令和8年3月9日 平井議員が予算特別委員会 第3分科会(建築住宅局)で質疑

管理不全空き家等への指導強化や越境竹木問題、所有者不明の私道を含むスポンジ化対策、既存マンションの断熱リノベーションを通じた流通促進、さらには2000年基準以前の住宅に対する耐震化支援の拡充など、市民の安全・安心な住環境の確保と地域課題の解決に向けた本市の建築住宅施策全般について幅広く議論されました。この内容について、当会派の平井 真千子委員が質疑をおこないました。

1. 管理不全空家等への指導強化について

【質疑】 平井 委員
令和5年12月に改正空き家特措法が施行され、本市でも令和6年6月に条例改正を行い、そのまま放置すれば特定空き家となる恐れのある管理不全空家等に対して勧告が可能となった。これまでの指導実績と現状、また令和8年度から勧告対象を約300件に拡大する考え方と、今回の指導強化によって未改善の案件がどの程度改善に向かうと見込んでいるのか市の見解を伺う。

【答弁】 今井 部長
これまで特定空き家・管理不全空家に対する指導数は264件、勧告数は25件となっている。改善が見られない空き家が蓄積しており、今後発生するものも含め令和10年度までに約300件程度が勧告対象になると考えている。周辺環境への悪影響を早期解消するため、令和8年度から体制を強化し、複数年にわたる集中指導を行う。勧告により住宅用地特例が解除され固定資産税が上がることから一定数の改善が見込めるほか、所有者による自主改善を促す支援も併せて行い、改善に繋げていきたい。

【意見】  平井 委員
これまでも条例に則って対応されてきたと思うが、指導を繰り返しても何年も改善の兆しがない案件もあるため、より厳しく勧告へ進むなど一歩踏み込んだ対応をお願いしたい。

【質疑】  平井 委員
擁壁が崩れているなど宅地造成工事規制区域内の指導が適切な案件は建設局が所管することになるが、所管が分かれることで対応状況が分かりにくくなる。建設局との連携についてどのように取り組むのか伺う。

【答弁】 今井 部長
擁壁に関する相談は建設局が対応する役割分担となっているが、危険な空き家が関わるケースでは、お互いに情報共有し、連携して対応している。

【要望】  平井 委員
建設局に所管が移ったからといって指導強化の対象から外れるのではなく、適切に状況を把握しながら進めていただきたい。

2. 越境竹木への対応について

【質疑】  平井 委員
令和5年4月施行の改正民法により、一定の条件のもとで越境された側の土地所有者が自ら枝の剪定や伐採を行うことが可能となった。市としての周知や相談対応、また地域住民が自ら改善に取り組む場合の後押しについて伺う。特に費用負担の補助制度の利用が少ないと聞いているが、その状況と周知について見解を伺う。

【答弁】 今井 部長
通報者へは切り取りルールなどの情報案内や無料法律相談の紹介を行っている。令和7年度からは通報者宅へ直接情報提供するポスティング等も行う。補助制度については、令和5年度は所有者不明の場合の切り取り費用補助を創設し1件の利用があったが、令和6年度以降は財産管理制度を積極的に活用して新所有者による適切な管理を図っているため利用実績がない。また、令和7年度からは自ら解消手続きを取りたい方へ法律相談費用の補助を実施しており、令和8年2月時点で11件の問い合わせを受けている。

【意見】  平井 委員
財産管理制度の活用も大いに進めていただきたいが、里山や雑木林のような場所は売却に繋がりにくく、隣地の方が自ら枝の切除をするしかない深刻なケースも多い。

【要望】  平井 委員
制度を知らずに自費で切ってしまっている方もいるため、法律相談の案内に加え「費用負担について支援できることもある」という旨を神戸市のホームページ等に併記し、支援制度の周知にさらに努めていただきたい。

3. スポンジ化対策について

【質疑】  平井 委員
長田区などで開発事業者が所有したまま放置され、所有者不明となっている私道が残っている。建築住宅局として直接道路としての解消策を講じることは難しいと理解しつつも、空き家対策で培った知見を活かし、建設局などと連携してどのような対応策が取りうるか見解を伺う。

【答弁】 今井 部長
所有者不明の道路や通路は単独での活用や売却が難しいため、建築住宅局としては財産管理制度の活用には慎重にならざるを得ない。しかし、地域の課題になり得ることは理解しており、造成経緯を踏まえた全庁的な議論が必要と考えている。今後、市として解決を試みる場合には、空き家対策で培ったノウハウを提供し、地域課題解決の一助となりたい。

【要望】 平井 委員
丸山プロジェクトのような地域を区切って課題解決を図る取り組みの中で、各局が連携して解決策のパッケージを発見し、必要な場面で問題を提起して改善に進めていただきたい。

4. マンションの流通事業「見せリノベ」について

【質疑】  平井 委員
民間事業者がマンションを買い取り、断熱リノベーションの過程や成果を公開する「見せリノベ」事業について、令和7年度の実施状況と成果を伺う。

【答弁】 根岸 局長
令和7年度は3事業者が参加し、東灘区、須磨区、垂水区にある築40〜50年の団地やマンションで実施した。工事見学会には123名、完成見学会には112名が来場し、断熱化を通じた質の向上への意識啓発に繋がった。見学会に参加した事業者からも新たに断熱リノベに取り組みたいとの声があり、波及効果が期待できる。

【質疑】  平井 委員
ファミリー世帯向けの住宅供給が少なく、買い物や交通が便利な兵庫区や長田区などの既成市街地でこそ、こうした取り組みが有効ではないかと考えるが、いかがか。

【答弁】 根岸 局長
ご指摘の通り、兵庫区や長田区など生活利便性が高いエリアで既存マンションの質を向上させ、子育て世帯の居住ニーズを受け止めることは重要。令和8年度は地域に根差した地場の事業者など幅広く働きかけ、多様なエリア・物件の事例を増やして流通促進に取り組みたい。

【要望】  平井 委員
事業者は販売価格を高く設定できる地域で実施したいと考えるかもしれないが、神戸市全体の政策ニーズに沿った地域での取り組みとなるよう方向性を整えていただきたい。

5. 2000年基準以前の住宅の耐震化について

【質疑】  平井 委員
令和8年度より、新耐震基準であっても2000年基準(平成12年以前)より前に建築された住宅について、新たに耐震化支援の対象に拡大される。この対象拡大の背景や考え方と、新たに支援対象となる約7万戸の所有者への周知等の取り組みについて伺う。

【答弁】 中川 部長
熊本地震や能登半島地震において、2000年基準より前に建てられた木造住宅の2割弱に倒壊や大破の被害が見られ、耐震性能が十分でない可能性が指摘された。国の方針改正も踏まえ、本市でも対象を拡大し、在来軸組工法の木造住宅(2階建て戸建て、長屋、共同住宅)約7万戸を想定して支援を行う。周知については、ホームページ、広報紙「KOBE」、自治会の掲示板、デジタルサイネージ、区役所でのチラシ配布などによりしっかりと啓発を図る。

【要望】  平井 委員
2000年基準は一般市民にはほとんど知られておらず、自分の家が該当するかの判断も難しいため、まずは耐震診断が必要となる。対象数が非常に多いが、確実にご利用いただけるよう今後の取り組みに期待している。


自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、空き家や老朽化マンションの問題、さらには見落とされがちな新耐震基準住宅の安全確保など、複雑化する住宅課題から決して目を背けません。市民の皆様の財産と命を守るため、現場のニーズに即した効果的な制度設計と確実な周知・支援を推進し、持続可能で誰もが安心して住み続けられる神戸のまちづくりに全力で取り組んでまいります。


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