狭隘道路の解消に向けた寄附受けの促進、公園等における分煙施設の適切な設置、木陰やスマートシェードを活用した高温常態化対策、および自転車の利活用推進と走行空間の整備について。この内容について、当会派の平井真千子委員が質疑をおこないました。

狭隘道路の解消について
【意見】平井委員 市内には依然として狭隘道路が多く残されており、災害時の緊急車両や介護車両の進入の妨げとなること、また火災の延焼防止などの観点からも、その解消に取り組むべきであると指摘しました。このことは議会においても繰り返し質疑が行われてきたところです。
【質疑】平井委員 狭隘道路の解消のため、セットバック部分について所有者からの寄附受けによる適切な管理が必要となるが、令和6年度に何件寄附を受けた事例があるのか、現在の取組状況を質疑しました。
【答弁】武田建設局副局長 新築や建て替えの際に沿道で敷地のセットバックが必要となる場合、セットバック部分を寄附していただき公道化することに取り組んでいる。公道化されることで道路幅員が将来的にも担保され、土地所有者の管理義務の負担が解消されるとともに、花壇などの支障物についても適正な管理が可能となる。令和7年度の実績として4件の寄附を受け付けている。個人からの寄附の場合、所有者の負担軽減を図るため、分筆図作成、所有権移転登記、道路台帳平面図作成、舗装整備等の費用を市が負担しており、引き続き公道化の促進に向けて取り組む。
【意見】平井委員 様々な補助制度を活用して進めながらも年に4件ということで非常に少なく、市内全域の狭隘道路の解消にしっかり前進している状況とは言えないと指摘しました。
【再質疑】平井委員 所有者からのセットバック部分の寄附を促すため、セットバックの必要性や公道移管のメリットについて積極的に周知すべきである。過去の答弁では、建築確認申請の手続のときに詳しく住民に説明や案内をして周知を図るとあったが、現状では実際にそのような周知ができているのか質疑しました。
【答弁】澁谷建設局道路管理課長 現在、市のホームページや建築住宅局と連携し、建築確認申請の手続で相談があった等には窓口として建設局を案内する運用にしている。さらに、公道移管の仕組みやメリット、支援内容等について分かりやすくまとめたリーフレットの作成を進めており、これらの資材を活用しながら寄附制度の周知に今後も努めていく。
【要望】平井委員 現在リーフレットを作成中ということで、現時点では建築確認申請時の案内が十分にできていないのではないかと思うが、積極的に取組を前に進めていただきたい。セットバックして公道にしていきたいという市民の関心は決して低くなく、適切な案内と補助があれば事例は増えていくはずである。各局が所管する中で全市的に積極的にできていない状況があるため、今後の進め方についてしっかりと考えていただくよう要望しました。
分煙施設の設置について
【意見】平井委員 神戸市では全域でぽい捨て禁止、路上喫煙についても禁止区域を指定するなど対策を進めているが、道路や公園などの不特定多数が集まる場所では依然として喫煙による被害が見受けられる。国においても受動喫煙対策を進めるため、総務省から市区町村に対して分煙施設の整備を積極的に進めるよう通知や事務連絡が継続的に発出されている。神戸市では全ての公園において県の条例を理由に全面的に喫煙を禁じているが、条例では屋外喫煙区域は設置可能としている。規模が大きく、地域住民のみならず施設利用者や観光客等、不特定多数が集まる公園においては、望まない受動喫煙を防止するために分煙施設があったほうがよい場合も当然あると指摘しました。
【質疑】平井委員 公園の利用の在り方などによって柔軟に、適切に分煙施設を設置すべきと考えるが、見解を質疑しました。
【答弁】奥野建設局公園部局長 公園を含む町なかでの喫煙が見受けられ、喫煙対策は必要であると考えている。神戸市内の公園は兵庫県の条例に基づき禁煙としているが、条例では分煙を担保するために一定の基準を満たした分煙施設の設置は可能とされている。例えば大規模公園で多数の来場者があるイベント等においては、主催者等により仮設の分煙施設を設置している場合がある。しかし、分煙施設は公園本来の施設ではないことや、公園利用者への影響を考慮し、設置については慎重な判断が必要と考えている。今後、全市的な喫煙対策も踏まえながら、分煙施設の設置可能性について関係部局と連携を図っていく。
