2月26日に開催されました「予算特別委員会 第1分科会」において、当会派の上畠寛弘委員が、監査委員、人事委員会、および選挙管理委員会に対し、本市の根幹に関わる重要なテーマについての質疑を行いました。
市民の皆様の税金が正しく使われているかをチェックする「監査」の質向上や、民主主義の根幹である「選挙の公正性・安全性」を守るための議論を行いました。当日の質疑と答弁の主なやり取りを要約してご報告いたします。

1.包括外部監査の質向上と事務局体制の強化(監査・人事委員会関係)
市の財務や事業を外部の専門家がチェックする「包括外部監査制度」は、導入から20年以上が経過しています。監査の形骸化を防ぎ、より実効性のある監査を実現するための質疑を行いました。
【質疑(上畠委員)】
包括外部監査が始まって20年以上が経過し、監査テーマも一巡した印象を受けます。同じようなやり方では慣れが生じてしまう懸念があります。今年度から監査人の選定方法を見直したとのことですが、どのように変更し、今後の外部監査にどのような役割を期待しているのでしょうか。
【答弁(福本監査委員)】
これまでの包括外部監査はテーマが広範になりがちで、十分な時間が取れない傾向がありました。前例を踏襲するのではなく、本市の課題を深掘りした監査を目指すため、単なる価格競争ではなく、監査人の考え方や実績、取り組み姿勢を評価する「プロポーザル方式」へと選定方法を変更しました。
【再質疑(上畠委員)】
選定方法を変えたことで、具体的にどのような変化を期待していますか。
【答弁(福本監査委員)】
外部監査人には、受動的ではなく、その専門性を“能動的”に活かしていただくことを強く期待しています。
【再質疑(上畠委員)】
ぜひ能動的かつ厳しい視点での監査をお願いします。また、現在、監査事務局長と人事委員会事務局長が兼務となっています。人事委員会は労働基準監督機関などの重責も担っており、兼務では負荷が大きすぎませんか。体制の強化が必要だと考えます。
【答弁(中田 人事委員会兼監査事務局長)】
兼務によって無駄が省ける面がある一方で、負荷がかかっているのも事実です。今後の体制強化については、市長部局ともしっかりと協議し、理想の組織の姿を目指してまいります。
2.民主主義を守る!「なりすまし投票」と「選挙妨害」への対策(選挙管理委員会関係)
選挙の公正性と候補者の安全を守るため、厳格なルール運用と警察との連携について質しました。
【質疑(上畠委員)】
投票所での本人確認について伺います。入場券を持参していない場合、所定の書類に記入すれば投票できる現行の仕組みは、「なりすまし」という重大な犯罪を誘発しかねません。過去には身代わり投票が発覚した事例もあります。投票所において、マイナンバーカードや運転免許証など、顔写真付きの本人確認書類の提示を積極的に求めるべきではないでしょうか。
【答弁(庄田選挙担当部長)】
公職選挙法上、身分証の提示を義務付ける規定はなく、基本的には選挙人名簿との対照(氏名・住所・生年月日の確認等)により本人確認を行っています。一律に提示を求めることは法令上困難ですが、本人確認に疑問が生じた場合には、マイナンバーカード等で確認を行うようマニュアルで定めています。
【再質疑(上畠委員)】
なりすましは重大な犯罪です。市民への啓発を強化するとともに、国に対しても法改正の意見を上げるべきです。
次に、「選挙妨害」について伺います。近年、他都市の選挙で街頭演説中に拡声器で大音量を出して妨害する事案が社会問題化しています。公選法の「選挙の自由妨害罪」における「威力」について、選管としてどう解釈していますか。
【答弁(庄田選挙担当部長)】
暴力行為に限らず、社会的な地位を利用して圧迫を加えることや、拡声器で大音量を出して演説を聞こえなくするような行為も「威力を加えること」に含まれると解釈しております。
【再質疑(上畠委員)】
神戸市で同様の事態が起きた際、いざという時にしっかり運用できるかが重要です。選管には捜査権限がありませんが、警察との連携はどのように図っていくのでしょうか。
【答弁(庄田選挙担当部長)】
選挙運動を不当に妨害され、法に抵触するような事案が発生した場合には、警察と速やかに連携し、通報等を含めて厳正かつ適切に対処してまいります。
【再質疑(上畠委員)】
警察と緊密に連携し、毅然とした対応をお願いします。最後に、他都市で問題となった「選挙ポスター掲示場の目的外利用(区画の販売等)」について、神戸市で同様の抜け穴を突く行為が起きないよう、立候補予定者への説明会等でしっかりと注意喚起を行ってください。
【答弁(庄田選挙担当部長)】
