令和8年3月27日 第1回定例市会 第6日 上畠議員が一般質問

天津事務所における人民解放軍元軍人の雇用問題、神戸空港の国際路線の戦略的拡大、非核神戸方式の適法性、北朝鮮による拉致問題への具体的啓発、朝鮮学校への補助金停止、そして学校内における「いじめ」を「犯罪」として扱う毅然とした対応など、神戸市の安全保障と教育の正常化に関わる極めて重要な課題について。この内容について、当会派の上畠 寛弘議員が質疑をおこないました。

1. 天津事務所における人民解放軍元軍人の雇用と事務所のあり方について

【質疑】上畠議員
神戸天津経済貿易連絡事務所において、中国人民解放軍の退役軍人が「顧問」として雇用されている問題について質す。この雇用は40年以上も継続されており、現地政府との人脈を活かした情報収集や交渉が目的とされているが、中国においては「国防動員法」や「国家情報法」が存在し、退役軍人も国家の強い管理下にある。こうした背景を持つ人物を神戸市の外郭団体が雇用し続けることは、市の施策が中国当局によって歪められるリスクや、機密情報が漏洩するリスクを強く懸念せざるを得ない。外郭団体に関する特別委員会でも指摘したが、この雇用に関する現在の検討状況と、今後の事務所の体制について伺いたい。

【答弁】今西副市長
天津事務所の顧問については、採用以来、その高い語学力や独自の現地ネットワークを活かし、歴代の所長を補佐してきた。具体的には、ジャイアントパンダの共同研究、動物交流、クルーズ船の誘致、現地での神戸の観光プロモーションなど、多岐にわたる分野で交渉や情報収集を担ってきた。しかし、委員のご指摘や諸般の状況を鑑み、本年3月末をもって当該顧問との契約を終了することが決定している。令和8年度からは体制を一新し、中国企業や日系企業での勤務経験があり、現地の経済状況に精通した人材を公募する予定である。結果として、人材派遣会社からの派遣人材1名を加え、所長と合わせた2名体制で、より経済活動に軸足を置いた活動を展開していく。

【再質疑】上畠議員
顧問の契約終了は当然の判断だが、天津事務所そのもののあり方も抜本的に見直すべきだ。例えば、パンダの「タンタン」が亡くなった際、学術交流・共同研究という名目でありながら、中国側からは「血の一滴、毛の一本に至るまで、解剖後の遺体はすべて焼却しろ」という極めて非科学的かつ威圧的な要求があったと聞き及んでいる。神戸市には世界に誇るスーパーコンピュータ「富岳」もあり、遺伝子解析など学術的に貢献できる余地があったにもかかわらず、当局の指示をそのまま受け入れざるを得ない現状は、対等な「交流」とは言えない。中国側が一方的に指示を出す関係に公金を投じる意味があるのか。費用対効果やリスクを徹底的に精査し、廃止も含めた検討が必要ではないか。

【答弁】今西副市長
天津市とは50年以上の交流の歴史があり、経済・文化・人的交流を積み重ねてきた。現時点において事務所そのものの廃止は考えていないが、海外事務所の運営体制や事業内容については、不断に見直しを行っていく。委員ご指摘の費用対効果や、本市の施策方針との整合性を踏まえ、常に改善を図っていく。

【再々質疑】上畠議員
事務所を維持することによる「リスク」についても厳しく問いたい。現在、中国では「反スパイ法」等の運用により、日本人が不当な理由で拘束・逮捕される事案が相次いでいる。神戸市からも職員を派遣しているが、彼らの安全は担保されているのか。
かつて上海事務所においても様々な事案が発生し、リスクが露呈した過去がある。 現地で連絡を取り合っていただけで「スパイではないか」と疑われかねない国であり、カントリーリスクは極めて高い。本市職員の労働安全確保の観点からも、このようなリスクを冒してまで天津に事務所を置き続ける必要があるのか。事務所のあり方を根本から見直すべきだ。

【答弁】今西副市長
海外事務所のあり方については、経済情勢や運営体制、事業内容に加え、職員の安全確保という視点も含め、多角的に検討していく必要がある。 今後も費用対効果を厳しく精査するとともに、本市の施策方針に基づき、事務所の存廃や体制について不断の見直しを行ってまいりたい。

