令和8年3月4日 吉田議員が予算特別委員会 第1分科会(都市局)で質疑   

将来を見据えた住宅供給のあり方や、三宮・HAT神戸・王子公園といった重要拠点の活性化について、吉田健吾委員が質疑をおこないました。

■住宅供給の「質の転換」と住み替え循環を促す仕組みづくり

【質疑】吉田委員
神戸市は2030年までに5000戸以上の新たな住宅供給を目指していますが、単に空き地に家を建てるだけでは不十分です。深刻な空き家問題や人口減少対策と両立させるためには、駅近くに高齢者向けの住み替え住宅を戦略的に供給し、そこから空いた郊外の戸建てにファミリー層が移り住むような「住み替えの循環」を作ることが不可欠です。こうした「質の転換」を伴う住宅施策をどう具体化していくのか伺います。

【答弁】山本 都市局長
新築の供給促進と、既存ストックの有効活用(空き家対策)を「車の両輪」として進めることが重要だと考えています。特にライフステージに応じた住まいの選択肢を増やすことで、市外への人口流出を食い止めたいと考えています。具体的には、市有地の売却において、単なる最高価格での入札ではなく、高齢者が安心して住み替えられるサービス付き住宅や、若者世帯を惹きつける菜園付き住宅など、民間事業者の創意工夫を凝らした提案を募る「まちづくりコンペ方式」を積極的に導入し、居住の流動性を高めてまいります。

■市有地売却における市場性を踏まえた公募条件の改善

【質疑】吉田委員
昨年の市有地入札において、「木造2階建て以下」や「3年以内の竣工・販売」といった非常に厳しい条件を付した結果、多くの物件で落札が進まなかったケースがありました。良質な住宅地を作りたいという市の理念は理解できますが、現在の建設資材高騰や人手不足の中では、事業者が二の足を踏んでしまいます。早期の住宅供給を実現するためにも、より市場の実態に即した柔軟な条件設定が必要ではないでしょうか。

【答弁】諏訪 都市局副局長
昨年度の入札では、27物件中7物件の契約に留まったのは事実です。事業者へのヒアリングでは、特に短期間での竣工義務が大きなリスクになっているとの声を得ています。今後は、こうした事業者の負担や市場動向を的確に把握し、建築条件の緩和や工期の柔軟化など、公募条件をきめ細かく見直すことで、民間活力を最大限に引き出し、迅速な住宅供給につなげてまいります。

■三宮新バスターミナル整備の着実な推進と将来像

【質疑】吉田委員
三宮の再整備の核となる新バスターミナルについて、先行する雲井通5丁目の1期ビルと、それに続く6丁目の2期ビルは、歩行者デッキ等で繋がる一体的な計画となっています。昨今の建設物価の高騰は懸念材料ですが、2期の整備が遅れれば全体の利便性が損なわれます。現在の地権者との協議状況と、完成に向けたスケジュール感を伺います。

【答弁】中原 臨海都心推進室長(理事)
2期ビル整備については、本年3月の都市計画決定を目指し、現在最終的な調整をおこなっています。地権者の皆様との合意形成は順調に進んでおり、準備組合においてデベロッパー等と共に具体的な事業計画を練り上げています。物価高騰の影響を注視しつつ、1期ビルの完成後に速やかに工事着手できるよう、三宮の新たな顔となる拠点づくりを確実に着実に進めてまいります。

■地域交通の維持に向けた「交通政策のグランドデザイン」の策定

【質疑】吉田委員
地域コミュニティ交通は、現在、住民組織が多大な労力を割いて運行を支えていますが、担い手不足により持続可能性が危ぶまれています。今後、移動困難地域がさらに広がることは明白であり、従来の支援の枠組みを超えた、市全体としての「交通政策のグランドデザイン」を早急に描くべきではないでしょうか。

【答弁】山本 都市局長
非常に重要な視点です。令和8年度からは、地域組織の事務負担を軽減するため、初年度に限っていた支援制度を2年目以降も継続できるよう見直します。さらに、次期「都市計画マスタープラン」の改定を見据え、病院の送迎バスの一般混乗や、タクシー・デマンド交通の最適化、さらには自動運転技術の実装など、あらゆる移動手段を統合的にデザインし、市民の皆様の足を将来にわたって守る体系を示してまいります。

■西神戸ゴルフ場跡地「スマート産業団地」の脱炭素化

【質疑】吉田委員
西神戸ゴルフ場跡地の「スマート産業団地」について、水素利活用や再生可能エネルギーの導入をどう具体化していくのか伺います。

【答弁】久保田 都市局拠点整備部長
太陽光発電や水素などのクリーンエネルギー、蓄電池の活用を検討しています。令和8年度には、事業者の意見を踏まえた基本的な方向性を定め、脱炭素社会の実現に寄与する最先端の産業団地を目指します。

■王子公園・HAT神戸を核とした若者が集う街づくり

【質疑】吉田委員
HAT神戸でのアイススケートリンク新設や、王子公園への大学誘致など、東部エリアの期待が高まっています。特に王子公園の再整備においては、大学の開校を見据え、JR灘駅から王子公園へと続く動線を、単なる通路ではなく、学生や若者が自然と集い、語り合い、賑わいを生み出すような「街の主動脈」として整備すべきと考えますが、見解を伺います。

【答弁】平岡 都市局拠点整備部長
灘駅北側広場の再整備とあわせ、駅から公園、そして大学へと繋がる動線を「キャンパスプロムナード」のような魅力的な空間にする検討を進めています。また、阪急電鉄とも連携し、高架下のクリエイティブな空間活用や、既存の「ミュージアムロード」との接続強化を図ることで、学生だけでなく、多くの若者や文化に触れる人々が回遊し、新たな活気が生まれるエリアづくりを推進してまいります。


吉田委員の質疑では、住宅供給から公共交通、拠点整備に至るまで、神戸の持続可能性を問う鋭い議論が交わされました。当会派は、場当たり的な開発ではなく、30年後、50年後の神戸を見据えた、一貫性のある都市政策の実現に向けて、今後も当局を厳しくも建設的にチェックしてまいります。

神戸市:予算特別委員会の会議結果(2026年)

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