令和8年3月2日 うえなか美貴子議員が予算特別委員会 第2分科会(環境局)で質疑

令和8年度 神戸市会予算特別委員会 第2分科会(環境局)において、当会派よりうえなか美貴子委員が質疑を行いました。
植中委員は、太陽光発電施設の適正配置に向けた本市独自の厳しい条例規制の効果と脱炭素先行地域の進捗状況、新たに開設された「神戸里山・自然共生センター」を拠点とした生物多様性の保全活動、若者世代(学生)の環境政策への参画支援、そして森林保全にも繋がる木質バイオマス熱利用の普及推進など、自然環境と都市活動が調和するまちづくりについて、多岐にわたる観点から当局の姿勢を問いただしました。

以下に、質疑と当局答弁の詳細をご報告いたします。

1. 太陽光発電施設の適正配置と脱炭素先行地域の取り組みについて

【質疑】うえなか委員
大規模な太陽光発電施設(いわゆるメガソーラー)の開発に伴う景観の悪化や土砂災害のリスクが全国的な問題となっており、国も対策パッケージの策定など規制強化に動いています。本市においては、独自の太陽光条例を改正し、他都市に先駆けて厳しい規制を設けていますが、条例改正後の具体的な効果と、今後の対応方針について伺います。

【答弁】環境局長
本市では、無秩序な太陽光発電施設の設置を防ぐため、条例を改正し、小規模な発電施設であっても環境影響評価(アセスメント)の対象としたほか、事業終了後の放置を防ぐために撤去費用の保証金の預け入れを義務化するなどの厳格なルールを導入いたしました。
この改正条例の施行後、事実として本市における新たなメガソーラー等の許可申請は一件も出されておらず、本市の厳しい対応方針が、自然破壊を伴う乱開発に対する強い抑止力としてしっかりと機能していると認識しております。今後も国の動向を注視しつつ、現行の条例に基づき、厳正に対処してまいります。

【質疑】うえなか委員
規制によって自然環境を守る一方で、2050年のカーボンニュートラル達成に向けては、都市部における再生可能エネルギーの創出を計画的に進める必要があります。そのモデルケースとして、ポートアイランドで進められている「脱炭素先行地域」の取り組みの現在の進捗状況と、今後の展開について伺います。

【答弁】環境局副局長
ポートアイランドを中心とした脱炭素先行地域の取り組みについては、5年間で総額約50億円規模の事業として順調に進捗しております。これまでに約60の民間施設に対して、屋根置き太陽光パネルの設置や蓄電池の導入など、再生可能エネルギーの自家消費型システムの導入支援を行ってまいりました。
事業の推進にあたっては、環境省からの交付金を最大限活用するとともに、ESG投資等のサステナブルファイナンスの枠組みを利用した民間資金の呼び込みを行っています。また、本市から国へ働きかけた結果、駐車場へのソーラーカーポート設置時における建ぺい率の規制緩和が実現しました。こうした制度面の緩和も大いに活用し、脱炭素ドミノを市内全域へ波及させるべく、着実に事業を推進してまいります。

2. 生物多様性の保全と「神戸里山・自然共生センター」、若者の参画について

【質疑】うえなか委員
本市の豊かな自然環境を守り育てるための新たな拠点としてオープンした「神戸里山・自然共生センター」について伺います。開設後の利用状況や市民の反響はいかがでしょうか。また、環境保全活動には民間企業の協力が不可欠ですが、企業からの支援状況や関心度についてお聞かせください。

【答弁】環境局長
同センターのオープン以降、里山の自然を体験できるトレイルウォークや、自然観察会、さらには企業向けの環境フォーラムなどを多数開催しており、幅広い年代の市民の皆様から高い関心と好評をいただいております。
特に企業様からの反響は大きく、森林整備に使用する機材や資材の寄贈、社員の皆様が直接参加する里山保全活動の実施、さらには事業への寄付金のお申し出など、具体的な支援の輪が広がっています。また、地元の学生や環境ボランティア団体との連携活動も活発化しており、生物多様性保全の重要なプラットフォームとして機能し始めています。