【質疑・意見】上畠議員
天津事務所の顧問(元人民解放軍人)との契約終了については確認したが、そもそも天津事務所の存在そのものを見直すべきだ。
まず、相互主義の観点から見ても、天津市は神戸に事務所を置いているわけではない。神戸市だけが一方的に天津に事務所を置き続けるという、このバランスの悪さは極めて歪(いびつ)だ。本来、対等な友好都市交流というのであれば、双方が置くべきだが、私はそもそも必要ないと考えている。さらに重要なのは、派遣される神戸市職員に対する「労働安全配慮」の観点だ。現在、中国では日本人が不当な理由で逮捕・拘束されたり、長期にわたって服役させられたりする事案が相次いでいる。日本政府ですら手出しができないような状況下で、現地関係者と連絡を取っただけで「スパイ行為ではないか」と疑われるリスクがある。
かつて上海事務所があった際にも、様々な事案が発生し、そのリスクが露呈した過去がある。このような極めてカントリーリスクが高い国に職員を置くことは、本市職員の命と安全を危険にさらす行為に等しい。顧問の雇用問題だけでなく、パンダ外交に象徴されるような「中国当局の言いなり」の交流、そして職員の安全、公金の使途の適正性を総合的に判断すれば、結論は明白だ。上海事務所の二の舞を演じてはならない。職員の命を守り、公金の無駄を省くためにも、天津事務所の廃止を含めた抜本的な再検討を強く要望する。

【答弁】今西副市長
海外事務所のあり方については、経済情勢や事業内容だけでなく、委員ご指摘の通り、職員の安全確保という視点も極めて重要である。上海事務所の経緯や、現在の国際情勢、費用対効果などを踏まえ、不断に見直しを行ってまいりたい。

2. 神戸空港の国際化と台湾路線・東南アジア路線の拡大について

【質疑】上畠議員
神戸空港において、本年10月末まで運休継続が発表された中国便(上海・南京便)の枠を活用し、3月29日から6月30日までの期間でチャーター便の募集が実施された。中国便の運休は、国際便を運航する際に起こりうる典型的なカントリーリスクの一つである。この事態をただ待つのではなく、関西エアポート神戸株式会社や各航空会社と調整を進め、未利用の時間帯を弾力的に活用したことは高く評価する。そこで、今回の募集に対してどの程度の応募があり、3月29日以降、どのような運航体制になるのか伺いたい。

【答弁】久元市長
中国便が運休している未利用の時間帯を有効に活用するため、航空会社を募集した。その結果、韓国の3社、台湾の2社の計5社から、この時間帯を利用したいという申請があった。 担当局から報告を受けたところ、これら全5社について、CIQ(税関・出入国管理・検疫)やグランドハンドリングの受け入れ調整が整ったため、すべての航空会社において国際チャーター便の運航を行っていただくこととした。 これにより、国際便は現在の週28便から、6月15日以降は週52便へと大幅に増加する。 運休前は週42便であったため、それと比較してもかなりの増便となる。

※台湾南部(高雄等)への路線拡大と、新神戸駅・空港のアクセスの優位性について

【再質疑】上畠議員
全5社の受け入れ決定、そして週52便への増便は非常に喜ばしい。私は先日、台湾のエバー航空やスターラックス航空の代表、さらには台湾交通部(国交省に相当)の副大臣とも直接面談をおこなった。 台湾側は、神戸空港のポテンシャルを極めて高く評価している。特に、**「新幹線・新神戸駅から神戸空港までの距離が非常に近く、福岡空港並みの利便性がある」**という点は、台湾政府の関係者からも高く評価されている。
現在、台湾路線は台北便が中心だが、高雄市をはじめとする台湾南部も大きな人口規模を持っており、神戸との交流に強い関心を示している。 昨年末に台湾を訪問した際も、総統府の秘書長(官房長官相当)から「台湾南部との交流を活性化させてほしい」との要望を直接受けた。2030年の定期便化を見据え、台北だけでなく台湾南部への路線拡大についても、より具体的に検討を進めるべきではないか。

