【平野達司委員】地域経済の核を守る!小売市場・商店街の活性化と事業承継支援

小売市場・商店街の活性化に向けたデータ活用や事業承継の支援、および中央卸売市場の集荷・利用促進策について、平野達司委員が質疑をおこないました。
1. 小売市場・商店街の活性化に向けたデータ分析・活用
【質疑】平野委員
2020年の世帯調査では、兵庫区の単身世帯が56%を占め、20代後半の若い世代も増加している。こうした層は食材の購入よりも惣菜を好む傾向にあり、再開発やマンション建設で周辺の人口構成は数年で劇的に変化する。本来、各店舗が自ら分析し戦略を立てるべきだが、個人商店主が独力で行うのは限界がある。市が保有する「神戸データラボ」等の人口動態や消費動向データを積極的に共有し、販売戦略に活かせる環境を適時適切に整えるべきではないか。
【答弁】大畑 経済観光局長
店主が周辺環境の変化を機敏に捉え、データに基づき戦略を立てることは極めて重要だ。一方で、日々の商売に追われる中で情報収集に労力を割くのは現実的に難しい。市では「神戸データラボ」等で詳細な地域情報を公開しているが、今後は市商店街連合会や小売市場連合会を通じてさらに積極的に情報共有を図る。また、経営やマーケティングを学ぶ大学生とも連携し、多様な角度からデータを分析し、商売のヒントになるような活用を推進したい。
2. 成功事例のスキーム化と現場への展開
【質疑】平野委員
データ共有だけでなく、具体的な賑わい創出や販路開拓の「スキーム(枠組み)」が必要だ。市場・商店街は人材も時間も厳しい。これまでの駅中出店や移動販売、小学校との連携といった成功事例のノウハウを局内で蓄積・整理し、現場の特性を理解する「応援隊」も活用しながら、各店舗が実情に合わせて選択できる複数の支援メニューを用意すべきではないか。
【答弁】五島 商店街・小売市場担当部長
これまでも地域商業活性化支援事業等で補助を行ってきた。スキーム化については、各団体の課題や周辺環境が異なるため一律には難しい面もあるが、好事例の横展開は重要だ。連合会の機関紙等に加え、今後は他市の好事例も収集し情報提供していく。既存の補助制度でカバーできない取り組みがあれば、制度の見直しも含め柔軟に検討し、引き続きサポートしたい。
3. 「地域資産」としての事業承継支援
【質疑】平野委員
店主の急逝や後継者不在、建物の耐震化などで、黒字でも閉店せざるを得ない老舗がある。これは単なる一店舗の問題ではなく、地域の文化や信頼、ブランド価値という「地域資産」の損失だ。特に加工製造業における「秘伝の味」や「目利き」といった言語化しにくい暗黙知を、マニュアル化や技術継承支援、さらには第三者へのM&Aも含めた一歩踏み込んだ仕組み作りで守るべきではないか。
【答弁】大畑 経済観光局長
全国の調査でも廃業理由の約67%が高齢化や後継者不足であり、深刻な課題だ。個人経営が多く将来への準備が不十分なケースも多い。現在、神戸産業振興財団が事業承継の事前準備や可視化の支援を行い、公的機関へ橋渡しをしている。M&Aには不安を持つ経営者もいるが、信頼できる相談先として財団が寄り添い、早期の経営課題解決に丁寧に取り組みたい。
4. 戦略的支援のための「モデル地区」設置
【質疑】平野委員
事業承継は一朝一夕には進まず、非常に時間がかかる。そこで、特定の市場や商店街を「モデル地区」として設定し、味や製法の継承プログラム、若手職人の育成、マッチングなどを戦略的に進める社会実験を行うのはどうか。その成果を他の地域へ展開していくことで、安心して事業を次世代へ引き継げる環境が整うはずだ。
【答弁】大畑 経済観光局長
商店街・小売市場は地域コミュニティの拠点であり、その魅力維持は市の活力を左右する。当局では地区担当制を敷き、日頃から現場と膝を突き合わせて議論している。エリアごとの課題を踏まえ、どのような支援が効果的なのか、モデル的な取り組みも含めて連合会等と積極的に議論し、実効性のある仕組みを検討していきたい。
5. 中央卸売市場の集荷促進と利用拡大
【質疑】平野委員
中央卸売市場の本場活用について、今年度からの市内近隣産地との連携事業の成果と課題は何か。また、市場を介さず独自に仕入れる大型スーパーやホテルに対し、市場の利用をどう促していくのか。
【答弁】星島 本場長
今年度は定期トラック便の運行と規格の簡素化を実施し、約28トンの青果物を輸送した。課題は取扱量がまだ少ないことや、生産者への周知不足だ。ホテルやスーパーに対しては、料理長やバイヤーと直接面会して市場をPRし、ニーズを汲み取って場内事業者を取り次いでいる。今後もマッチングイベント等を通じて新規取引の確保に努める。
平野委員の質疑を通じ、小売市場や商店街が単なる商業施設ではなく、地域の歴史や文化を支える重要な拠点であることが再確認されました。当会派としては、データに基づいた科学的な経営支援と、職人の「技」や「味」を守るための戦略的な事業承継支援を強力に推進し、次世代へ神戸の活気をつないでまいります。


