神戸空港の機能強化(第2ターミナルの拡張、旅客利便性向上、商業・飲食店舗の充実)、国際線を含めた今後の空港運営の在り方(コンセッション方式の検証と市の収入最大化)、臨海部における内水氾濫・冠水対策と防潮鉄扉のDX化(遠隔操作化)、ウォーターフロントにおける民間投資の地元産業への波及(スーパーヨットのメンテナンス等)、および海軍操練所の遺構展示施設と開港160年祭の連携について質疑をおこないました。この内容について、当会派の村上立真委員が質疑をおこないました。

1.神戸空港の機能強化
村上委員 2025年4月の第2ターミナル開業や国際チャーター便の順調な運航に至る関係者の尽力を評価する。その上で未来を見据え、昨年度の補正予算に計上したターミナル拡張や国際線の在り方について、現在の検討状況を伺いたい。
港湾局 現行のターミナルは2030年の定期便化には余力が不足するため、南側エプロンに向けてビルを拡張し、ボーディングブリッジの設置を検討している。現在は動線や保安、手荷物受取機能の配置などを検討しているほか、他空港の事例調査やPFI法など関係法令の整理を進めているところだ。
村上委員 機能強化に関連してさらに伺いたい。まず基本計画策定におけるパブリックコメントなどの手続きやスケジュール感はどうなっているか。次に、以前から話題に上がる第1ターミナルとの接続はどうするのか。そして商業施設や飲食、ラウンジ以外に旅客利便性の観点で考えていることはあるか。
港湾局 利便性の観点では、神戸特有の事情としてゴルフ利用客が多いため手荷物受取能力の増強を考えているほか、国の指針も参考にトイレの待ち時間短縮や快適性向上に取り組む。パブリックコメントは年内に基本計画案を取りまとめて手続きを進めたい。一方、第1ターミナルとの接続は設備系統や構造上の課題があり、2030年時点では困難なため、まずは国際定期便の受け入れに必要な機能の確保を優先する。
村上委員 保安検査後エリアの店舗は充実してきたが、第2ターミナルの1階ロビーや2階にはまだ活用可能な余白がある。来訪者や空港職員の利便性向上のためにも、保安検査前エリアの飲食店をさらに充実させるべきだと考えるが見解を伺いたい。
港湾局 1階ロビーの左手は11月からの免税制度変更に対応するリファンド端末の設置場所とし、右手には要望の多い飲食店を誘致すべく早期に事業者公募を行いたい。残る2階エリアについても、1階を整えた後に意見を聞きながら利活用を進めていく考えだ。
村上委員 神戸空港の国際線はアウトバウンドの弱さが課題でもあるため、ターミナル自体の魅力を高めて海外旅行への需要を喚起する意味でも、ぜひ早期の充実をお願いしたい。
2.神戸空港の運営
村上委員 国際線を含めた今後の神戸空港の運営について、どのような範囲で検討しているのか伺いたい。第2ターミナルも関西エアポートによるコンセッションを前提とするような流れだったが、指定管理よりコンセッションが本当に優位なのか、また他事業者の参入も検討範囲に含まれているのか。
港湾局 現在の第1ターミナルは2060年まで関西エアポート神戸が運営し、運営権対価(年4.45億円)と収益連動負担金を市に支払う契約となっている。全国約20空港の事例をヒアリング調査中であり、コンセッションが真に優位か否かも含めて法務・財務面から慎重に検討する必要がある。なお、仮にコンセッションを導入する場合は空港の一体運用が必要となるため、現事業者である関西エアポート神戸との協議が自然な流れだと考えている。
村上委員 第1ターミナルの運営権対価は、関空・伊丹と旅客あたりで比較すると安すぎる。また民間投資を誘発するための負担金免除制度(26億円超の投資)も未活用であり、市が大型投資を行っても運営会社の負担が比較的小さい構造になっている懸念がある。今後コンセッションに移行する際は、市の投資に見合った収入を最大化できるよう、旅客増の恩恵を市が直接享受できる仕組みなどを含めて検討してほしい。
港湾局 市や市民がメリットを享受できる仕組みは重要だと認識している。対価を旅客数や収益に連動させる「プロフィット・ロスシェアリング」の考え方や、利便性向上に資する民間投資の組み込みなどを念頭に置き、市民や市へ恩恵が還元される仕組みを検討していく。
村上委員 関空・伊丹や他空港では収益連動負担金に便数が反映される「認定収益」を用いているが、神戸空港は会社法上の営業収益を基準としている。第1ターミナルの契約内容を細部まで検証し、第2ターミナルでは市の投資に見合った十分な収入が得られる設計にするよう要望する。
