令和8年6月25日に開催されました「教育こども委員会」において、上畠 寛弘委員は委員長席を一時離れ、教育現場における政治的中立性、募金活動の在り方、外国人児童生徒支援の現場負担、および定期テストの適正な管理について、多角的な視点から当局を質しました。

1. 平和学習(沖縄修学旅行)における政治的中立性と客観性の担保
【質疑】上畠 委員長
沖縄への修学旅行に関連して伺います。他都市の事例では、平和活動という名目で修学旅行先において不適切な内容が含まれていたとの報道もあります。神戸市においても現在、中学校16校、高校1校が沖縄県へ旅行し、平和学習を取り入れています。この平和学習の内容において、いわゆる反基地活動家との接触や、現在進行形で政治的な賛否がある問題について、どちらかに加担するような内容になっていないか、事務局としてきちんと内容は確認できているのでしょうか。
【答弁】田尾 教育次長
昨年度、中学校16校、高校1校が沖縄県へ行きましたが、すべての修学旅行の日程や内容、現地でどのような活動をするのかについては、事務局で計画書を回収し、確認を行っております。その中で、政治的な活動に接触するといったことについては、これまでも、昨年度も今年度も一切行われておりません。学習内容は、過去にあった事実、沖縄の戦争の悲惨さを知るといった内容になっております。
【要望】上畠 委員長
戦争の悲惨な歴史を実体験や資料から学ぶことは極めて重要ですが、一方で現在進行形で賛否があり、政治的な主張がある問題については、教育としてどちらかに偏ることは避けるべきです。受ける側はまだ未成年の生徒であり、そこでの判断というものもあります。平和という名前がつけばすべてが正しいといった大義名分ではなく、一方的な押し付けにならないよう、引き続きしっかりと担保をお願いします。
2. 学校内募金活動における同調圧力の排除と負担軽減
【質疑】上畠 委員長
地元の保護者の方から「昨年も赤い羽根募金の集金袋が学校で配られた」という連絡があった。袋を全員に配り「集めます」と頭から言わなくとも、学校内でそのような活動があること自体、自由だと言いながらも、実際には「募金して当たり前」という心理的な強制や同調圧力を生んでいるのではないか。
そもそも最近では、他都市の赤い羽根募金で1億円もの横領事件が発生するなど、現金の扱いに関する懸念もある。教職員の負担軽減が叫ばれる中、学校内でこのような意味のないものを配ること自体、やめるべきではないか。同調圧力の排除と負担軽減の観点から、当局の考えを伺いたい。
【答弁】田中 学校計画担当部長
現状、学校園では社会福祉協議会(以下、社協)からの依頼を受け、組み立てれば袋になるようなものを配布し、自由に持って帰れるようにしている。回収についても、校内に募金箱を設置したり、委員会や生徒会活動で集めたりしており、決して強制はしていない。
しかし、議員ご指摘のように、全員に配られることで「明日持ってこなあかんの違うかな」という同調圧力に感じたり、強制であるかのように受け取られたりしないよう、配慮した取り扱いについて改めて学校園へ周知していきたい。
【再質疑】上畠 委員長
今「箱に集める」という話があったが、結局、集めた現金を教員が管理し、社協へ提出しに持っていくわけです。学校給食ですら無償化され、学校が直接現金を扱う機会を減らしている中で、人様から預かった現金を教員が扱い、それをまた別の組織に渡すという行為自体の負担をどう考えているのか。
適切なものかどうか検討が必要だし、同調圧力を排除する意味でも、わざわざ学校内で配って教職員に負担をかける必要はないと思うが、いかがか。
【答弁】田中 学校計画担当部長
今年度の活動をどうするか、今すぐには即答できないが、議員おっしゃるように「教員の働き方」という議論がある最中に、この活動自体がどうなのかという点については、改めてこちらで検討し、社協とも話をしたい。
募金を集める側としては、極力手間をかけないようにしているという思いもあるだろうが、一様に現金を扱うことの是非については、しっかり検討していきたい。
