令和8年3月3日 吉田健吾議員が予算特別委員会 第1分科会(交通局)で質疑

現在開会中の予算特別委員会 第1分科会(交通局)において、自由民主党神戸市会議員団・無所属の会の吉田委員が質疑を行いました。
今回の質疑では、人口減少や深刻な運転手不足というかつてない厳しい事業環境に直面している市バス事業について、公営交通が担うべき役割の境界線を問い、民間事業者とのさらなる連携強化の必要性を指摘しました。また、厳しい財政状況が続く地下鉄事業、とりわけ多額の累積赤字を抱える海岸線について、聖域なきコスト削減と構造改革を強く求めました。さらに、運賃収入に依存しない関連事業収益(ノンファーム収入)の抜本的な拡大に向けた資産の有効活用や、これらの改革を実行するための組織風土の変革・意識改革について、当局の覚悟を正しました。

公営バス事業の境界線と民間事業者との連携について

【質疑】吉田委員
現在の市バス事業を取り巻く環境は、人口減少に伴う利用者減に加え、いわゆる「2024年問題」に端を発する深刻な運転手不足に直面しており、これまで通りの運行体制を維持することが極めて困難な状況にあります。このような中、公営交通として市内全域の路線網を単独で抱え込むことはもはや現実的ではありません。公営事業としての経済活動の「境界線」を明確にし、民間バス事業者と無用な競合を避けるべきです。時には路線の移譲や撤退も視野に入れながら、民間事業者と協調・連携して、神戸市全体の公共交通ネットワークをいかに維持していくのか、交通局としての明確な方針を伺います。

【答弁】城南 交通局長
委員ご指摘の通り、交通局単独でこれまでの路線網を維持していくことは非常に厳しい状況にあります。公営交通の最大の使命は、市民の日常生活に不可欠な移動手段を確保することです。今後の路線網の再構築にあたっては、当局の事業範囲に固執するのではなく、民間バス事業者とのダイヤの調整や共同運行の推進、さらには地域の実情に応じた路線の移譲など、あらゆる垣根を越えた連携を強化してまいります。事業者間での最適な役割分担を図ることで、市域全体として持続可能な公共交通ネットワークの維持に努めていく方針です。

地下鉄事業における持続可能性と関連事業収益の拡大について

【質疑】吉田委員
次に地下鉄事業について伺います。中期経営計画を見ても厳しい収支見通しが示されており、人口減少社会において運賃収入の増加だけに頼る経営モデルはすでに限界を迎えています。経営基盤を安定させるためには、駅構内の空きスペースの活用、広告収入の増大、不動産事業の展開など、いわゆる「ノンファーム収入(関連事業収益)」を抜本的に拡大させることが不可欠です。既存の資産をフル活用し、収益を生み出すための具体策をどのように進めていくのでしょうか。

【答弁】田中 担当部長
関連事業収益の拡大は、今後の地下鉄経営において極めて重要な柱であると位置付けております。現在、保有資産のポテンシャルを最大限に引き出すため、駅構内の遊休スペースを活用したポップアップストアの展開や、視認性の高いデジタルサイネージ広告への転換などを進めております。今後は、自局の取り組みにとどまらず、民間事業者の自由な発想や知見を積極的に取り入れ、駅周辺の商業施設等とも連動したこれまでにない新たな価値の創造と、さらなる収益機会の拡大にスピード感を持って取り組んでまいります。

地下鉄海岸線の抜本的見直しとコスト構造の改革について

【質疑】吉田委員
特に関心が高いのが、多額の累積赤字を抱えている「地下鉄海岸線」の経営状況です。現在の極めて厳しい財政状況を鑑みれば、これまでの延長線上ではない「聖域なき見直し」が必要です。今後、車両や設備の更新時期を迎える中で、過剰な仕様のダウンサイジングや徹底した省エネ化、メンテナンス手法の見直しによるコスト削減など、抜本的な構造改革を断行すべきと考えますが、当局の見解を伺います。

【答弁】城南 交通局長
海岸線の経営改善は、交通局にとって最重要課題の一つと認識しております。施設の老朽化に伴う更新投資にあたっては、現状の仕様をそのまま踏襲するのではなく、現在の実際の利用状況に見合った適正な規模へのダウンサイジングを徹底いたします。また、最新の省エネ機器の導入や、メンテナンスの効率化などにより、ランニングコストの大幅な削減を図ります。あらゆる分野においてコスト構造の抜本的見直しを進め、収支の改善に向けた取り組みを強力に推し推めてまいります。

交通局組織の意識改革とチャレンジする風土の醸成について

【質疑】吉田委員
こうした関連事業収益の拡大や抜本的なコスト削減を実行し、新しいサービスを生み出していくためには、交通局という組織そのものの「風土」や「職員の意識改革」が何よりも重要です。これまでの安全・安定運行を第一とする姿勢は当然維持しつつも、前例踏襲主義から脱却し、民間企業との積極的な連携や、若手職員の斬新なアイデアを事業化できるような、変化を恐れずチャレンジを推奨する組織への変革が求められます。局長としての覚悟を伺います。

【答弁】城南 交通局長
ご指摘の通り、これからの交通局には、安全運行を守り抜くとともに、変化を恐れず新たな価値を創造していく組織風土が必要不可欠です。そのために、局内の各部門から若手・中堅職員を集めた組織横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、自由な発想で事業提案ができる環境を整備しております。また、民間企業とのオープンイノベーションを推進し、外部のノウハウを積極的に吸収する取り組みも始めております。失敗を恐れずにチャレンジできる組織文化を醸成し、全庁一丸となって交通局の経営改革と市民サービスの向上に全力で取り組んでいく覚悟です。


人口減少や深刻な運転手不足、さらにはインフラの老朽化など、神戸市の公共交通はかつてない大きな転換期を迎えています。
私たち自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、市民の皆様の「日々の足」をしっかりと守り抜くとともに、時代に合わせた利便性の向上と、将来にわたって持続可能な経営体制の構築に向けて、引き続き市当局に対して具体的な提案と厳格なチェックを行ってまいります。

神戸市:予算特別委員会の会議結果(2026年)

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