令和8年5月18日 教育こども委員会が開催されました 山下議員による質疑 

GIGAスクール構想における端末管理や不登校児童生徒への支援、部活動の地域移行(KOBEかつ)に伴う生徒の安全確保、地元西区の農業をテーマにした課題図書の周知といった教育分野に加え、保育・福祉人材の確保に向けた地域区分の水準設定など、子どもたちの健やかな育成とそれを支える環境整備に関する多岐にわたる重要な質疑が行われました。この内容について、当会派の山下てんせい委員が質疑をおこないました。

1. GIGAスクール構想におけるiPadの破損・盗難対応について

【質疑】山下委員 GIGAスクール構想に関して、今年から児童生徒にiPadが貸与されています。高額な端末であるため、小学生の保護者からは「子どもがランドセルを放り投げるなど乱暴に扱って壊してしまった場合、弁償になるのか」といった不安の声が寄せられています。万が一破損した場合の対応はどのようになっているのでしょうか。また、公園などで目を離した隙に盗難に遭うケースも想定されますが、教育委員会として端末を探す仕組みや管理体制はどのようになっていますか。

【答弁】山出副局長 端末の破損については事前に十分想定しており、今回はiPad本体だけでなく、保護するキーボード付きケースもあわせて配布することで破損率を低く見込んでおります。基本的には国からの補助を活用し、児童生徒数の約15%の予備機を確保しているため、故意による破損や重大な過失でない限り、無償での交換対象とさせていただきます。 盗難に関しましても、MDM(モバイルデバイス管理)という仕組みで全体を把握してはおりますが、個別の端末の現在地まで特定することは困難です。しかし、本人の責めに帰すべき事由でなければ、状況をお聞きした上で無償交換の対応をとらせていただきます。

【再質疑】山下委員 端末の管理は事業者等が行っていると思いますが、いわゆる「Apple Care」のような破損等を保障する民間の保険には加入しているのでしょうか。

【答弁】山出副局長 結論から申し上げますと、Apple Careなどの保険には加入しておりません。その代わり、国からの補助で確保した約15%の予備機を活用し、保険代を払うのではなく十分な機材を確保した上で交換対応を行う方針としております。

【要望】山下委員 小学生が使って破損することが事前に十分に想定されており、故意でなければ無償交換されるという答弁は保護者にとっても安心できる内容だと思います。不安を抱える保護者に対し、丁寧な周知をお願いいたします。

2. 校内サポートルームと支援員の柔軟な運用について

【質疑】山下委員 不登校児童生徒への支援として校内サポートルームが設置されていますが、地元の小学校では、時間通りに登校できるか全く来ないかの「2択」状態になっている児童が多く、結果としてサポートルームが開店休業状態になり、支援員が他のクラスのサブに入っているという話を聞きました。学校によって支援員が大活躍しているところもあれば、空いているところもある現状を鑑み、近隣の学校間で支援員が掛け持ちや巡回をするなど、柔軟な運用はできないのでしょうか。

【答弁】田尾教育次長 不登校の要因や子どもたちの状況は多様であり、委員ご指摘のようにサポートルームの利用に偏りが出ることは想定されます。そのため、今年の4月から「学校間応援制度」を設けました。比較的余裕のある学校の支援員が、校長同士の情報交換と支援員本人の了解のもと、近隣の学校をサポートできる仕組みです。この制度が有効に活用されるよう、事務局としても情報提供や校長会を通じた発信を行い、子どもたちのために円滑な運用をサポートしてまいります。

【意見】山下委員 非常に良い制度だと思います。国に対して財政支援を求め、支援員の配置をしっかり要望していくことは大切ですが、現場の環境に合わせて校長先生同士で連携し、柔軟な体制をとっていくことは非常に前向きな取り組みだと評価いたします。

