令和8年3月4日 平井議員が予算特別委員会 第1分科会(都市局)で質疑  

都心再整備における緑化戦略や新長田・下町エリアの活性化策について、当会派の平井真千子委員が質疑をおこないました。

■都心再整備における「花と緑」のデザインコードと酷暑対策

【質疑】平井委員
現在、三宮再整備では新バスターミナルや駅ビルの工事が急ピッチで進んでいます。神戸の玄関口として「花と緑」の魅力を打ち出すことは、都市の格を高めるだけでなく、近年の深刻な夏の酷暑対策としても極めて重要です。都心のデザインコードにおいて、具体的にどのような戦略で緑を導入し、市民や来街者が心地よく過ごせる空間を創出していくのか、当局の考えを伺います。

【答弁】中原 臨海都心推進室長(理事)
三宮の歩行者空間整備にあたっては、六甲山系の豊かな緑を街の中に引き込むイメージで、戦略的に緑化を進めます。例えば税関線では、既存のクスノキの列植をさらに広げ、木陰にベンチを配置することで、街区ごとにゆったりと滞留できる空間を整備します。また、JR新駅ビル南側の広場では「おもてなしの緑」として、ボリュームのある高木を豊富に植栽し、景観の向上とあわせてヒートアイランド現象の緩和を図ります。

【再質疑】平井委員
単に木を植えるだけでなく、都市部という厳しい環境下で樹木を健全に育てるための土壌改良や、路面の温度上昇を抑える舗装の工夫など、ハード面での踏み込んだ対策も必要ではないでしょうか。

【答弁】中原 臨海都心推進室長(理事)
ご指摘の通り、樹木が将来にわたって健やかに生育できるよう、十分な土量確保と土壌改良をおこないます。あわせて、路面温度を下げる効果がある「保水性舗装」の導入や、雨水を一時的に貯留し浸透させることで気化熱により周囲の温度を下げる「レインガーデン」の整備も、建設局と緊密に連携して進めています。これらの取り組みをデザインコードにしっかりと位置づけ、三宮の東口エリアから順次、目に見える形で具現化してまいります。

■新長田駅前広場と若松公園の相乗効果

【質疑】平井委員
新長田駅周辺では、西市民病院の移転整備を契機とした再整備が進んでいます。駅前広場と若松公園は隣接していますが、それぞれが個別に整備されるのではなく、互いの特性を活かした相乗効果を発揮させるべきです。両施設をどのように一体として捉え、エリア全体の賑わいにつなげていくのか伺います。

【答弁】松崎 都市局副局長
駅前広場は、通勤・通学の方々が日々利用する「町の玄関口」として、交通結節機能や歩行者の円滑な移動を重視した整備をおこないます。一方で若松公園は、「鉄人28号」のモニュメントや様々なイベントがおこなわれる「町の目的地(デスティネーション)」としての役割を担います。駅前広場から公園へと自然に人々を誘う動線づくりや、滞留できる仕掛けを検討しており、令和8年度に予定しているワークショップ等を通じて、地域の方々の意見を反映しながら、両施設が補完し合う魅力的な再整備案をまとめてまいります。

■「下町スタートアップ」の集積と空き家利活用の加速

【質疑】平井委員
長田区の「下町スタートアップ」支援事業は、これまでに11名が起業するなど着実な成果を上げていますが、現在は個別の店舗が点在しており、面的な広がりがまだ弱い印象を受けます。今後は特定のエリアに起業家を集積させ、エリアとしてのブランド力を高めるような、次のステージに向けた施策が必要ではないでしょうか。

【答弁】松崎 都市局副局長
これまでは多様な業種の起業を支援してきましたが、今後はさらなる相乗効果を狙い、丸五市場周辺など、すでに一定の起業家が集まり始めているエリアを重点的に支援します。こうしたエリアで空き家の掘り起こしを集中的におこなうとともに、店舗改修補助などのインセンティブを重点投入することで、意欲ある起業家を面的に集積させ、下町特有の活気あふれる街づくりを加速させていきたいと考えています。

■「スポンジ化」解消に向けたモデル事業の推進

【質疑】平井委員
長田区南部などに見られる、いわゆる「接道していない土地」や「所有者不明の私道」の存在は、住宅の建て替えを阻む大きな要因となり、都市の空洞化(スポンジ化)を引き起こしています。一軒ごとの対応では限界があるため、モデル地区を指定し、行政がより深く関与して面的に解決を図るべきと考えますが、見解を伺います。

【答弁】山本 都市局長
深刻な課題であると認識しています。令和8年度から、スポンジ化の課題を地域と共有し、非接道宅地の解消に向けた「モデル的な取り組み」をスタートさせます。具体的には、地縁団体や不動産事業者と連携し、建築基準法上の道路として位置づけるための手続き支援や、隣地との合筆による適正な規模の住宅供給を促進する仕組みを検討します。このモデル事業を通じて、不動産流通の成功事例を積み上げ、他の地域へも横展開できるよう取り組んでまいります。

■時代の変化に応じた「まちづくり協定」の柔軟な運用

【質疑】平井委員
地域の住環境を守るための「まちづくり協定」ですが、近年のマンションのオートロック化や個人情報保護意識の高まりにより、住民の同意を得るための個別アンケートの回収すら困難な状況があります。現状の認定要件のままでは、新たな協定締結や更新が停滞しかねません。時代に即した柔軟な運用を検討すべきではないでしょうか。

【答弁】白井 都市局副局長
まちづくり協定は、住民の方々の自発的な合意に基づき、建築行為などに一定の制限をかけるものであるため、これまでは高い同意率を要件としてきました。しかし、委員ご指摘の通り、物理的に接触が難しいケースが増えていることも事実です。今後は、アンケートの回収率だけでなく、丁寧な周知活動のプロセスや、反対意見の有無などを総合的に判断する基準を設けるなど、地域の実情に応じた柔軟な運用に努め、住民主体のまちづくりが滞ることのないようしっかりと支援してまいります。


平井委員の質疑を通じ、都心の象徴的な整備から下町の切実な居住課題まで、多岐にわたる課題が浮き彫りとなりました。当会派としては、華やかな再開発だけでなく、長年住み続けてきた市民の皆様の生活環境を守り、次世代が挑戦できる土壌を整えるため、今後も現場に即した政策提言を続けてまいります。

神戸市:予算特別委員会の会議結果(2026年)

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