【要望】上畠 委員長
「袋に入ったまま渡すから手間ではない」という理屈かもしれないが、中身がいくら入っているか確認もせず預かり、その間で何かあっても分からない。現金の扱い方として極めて不適切だ。
私は教育こども委員長の充て職として、社協の評議員という立場でもある。よって、この問題については、私からも直接、社協の評議員会等でしっかりと問題提起をさせていただく。当局においても、学校現場に現金の管理や同調圧力というリスクを負わせないよう、抜本的な見直しを強く要望する。
3. 外国人児童生徒の急増に伴う現場負担と日本人児童への影響
【質疑】上畠 委員長
外国人児童生徒が急増している現状について伺います。海外の事例を見ても、移民を受け入れていない建前であっても実態として増えており、そのしわ寄せがすべて教育現場に来ています。日本語が分からない子供たちへのサポートに担任の先生が追われ、結果として日本人児童への指導時間が減るという事態は本末転倒です。現場の負荷と日本人児童への影響について、教育委員会としてどのように対策を取られているのでしょうか。
【答弁】竹森 事務局長
近年、支援が必要な外国人児童生徒は増加傾向にあり、神戸市でも増えております。来日した子供たちが速やかに学校現場に馴染めるよう、市では国に先駆けて、令和6年度から「初期日本語指導教室(日本語ひろば)」を新たに設置しました。拠点に集まってもらい、まずは11日間、集中的に最低限必要な日本語を学ぶ場を提供しています。その後もオンラインや訪問指導を継続し、学校現場の負担軽減に努めております。
【要望】上畠 委員長
まずは日本語をしっかり学べるようになってから通常の教育課程に入るという、不足のない形が必要です。そうした取り組みをしていながらも、結果的に自治体が責任と負担を負っているのが現状です。日本人の親御さんからの相談も増えています。教育現場の負荷が、日本人児童への指導低下に繋がらないよう、一歩踏み込んだ対策を強く求めます。
4. 通学路の安全確保:表現の自由と場所・時間の制限
【質疑】上畠 委員長
先ほどの副委員長の質疑に関連して、通学路でのヘイトスピーチ対策について伺います。私は過去に須磨海岸での刺青規制(須磨海岸条例)を主導しましたが、表現の自由は当然確保されるべきですが、場所や時間については一定の限定が許されるべきです。通学路であり、歩道橋という公的な場所で、児童に聞かせるべきではない内容が叫ばれている。知事の記者会見の場所自体をずらしてもらうなど、関係部局と連携して対策を検討すべきではないでしょうか。
【答弁】竹森 事務局長
この状態が望ましいとは決して思ってございません。市長部局ともしっかり連携しながら、どのような対応ができるのか、しっかり相談・検討してまいりたいと思っております。
5. 定期テストの管理:過去問題の使い回しによる不公平の是正
【質疑】上畠 委員長
最後に、定期テストの管理について伺います。東灘区の中学校において、3年前と同じ内容の定期テストが出題されたとの事例がありました。塾に行っている生徒は過去問を手に入れて対策ができていた一方、塾に行っていない生徒は手に入れられず、不公平であるとの不満の声が届いています。過去の対策傾向をそのまま使うのではなく、公平性の観点からしっかりと考えるべきではないでしょうか。
【答弁】教育次長
ご指摘いただいたことは、本当におっしゃる通りでございます。過去に作った試験問題は学校でも保管しておりますが、同じような問題傾向が繰り返されることがないよう、我々からもこれまで再三通知をしております。改めて今回の意見を受け、中学校に対しても連絡し、徹底させるようにいたします。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、教育現場における政治的中立性と公平性を断固として守り、子供たちが同調圧力や不当な格差にさらされることなく、安心して学びに専念できる環境の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。