ポスター掲示場は公職の候補者の政治活動のために使用されるべきであり、販売目的等の利用は法の規定に反するものと認識しています。現行法では罰則がありませんが、国政の動向を注視しつつ、適切に注意喚起を行ってまいります。
3.若手・中堅職員の離職対策と処遇改善(行財政局関係)
【質疑(上畠委員)】
近年、行政で培った経験が評価され、本市の若手・中堅の優秀な職員が外資系コンサルティング会社等へ引き抜かれ、転職する事例が増えています。せっかく育成した人材の流出は市にとって大きな痛手です。離職防止に向けて、給与面や評価への納得感も含め、どのように対応していくのでしょうか。
【答弁(正木 行財政局長)】
技術系職員を中心に退職者が増加傾向にあることは事実であり、「新たな環境でチャレンジしたい」という理由が多くなっています。対策として、DX推進等により定型業務を減らし、やりがいのある付加価値の高い業務に注力できる環境を作ること。また、係長級の処遇改善や、勤勉手当への人事評価反映の拡大など、頑張っている職員が報われる人事・給与制度への見直しを進め、市役所を魅力的な職場にしてまいります。
【再質疑(上畠委員)】
給与水準を高めることと同時に、人事評価への「納得感」が極めて重要です。なぜその人が評価され昇進したのか、透明性と公平性のある人事評価制度の運用を引き続き求めます。
4.外国籍職員の採用と安全保障上のリスク管理(行財政局関係)
【質疑(上畠委員)】
本市では1991年に一般事務職の国籍条項を撤廃しています。しかし現在、特定の国では、海外在住の自国民に対しても政府への情報提供や協力等を義務付ける法律(国家情報法や国防動員法など)が存在します。行政が扱う機微情報へのアクセスや安全保障の観点から、外国籍職員の採用や配置には慎重になるべきと考えますが、見解を伺います。
【答弁(正木 行財政局長)】
国籍条項については憲法上の「法の下の平等」や「職業選択の自由」との関係もあり、一律の制限には慎重な判断が必要です。一方で、本市では「公の意思形成に参画する職」や「公権力の行使を伴う職」については、日本国籍を有しない職員は配置しないルールとしております。
【再質疑(上畠委員)】
公の意思形成に参画する職務の整理を進めているとのことですが、重要な政策を担う企画調整局や、各局の経理担当課などがその対象から漏れている懸念があります。情報漏洩リスクを最小化するため、配置先の厳格な区分けが必要です。
【答弁(酒井 副局長・正木 行財政局長)】
組織改正等も踏まえ、該当する職務については改めて整理する必要があると考えており、委員のご指摘も踏まえて対応を検討します。また、システムのアクセス制限やログの追跡といった「情報管理」、違反時の処分を伴う「服務管理(守秘義務)」の徹底により、情報漏洩が起こらないよう努めてまいります。
5.公金調達における人権・セキュリティへの配慮(行財政局関係)
【質疑(上畠委員)】
以前から指摘していますが、本市の物品調達において、WTOの政府調達協定(GPA)に加盟していない中国等を原産国とする製品(パソコン機器等)を、セキュリティやウイグル等での人権弾圧の観点から排除できないのでしょうか。総務省等に確認した結果を伺います。
【答弁(阿久比 副局長)】
総務省等に確認したところ、地方政府の調達は国の定める「特例政令」に従うこととなっております。この政令により、入札に参加する者の所在地による資格制限を設けることは禁止されており、未締約国の製品であっても地方自治法令上、入札から除外することはできないとの回答でした。
【再質疑(上畠委員)】
協定に加盟していない国が、日本の政令によって実質的に入札参加を優遇されている状態は非常に不公平です。市としての権限に限界があるのは理解しますが、公金が人権弾圧に関わる企業に流れるリスクを防ぐためにも、仕様書の工夫や国への働きかけを強く要望します。

結びに
市民の皆様の貴重な税金が適正に使われているかを確認する「監査の質の向上」。そして、民主主義の根幹である「公正で安全な選挙の執行」。これらは、神戸市政への信頼を支える最も重要な基盤です。
私たち自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、行政が前例踏襲に陥ることなく、時代の変化や新たな課題(巧妙化する選挙妨害など)に迅速かつ毅然と対応できるよう、今後も議会の場から厳しくチェックし、具体的な改善を求めてまいります。
市民の皆様が安心できる神戸の実現に向け、会派一丸となって全力で取り組んでまいります。引き続きの温かいご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