3. 部活動の地域移行(KOBEかつ)に伴う生徒の安全確保について

【質疑】山下委員 部活動の地域展開(KOBEかつ)が始まると、特に文化系の部活などで拠点校が限られ、生徒が市内を広範囲に行き交うことになります。いわば「習い事」のように遠方まで通う際、移動中の安全保障が懸念されます。特に何の落ち度もない生徒が犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性について、現在の神戸市の非行少年・少女の傾向とあわせて、教育委員会としての安全対策をどのようにお考えですか。

【答弁】西川部長 非行の傾向としては、コロナ禍で一旦減少したものの、近年は微増傾向にあり、いじめの認知件数や校外での問題行動もやや増加しております。安全対策としては、青少年育成センターの補導員による各中学校区の巡回に加え、県警の少年サポートセンターや児童生徒課の指導主事による合同補導・広域補導を積極的に実施しております。

【意見】山下委員 KOBEかつの実施により行動範囲が広がることは子どもたちの成長に繋がりますが、おとなしいタイプの子どもが狙われるような事案があってはなりません。究極的には「労災」のような通学・移動中の保険制度があれば良いのですが、各家庭の任意の行動となるため、まずは未然防止の対策が不可欠です。

【要望】山下委員 事件が起きてからでは遅いです。KOBEかつ実施後は、街中におけるパトロールや補導行為を一層強化し、重点的に行っていただくよう、危機管理の視点を持って安全な運営に努めていただくことを強く要望します。

4. 地元西区の農業をテーマにした課題図書の周知と農業体験の推進について

【質疑】山下委員 今年の青少年読書感想文全国コンクール(小学校中学年の部)の課題図書に、神戸市西区の小学生が農家に弟子入りした実話に基づく本『美味しいお米を作りたい』が選ばれました。地元西区の農業関係者にとっても非常に誉れなことであり、希望の光です。この件に関する教育委員会の受け止めと、神戸の子どもたちへの周知についてお聞かせください。

【答弁】田中部長 私も読ませていただきました。子どもたちの「好き」がこうした形で展開していくことは大変素晴らしいことであり、応援する気持ちとともに多くの子どもたちに読んでほしいと思っております。神戸の子どもをテーマにした本であることを、より一層周知してまいります。

【要望】山下委員 米作りの農家が減少する中、小学生のチャレンジが全国の課題図書に選ばれたことは大変意義深いです。以前から提案している小学校のビオトープ整備や農業体験と絡め、部活動の母体等にもお力添えをいただき、第2、第3の挑戦者が現れるような環境整備を要望いたします。

5. 保育および福祉人材の確保・定着に向けた地域区分の水準設定について

【質疑】山下委員 (子供家庭局に対し)令和7年4月からの地域区分の変更に伴い、児童入所施設措置費等の公定価格が12%から8%へ引き下げられる懸念があり、今年度は引き下げ前の水準に見直す暫定措置がとられました。これに関して、来年度以降の見通しは現状どのようになっているのでしょうか。また、神戸市として引き下げ前の水準に据え置くよう国へ要望していく上での展望をお伺いします。

【答弁】中田副局長 児童養護施設等の措置費について、国から事前の調整なく引き下げられた経緯がありましたが、本市および他の政令市と強く要望活動を行った結果、今年度は元の水準(12%)に復元されました。来年度以降の見通しについてはまだ国から示されていないため、引き続き強く水準の据え置きを要望していく考えです。

【意見】山下委員 神戸市単独の問題ではなく国との駆け引きになる部分も大きいと思いますので、政令市でしっかりと固まって団体で要望活動を行っていくことが重要です。我々議会としてもしっかりとバックアップしていきたいと思います。


自由民主党としての採択の結果 本委員会において、陳情第198号については「審査打ち切り」、陳情第200号(子どもの豊かな学びと育ちを保障するための政府予算に係る意見書提出を求める陳情)については「採択」と判断いたしました。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、今後も現場のリアルな声に耳を傾け、子どもたちがどこに住んでいても安全で豊かな教育を受けられるよう、国への強い働きかけと神戸市独自のきめ細やかな環境整備に全力で取り組んでまいります。また、保育・福祉を支える人材の処遇確保についても妥協することなく、国政と連携して力強く推進してまいります。

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