【質疑】うえなか委員
環境問題は将来世代に関わる重大なテーマであり、若い世代の積極的な参画が不可欠です。本市が実施している「神戸ゼロカーボン支援補助金」において、今年度新たに創設された「学生枠」の支援状況について伺います。
また、国連の生物多様性条約締約国会議(COP)などの国際会議へ本市の若者を派遣する事業を行っていますが、その具体的な狙いと期待する効果について伺います。

【答弁】環境局担当部長
今年度新設いたしましたゼロカーボン支援補助金の「学生枠」につきましては、環境啓発イベントの企画やアップサイクル品の製作など、独創的なアイデアを持つ9件の学生プロジェクトを採択し、活動資金の支援を行っています。加えて、大学のオープンキャンパスでの成果発表やSNSを通じた情報発信を後押しするとともに、学生同士の交流会を開催し、次世代を担う若者たちのネットワーク形成を図っています。
また、COPへの学生派遣事業につきましては、世界の最前線で行われている環境問題の議論を直接肌で感じ、グローバルな視点を持ってもらうことが最大の狙いです。帰国後は、現地で得た知見や経験を活かし、神戸における自然保全活動の牽引役として、また同世代や市民に対する環境啓発のアンバサダーとして中心的な役割を担っていただくことを強く期待しております。

3. 木質バイオマス熱利用の普及推進について

【質疑】うえなか委員
六甲山系をはじめとする本市の森林を健全に保つためには、間伐等の適切な管理とその木材の有効活用が重要です。森林保全の観点からも推進すべき、間伐材などを燃料として利用する「木質バイオマスボイラー」の導入に向けた市の検討状況について伺います。

【答弁】環境局副局長
木質バイオマス熱利用は、化石燃料の代替となるだけでなく、市内の森林資源の循環利用に寄与する重要な取り組みであると認識しています。しかしながら、導入にあたっては、燃料となる木質チップの安定的かつ低コストでの供給体制の構築や、ボイラー設備等の初期投資額の高さが大きな課題となっています。
現在、本市では専門家を交えた導入可能性調査を実施しており、市内の温浴施設や福祉施設などにおける熱需要の把握を進めています。今後は、近隣の豊かな森林資源を持つ兵庫県内の他自治体との広域的な連携も視野に入れつつ、課題解決に向けた事業モデルの構築と事業化に向けた検討をさらに深めてまいります。

4. 再生可能エネルギーの拡大(ペロブスカイト太陽電池)について

【質疑】うえなか委員
脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大は必須です。中でも、薄くて軽く、柔軟性を持つ次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」は、これまで太陽光パネルを設置できなかった場所にも導入できる可能性を秘めており、期待が高まっています。本市における実証実験の進捗と、今後の実装に向けた取り組み状況について伺います。

【答弁】環境局長
ペロブスカイト太陽電池は、建物の壁面や耐荷重の小さい屋根にも設置可能であり、本市の特性にも非常に適した次世代エネルギー源です。現在、製造メーカーや研究機関と緊密に協議を行い、神戸空港の関連施設において、潮風などの厳しい環境下における耐久性や発電効率を確認する実証実験を開始したところです。
今後はこの実証データをもとに、従来のシリコンパネルでは重量の問題で設置が見送られていた学校の体育館の屋根や、公共施設の壁面などへの商用導入を目指し、実装に向けた取り組みを強力に推し進めてまいります。


うえなか委員は、自然環境の保全と都市の発展を両立させるための具体的な仕組みづくりや、未来の神戸を担う若者への投資の重要性を力強く訴えました。当会派はこれからも、緑豊かで持続可能な神戸の実現に向け、きめ細やかな環境政策を推進してまいります。

神戸市:予算特別委員会の会議結果(2026年)

タイトルとURLをコピーしました