令和8年6月29日、経済港湾委員会が開催されました。【当局からの報告事項】

令和8年6月29日に開催された経済港湾委員会において、経済観光局、文化スポーツ局、港湾局の3局より令和8年度の事業概要の説明、および港湾局より「株式会社神戸ウォーターフロント開発機構のあり方」についての重要報告が行われました。

当局からの報告内容について、配布資料および発言に基づき、重要施策の概要について解説します。 本記事では、当局からの報告事項を網羅的にまとめております。当会派から出席した松本議員平野議員山口議員による詳細な質疑内容に関しましては、議員別の独立記事としてご紹介しております。議員それぞれの視点による鋭い質疑については、各個別記事よりご参照ください。


経済港湾委員会:当局報告事項・事業概要の詳細報告

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会として、当局より示された神戸市の「稼ぐ力の強化」「文化芸術の振興」「国際競争力のある港湾整備」の具体策について精査いたしました。

1. 経済観光局:地域経済の活性化と里山・農漁業の振興

経済観光局からは、中小企業支援から農漁業、観光まで多岐にわたる施策が報告されました。

【予算規模と組織】
令和8年度予算は一般会計で約111億4,900万円、市場事業費で約100億7,300万円を計上。局長以下252名の体制で運営されます。

【主要施策の報告内容】

  • 中小事業者支援: 若年従業員への住宅手当上乗せ補助の拡大や、就職氷河期・シニア世代への多面的な就労支援(合同面接会等)を実施。また、DX推進のため相談窓口設置や省力化製品の研究・実証補助を拡充します。
  • グローバル化・イノベーション: アジア開発銀行(ADB)等との連携強化による国際プレゼンス向上、
    台湾での海外展示会出展支援、アフリカビジネスフォーラムの継続開催を推進。AI関連技術の人材育成プログラムも実施します。
  • 地域商業・市内産業: 商店街等の空き店舗活用補助の拡充や、クリエイティブ人材と企業との協業支援を実施。物価高騰対策として、国の地方交付金を活用した食支援事業も切れ目なく行います。
  • 観光振興: 有馬温泉地区での旧幼稚園舎を活用した児童預かり事業を民間活力で実施。観光危機管理体制の強化や「どこでも車椅子事業」等のユニバーサルツーリズムを推進します。
  • 里山・農漁業: スマート農機の導入支援や「だれでも農園」の展開、アライグマ捕獲体制の強化、有害鳥獣処理拠点の整備に着手。漁業面では燃油価格高騰対策として、市独自に1リットル当たり5円の支援金を継続します。
  • 中央卸売市場: 本場の機能強化に向け、冷蔵庫棟や大規模加工場棟の新築工事、卸売場照明のLED化を推進。東部市場の将来像についても検討を開始します。

2. 文化スポーツ局:スポーツの力と文化の力による街の賑わい

文化スポーツ局からは、市民のQOL(生活の質)向上とシビックプライドの醸成に向けた施策が報告されました。

【予算規模と組織】
令和8年度一般会計予算は約236億5,000万円。職員数209名で「コベカツ」などの新たな課題に取り組みます。

【主要施策の報告内容】

  • スポーツ振興: 令和8年11月15日に「神戸マラソン2026」を開催。トップアスリートのセカンドキャリア形成調査や、夏休みの体育館無料開放を実施。王子弓道場の再整備や「ワールドマスターズゲームズ2027関西」の準備を加速させます。
  • 文化芸術: 若手アーティスト支援(アトリエ整備等)や、国際チャーター便就航先との交流演奏を実施。第53回神戸まつりではパレードの起点変更やウォーターフロントエリアの活用を図りました。
  • 施設整備と文化財: 新北区文化センター(令和9年10月供用開始予定)、新神戸文化ホール(令和10年6月供用開始予定)の整備を継続。山城の3Dデータ閲覧アプリ導入や、五色塚古墳の多目的広場整備、未指定文化財の「神戸歴史遺産」認定制度を推進します。
  • 図書館・科学館: 新三宮図書館の内装工事(令和10年2月供用開始予定)や、青少年科学館の第3期リニューアルに向けた事業者公募を実施。神戸「本」の文化振興プロジェクトを推進します。
  • 中学校部活動の地域移行: 「KOBE◆KATSU(コベカツ)」を9月から本格開始。大会運営組織の構築や、指導者の資格取得補助、施設利用料の減免支援を行います。

3. 港湾局:世界に選ばれる神戸港と空港機能の強化

港湾局からは、物流の競争力強化とウォーターフロントの魅力向上、空港の国際化に向けた報告がなされました。

【予算規模と組織】
港湾事業会計で収入約299億7,000万円、支出約297億3,000万円。262名の体制で「港都神戸」を牽引します。
【主要施策の報告内容】

  • 国際コンテナ戦略港湾: ポートアイランド(第2期)のPC-13〜17コンテナターミナルが令和8年6月末に全体完成。蔵置能力増強と一体利用による生産性向上を図ります。新港湾情報システム「CONPAS」の導入支援や、大阪湾岸道路西伸部の整備促進も継続します。
  • カーボンニュートラルポート(CNP): 港湾施設のLED化、水素燃料電池を搭載した「環境対応港務艇」の運用開始、荷役機械の脱炭素化を推進します。
  • ウォーターフロント・親水空間: 新港突堤西地区での民設民営マリーナ開業(令和9年度予定)に向けた周辺整備、海軍操練所跡地の展示施設整備、六甲アイランドマリンパークの親水空間整備を実施します。
  • クルーズ・フェリー: 瀬戸内クルーズやフライ&クルーズの誘致を強化。フェリー利用促進によるモーダルシフトの推進を図ります。
  • 神戸空港: 2030年4月の国際定期便就航を目標に、国際チャーター便の受入拡大や第2ターミナル等の機能強化の検討を詳報。RESA(滑走路端安全区域)対策も進めます。

4. 【重要報告】株式会社神戸ウォーターフロント開発機構のあり方について

港湾局より、ウォーターフロントのまちづくりの新たなステージに向けた方針が報告されました。

【報告の要旨】

  • 現状と背景: 同社は「ウォーターフロントグランドデザイン」実現のため再開発やエリアマネジメントを先導。GLION ARENA KOBEの開業やスーパーヨットマリーナ計画により、民間投資意欲は向上し、エリアマネジメントの土壌も整いつつあります。
  • 今後の方向性: 都心三宮再整備、ポートアイランド、空港島との一体的な連携が不可欠な「新たなステージ」を迎え、市の主導による強力な推進体制へ移行するため、同社の解散に向けた検討を開始します。
  • スケジュール: 令和8年6月の株主総会にて解散方針を議案化し、令和9年3月末をもって各事業を終了する予定です。


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