分譲マンションの管理状況の届け出義務化に伴う支援策や、市営住宅跡地の計画的な有効活用、空き住戸を若年ファミリー向けに活用する取り組み、さらには全国トップクラスの実績を持つ財産管理制度を活用した空き家・空き地対策など、既存ストックの活用と適正管理を通じた都市の魅力向上について議論が行われました。この内容について、当会派の吉田 健吾委員が質疑をおこないました。

1. 分譲マンションの管理状況の届け出について
【質疑】 吉田 委員
令和8年7月から管理状況の届け出が義務化されるが、単に届け出を求めるだけでなく、管理組合自らが課題改善に繋げる意識醸成が重要である。制度の趣旨や内容をどのようにわかりやすく周知していくのか、具体策を伺う。また、これまで任意制度下で届け出がなかったマンションに対して、どのような支援策を講じていくのか。
【答弁】 根岸 局長
市内の全マンションを対象としたダイレクトメールや納税通知書へのチラシ同封のほか、広報紙や駅のデジタルサイネージでの周知、マンション管理業協会を通じた働きかけを行う。未届けマンションについては、すまいるネットの専属職員増員や専門家派遣の広報強化、届け出作成マニュアルや動画の公開、区役所等での出張サポートを実施する。さらに、届け出がないマンションには職員が現地を訪問するなどのプッシュ型支援も検討している。
【要望】 吉田 委員
義務化により負担を強いることになるが、安全安心のために管理組合にしっかりと寄り添い、理解促進と手厚いサポートを進めていただきたい。
2. 市営住宅跡地の有効活用について
【質疑】 吉田 委員
市営住宅の再編・解体により生じた跡地は、市民の貴重な財産であり有効活用が求められる。平成29年に廃止された灘区の桜が丘住宅や、長田区の番町などの市街地にある跡地の現状と、今後の活用の見通しについて伺う。
【答弁】 田中 部長
桜が丘住宅については、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の防災対策工事を優先し、今年2月に完了した。現在は解体に向けた大型重機の進入路等の調整を行っており、時間を要しているが早期売却に向けて取り組んでいる。長田区については、番町住宅などにおいて解体工事と境界確定等の準備を進めており、最も早く入札に出せる番町住宅21号棟跡地は令和8年度内の入札を予定している。引き続き計画的な有効活用に取り組む。
【要望】 吉田 委員
桜が丘住宅については、学校に対する配慮の必要性は理解するが、跡地の活用方針やスケジュールを教育委員会とも早急にすり合わせ、道筋を早くつけていただきたい。良質でちょうどいい住宅の供給という神戸市の大方針に沿った形での提供を要望する。
3. 市営住宅の民間賃貸住宅としての活用について
【質疑】 吉田 委員
市営住宅の空き住戸を民間事業者がリノベーションし、若年ファミリー向け賃貸として活用する取り組みについて、昨年9月の公募では申し込みがゼロであった。どのような課題があったと認識し、次回の公募に向けてどのような見直しを行うのか伺う。また、東部エリアだけでなく、全市展開することで多様な居住ニーズに対応すべきと考えるが、対象住戸選定の考え方を伺う。
【答弁】 福島 副局長
参加表明した事業者へのヒアリングの結果、国の補助金申請時期とのズレや提案書作成期間の短さが課題であった。次回は補助金申請に間に合うよう公募時期を前倒しし、期間に余裕を持たせる。全市展開については、交通・生活利便性など多様なニーズに対応できる可能性がある一方、事業者が参入しやすい住戸選定も不可欠である。本来の目的に支障のない範囲で、居住ニーズと事業者意向のバランスを取りながら、可能な限り積極的な展開を図りたい。
【要望】 吉田 委員
事業者が参入しやすいという視点だけでなく、神戸市としてファミリー層を増やしたい地域(兵庫区や長田区など)において、どのようにすれば事業者に参入してもらえるかという民間視点を取り入れ、市の思いを遂げられる施策展開にしていただきたい。
4. 空き家空き地対策における財産管理制度の活用について
【質疑】 吉田 委員
所有者不明の空き家・空き地に対して、令和6年4月に特命チームを設置して財産管理制度を積極的に活用しているが、これまでの活用実績と効果、また多額の予納金などの財政負担とその評価について伺う。
【答弁】 今井 部長
特命チーム発足後、令和8年2月末までに118件の申し立てを行い、うち45件で売却が完了し、空き家の解体や土地活用に着手するなど着実な効果が出ている。一方で、価値の低い物件が多く、接道条件が悪く解体費が嵩む案件では予納金が1000万円を超える事例もあるなど予納金が返還されないケースが多い。しかし、放置すれば行政代執行が必要となり新たな問題も生じるため、一定の財政負担が生じても早期解消を図ることは長期的には見合う効果があると考えている。
【質疑】 吉田 委員
財政負担の軽減が進めばさらに活用が広がると考える。市長会見でも言及されていた、供託金を市町村が活用できる仕組みの国への要望内容と、実現した場合の効果について伺う。
【答弁】 今井 部長
本市では都心部の高額売却事例により累計1億4000万円以上の供託が行われているが、これらは10年後に国庫帰属され、市には還元されない。国に対し、将来ほぼ確実に国庫に帰属される供託金と同額を市町村に拠出する財政支援を要望している。これが実現すれば、各自治体で予納金が確保でき、高額な解体案件にも着手しやすくなると考えている。
【要望】 吉田 委員
財産管理制度の活用実績を着実に積み上げるとともに、多大な財政負担を軽減し未然に防ぐため、国に対する制度改善の要望をさらに強めていただきたい。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、放置された空き家や未利用の市有地といった「負の遺産」を、次代の神戸を担う若者や子育て世帯のための「価値ある資源」へと転換させるべく力強く推進してまいります。市民の皆様の大切な財産を守り、地域の活力を引き出すダイナミックな住環境政策を通じ、魅力あふれる持続可能な神戸の実現に邁進いたします。


