまで、市民一人ひとりが日々の生活に安心とワクワクを感じられるまちづくりの推進に向け、一丸となって全力で取り組んでまいります。

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