3.臨海部の冠水対策
村上委員 津波や高潮への対策は進んでいるが、近年多発するゲリラ豪雨などによる内水氾濫や冠水について、臨港地区の被害をどう想定しているか。また、排水対策などの検証や追加整備の必要性はあるか。
港湾局 千年に1度の大雨と高潮が重なる最悪のシナリオを前提とした浸水ハザードマップを2025年度末に公表している。内水氾濫対策としては雨水を海へ流すポンプ場が重要であり、老朽化した施設を順次更新している。2025年度に着手した大輪田ポンプ場では排水能力を2割増強するなど、国の新基準に沿って機能更新と維持管理を進め、被害低減に努める。
村上委員 防潮鉄扉の閉鎖を一部委託している民間事業者では、人手不足や働き方の変化から従来の体制維持に限界がある。これまで進めてきた自動化や遠隔操作化の実情を改めて検証し、災害時に余裕を持って対応できるよう、より実効性のあるDX化を進めるべきではないか。
港湾局 閉鎖体制の確保が困難だった78基の遠隔操作化は2024年度に完了した。しかし、近年の訓練でも従業員の高齢化などにより体制確保に苦慮する声が出ている。委託企業を取り巻く環境の変化を踏まえ、早急にヒアリングを行って実情を検証し、万全な防災体制を維持できるよう積極的に取り組む。
村上委員 実効性のある体制を構築してもらいたい。
4.ウォーターフロントのまちづくり
村上委員 ウォーターフロントの再開発において民間投資が進んでいるが、その投資効果をさらに広げるためにも、市として民間のビジネス機会の創出や拡大に積極的に取り組むべきではないか。
港湾局 再開発効果をビジネス機会へ広げることは重要である。現在、交流人口や市内消費の拡大、空飛ぶクルマ等の新技術の実証フィールドの提供、寄港するスーパーヨットへのメンテや食料調達など市内産業との連携、という3つの視点で取り組んでいる。今後も新たなビジネス機会の創出と市内経済の好循環をめざす。
村上委員 投資効果を地元産業へ波及させるため、経済観光局とも連携したビジネスマッチングが必要である。例えば、神戸市内に多くある造船所を活用し、スーパーヨットのメンテナンス等を手がける可能性を探れないか。
港湾局 今年5月に寄港したスーパーヨットでは11日間で約1,600万円の消費があり、船のメンテナンスや資材調達など幅広い経済効果を確認している。特殊な構造ゆえ長期ドックでのメンテナンスにはハードルがあるが、日常的な資材調達や停泊中の船内補修などには地元企業も関心を示しており、すでにマリーナ事業者とのマッチングを進めている。経済観光局とも連携して市内企業の参入拡大を図る。
村上委員 オーナー個人の消費には限界があるため、市内へ経済波及させるにはメンテナンス需要の獲得が重要である。高度な技術や設備が必要となるため、スーパーヨットを上架できる設備整備への支援(国の支援活用や市独自の支援)、連携協定先のマルセイユ港やマリーナ事業者関係のモナコなど海外から高度な技術を学ぶ機会の提供、の2点について市のネットワークを生かして検討してほしい。
5.海軍操練所遺構展示施設の整備と活用
村上委員 海軍操練所の遺構展示施設が開港160年の節目にオープンすることは大変意義深い。まず、どのような展示になる予定か伺いたい。また、開港150年の際と比べると今回は行政主導の大規模な事業展開は難しいため、民間の力を借りたいと考える。本施設との連携に意欲的な民間事業者もいると聞くが、コラボ商品などを展開して施設や開港160年の効果的なPRにつなげてはどうか。
港湾局 歴史愛好家だけでなく市民や観光客が訪れる施設を目指し、現在、展示や運営手法について事業者にヒアリングを行っている。現地では石積み防波堤や出土品などの本物を体感してもらい、詳細な歴史的ストーリーは近隣の海洋博物館や市立博物館と連携して説明する案や、景観の工夫、案内機能の付加といったアイデアが出ている。また、コラボ商品についても地元企業等から意欲が示されており、開発や販売手法の具体的検討を進めている。広く市内企業からコラボを募る広報も検討し、ウォーターフロントの新たな集客コンテンツとして生かしていく。
村上委員 ぜひ進めてほしい。あわせて1点要望したい。英国の王立紋章局に作成してもらった神戸港の紋章は非常に洗練されているが、開港150年の際には十分に浸透しなかったと感じている。大変立派な紋章であるため、開港160年を契機にぜひ再活用してほしい。
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