【答弁】久元市長
台湾との間では、今回の増便につながったように様々な交流が進んでいる。委員ご指摘の通り、台湾南部との就航の可能性についても、しっかりとその可能性を模索し、実現につなげていきたいと考えている。

神戸ブランドの農産物輸出、貨物需要、東南アジアへの路線展開について

【再々質疑】上畠議員
台湾からは、旅客だけでなく貨物や農業分野での「ラブコール」も届いている。神戸市は、海外では「大都市」のイメージが強いが、実は農業が盛んであるという点は意外な驚きをもって迎えられる。「神戸ビーフ」だけでなく、神戸産の野菜、果物、お米といった農産物のブランド力は非常に高い。
私は東京にある「台北駐日経済文化代表処」を訪問し、昨年設置された台湾農業部の「農業組(農業担当部署)」の担当官とも意見交換をおこなった。 2030年を見据えれば、東南アジア路線の誘致も不可欠である。特に経済成長が著しい東南アジア諸国との間で、ビジネス・観光・物流の三位一体となった交流を促進すべきだ。令和8年度予算にある「第2ターミナルの機能強化」も活用し、東南アジアを含めた広範なネットワーク構築に積極的に取り組むべきではないか。

【答弁】今西副市長
航空需要を安定的に維持するためには、ビジネスや観光など幅広い分野での双方向の交流が重要である。高い搭乗率を維持し続けることで、航空会社の就航意欲を高め、路線の充実・拡大につなげていく。
今回の中国便運休枠の活用においても、これまでの高い搭乗率が航空会社の関心を引きつけた結果である。令和8年度予算を活用して第2ターミナルの機能強化を進め、国際チャーター便の受け入れを拡大していく。 現在の就航都市との交流を深めるだけでなく、東南アジアを含めた新たな路線開拓に向け、経済交流・観光交流・ビジネスマッチングを官民一体となって強力に推し進め、2030年の国際定期便化へつなげていく。

【要望】上畠議員
ぜひお願いしたい。神戸空港は「新神戸駅」という全国に繋がる拠点と直結している。この「福岡空港並みのポテンシャル」を武器に、東南アジアや台湾南部とのネットワークを構築し、貨物・農業・観光の全方位で神戸の経済を牽引していただくことを強く要望する。

3. 「非核神戸方式」の違法性と適正な港湾管理について

【質疑】上畠議員
神戸港に入港する外国艦船に対して「非核証明書」の提出を求める、いわゆる「非核神戸方式」について質す。港湾法第13条第2項では、港湾管理者は何人に対しても不平等な取扱いを禁じている。政府は一貫して「地方自治体が国の外交・防衛権限を制約することは認められない」「港湾管理者の権限を逸脱している」との見解を示しており、国会でもこの方式の違法性が指摘されている。法治国家として、また国際港湾の管理者として、この主観的な「決議」を「要件」とするような運用を即刻改め、法令に則った適正かつ円滑な港湾管理を行うべきではないか。

【答弁】久元市長
港湾法及び政府の見解については承知している。本市としてはこれまで、市議会の決議を尊重する形で運用を行ってきた。今後も港湾管理者として、国の施策方針を注視しつつ、法令に基づき適切に港湾事務を執行していく。

4. 北朝鮮による拉致問題の解決に向けた具体的啓発と主権意識について

【質疑】上畠議員
政府認定の拉致被害者12名のうち、有本恵子さんと田中実さんの2名は神戸市民である。現在も選挙人名簿に搭載されている「神戸市民」が、長きにわたり北朝鮮によって自由を奪われている。これは過去の事件ではなく、現在進行形の重大な主権侵害である。神戸市として、この問題を「自事(じごと)」として捉え、市民の関心を高めるためのより踏み込んだ啓発が必要だ。例えば、ウクライナ支援で行ったようなポートタワーのライトアップや、市長による力強いビデオメッセージの発信、さらには国への一層の働きかけを強化すべきではないか。

【答弁】今西副市長
北朝鮮による日本人拉致問題は、我が国の主権および国民の生命・安全に関わる極めて重大な問題であり、普遍的な基本的人権を明白に侵害する、断じて許すことのできない暴挙であるとの認識を改めて強く表明しました。政府が認定した拉致被害者12名のうち、神戸市出身の有本恵子さん、田中実さんの2名については、現在も本市の選挙人名簿に搭載されており、お二人は決して「過去の市民」ではなく、今この時も救出を待つ「現職の神戸市民」であると重く受け止めています。

本市ではこれまで、公式ホームページでの啓発活動に加え、毎年12月の「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」に合わせた啓発パネル展の開催、さらには政府拉致問題対策本部や兵庫県との共催による「拉致問題を考える国民の集いin兵庫・神戸」の開催など、風化を許さない取り組みを継続してまいりました。

これらの活動をさらに一歩進めるべく、令和7年度予算においては広報活動の抜本的な拡充を計画しています。具体的には、市民の皆様の目に触れやすい市営地下鉄駅構内等のデジタルサイネージを活用した啓発CMの新設・放映や、各種人権講演会などのイベントにおける啓発冊子の配布を新たに行い、拉致問題が「現在進行形」の深刻な課題であることを広く浸透させていく方針です。

委員から提案のあった、ポートタワーのライトアップや市長メッセージの積極的な発信についても、これまでのパネル展での掲示に留まらず、より多くの市民の心に届く「効果的な発信・発信方法」について、速やかに検討を進めてまいります。拉致問題の解決は一刻の猶予も許されない本市の責務であり、引き続き北朝鮮の動向や国の交渉進捗を注視しつつ、国や県などの関係機関と緊密に連携し、一日も早い全被害者の帰国実現に向けて、本市としても全力で取り組んでいく決意です。


5. 朝鮮学校への補助金停止と公金の適正性について

【質疑】上畠議員
朝鮮学校に対する補助金交付について伺う。公安調査庁の報告等によれば、朝鮮総連は北朝鮮の強い影響下にあり、朝鮮学校の教育内容や人事にも深く関与しているとされている。朝鮮新報などの媒体を見ても、北朝鮮の政治的思想が色濃く反映されており、子供たちの自由な思想形成が阻害されている懸念がある。このような団体に関連する学校に対し、市民の血税から補助金を拠出することは、公益性の観点から極めて問題である。兵庫県に足並みを揃えるのではなく、神戸市独自の判断で、直ちに補助金の交付を停止すべきではないか。

【答弁】今西副市長
外国人学校への助成は、教育環境の向上や多文化共生の推進を目的としている。朝鮮学校に対しても、他校と同様の基準で執行してきた。平成28年の国からの通知に基づき、補助金の趣旨・目的に沿った適正な執行が行われているか、毎年厳格に確認を行っている。現在、交付実績などはホームページで公開し、透明性の確保に努めている。今後も国の動向や社会情勢を注視し、不断に検討を行っていく。

6. 学校内の「いじめ」を「犯罪」と捉える毅然とした対応(要望)

【意見・要望】上畠議員
学校における「いじめ」という言葉が、事態の実態を矮小化させている。暴行、脅迫、侮辱といった行為は、学校の外であれば明白な「犯罪」である。刑事訴訟法第239条第2項には、公務員の告発義務が定められている。学校現場で犯罪行為が認識された場合、教育委員会や学校は、警察と速やかに連携し、毅然と告発を行うべきだ。
現在、SNS上では教育機関が機能しないことに絶望した被害者が、「いじめ撲滅委員会」などの外部のアカウントに助けを求めるという異常事態が起きている。これは行政の不作為が生んだ結果である。加害者が守られ、被害者が教室から追い出されるような構造は断じてあってはならない。

  1. 犯罪が疑われる事案が発生した際の、警察との連携・告発に関する明確な基準の策定
  2. 校内への防犯カメラ設置を含む抑止力の強化
  3. 加害者と被害者を適切に分離し、被害者の学習権と安全を最優先に守る運用の徹底
    これらを強く要望する。学校は聖域ではない。教育委員会は、学校内の「犯罪」を撲滅するために、これまでの甘い対応を捨て、実効性のある策を講じるべきだ。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、偏った思想教育や不当な外部介入から市民の権利を守り、子供たちが安全に、かつ適正な国際感覚を身につけられる神戸の実現に向け、行政の歪みを正してまいります。

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