【意見】平井委員 全ての公園で禁煙というのは健康づくりに資する施設として基本であり、神戸市が厳しく遵守しているのは非常に良いことである。ただ、条例の中で分煙施設を適切に設けることは担保されており、兵庫県管理の公園でも臨時ではなく公園の施設として設けられている例が多くある。神戸市はイベント時の臨時対応はしているが、そのほかについては厳しく運用し過ぎている印象を持っている。総務省の通知でも公園は適切に分煙施設を整備すべき場所として例示されている。ぽい捨てがない環境が望ましいため、公園管理者として積極的に考えていただきたいと指摘しました。
【再質疑】平井委員 再整備中の王子公園について、分煙施設の設置を検討すべきではないか質疑しました。
【答弁】奥野建設局公園部局長 王子公園は総合公園として規模も大きく、市内外から多数の利用者が訪れる公園である。国の通知や県の対応は認識しているが、公園利用者への影響を考慮し、分煙施設の設置については現時点では慎重な判断が必要と考えている。再整備後の王子公園内での分煙施設の設置可能性については、全市的な喫煙対策の中で関係部局と連携を図っていく。
【要望】平井委員 環境局などが整備するために占用許可を出すという対応では公園とは別の管理が生じ、非常に非効率であり、進まない理由の1つになっているのではないか。全ての公園に必要だとは思わないが、王子公園のような観光やレジャー施設の色合いが濃い場所においては、公園の管理者として検討されたほうがよい。条例や総務省の通知に基づき、しっかりと検討を進めていただきたいと要望しました。
高温常態化対策について
【意見】平井委員 近年、夏季の高温が常態化し、熱中症対策や市民が安心して過ごせる快適な公共空間の確保がこれまで以上に重要となっている。本市では、東遊園地や磯上公園等におけるミストやクールベンチの稼働、スマートシェードの設置など、民間企業と協働しながら対策の研究・実証に取り組んでいると認識している。また、街路樹や公園の緑陰、パーゴラを組み合わせた日陰の創出、環境に配慮した木質系舗装の活用など、暑熱環境の改善に向けた様々な手法を試みていると指摘しました。
【質疑】平井委員 これまで実施してきたスマートシェードや木質系舗装等の実証運用について、その効果をどう検証されているのか質疑しました。
【答弁】原建設局長 神戸市では、上からの日差しを遮ること、下からの熱を抑えること、空気・体を冷やすことの3つの柱で対策を進めている。熱をためにくい木質系舗装への転換や水盤の設置、微細ミストやクールベンチの設置を行っている。環境省のガイドラインでも最も効果があるとされる日差しを遮る対策として、木陰プロジェクトとともにスマートシェードの設置を進めている。神戸大学とともに効果測定を行った結果、いずれも一定の温度低減効果が認められ、特に日差しを遮る対策では体感温度で最大約7度の低下を確認している。昨年から設置しているスマートシェードは信号待ちの方に非常に多く利用されており、町なかの暑さ対策として非常に有効であると実感している。今後も歩行者の多い交差点を中心に、木陰の確保やスマートシェードの設置を進め、他の対策と複数組み合わせながらより効果的な対策を実施していく。
【意見】平井委員 これまでの取組に効果があるということなので、できるだけ都心部を中心に行っている対策が全市に広がっていくことを期待している。一方で、木陰プロジェクトについては、木を植えてすぐ木陰が大きくなるわけではないため涼しさを感じないという意見や、落ち葉に対する苦情の原因になる面もあり、必ずしも評判がよいものではないと感じていると指摘しました。
【再質疑】平井委員 木陰プロジェクトについて、どのように効果を検証して今後も進めていくのか質疑しました。
【答弁】奥野建設局公園部局長 木陰は地表面温度の上昇抑制、体感温度の低下、蒸発散による周辺気温上昇の緩和といった効果があり、その役割は重要である。こうべ木陰プロジェクトとして、歩行者が滞留する場所に樹木を植え木陰の創出を行っているほか、既存樹木についても木陰をつくる樹冠の拡大を目的として土壌改良を行っている。2023年度以降、約32本の植樹と既存樹木31本の土壌改良を行った。現時点では樹木が小さいため、今後の成長に合わせて木陰の利用状況等の確認を行っていく。今年度から旧居留地の中町通りで連続的に植樹を行い、三宮中央通りでも引き続き土壌改良を行う予定であり、計画的に木陰の拡大を図っていく。
【意見】平井委員 景観の創出からも意味のある取組であるが、町なかの交差点に木を植えるような場合、土壌改良ができない場所もある。木の生育具合や住民の反応を見ながら、木陰がよい場所もあればパーゴラなどの構造的な日陰のほうがよい場所もあるため、市民にとって何が快適かをしっかりと検証しながら進めていただきたいと指摘しました。
【再質疑】平井委員 公園のパーゴラの屋根や天井の老朽化により日陰として機能していない既存施設を生かしながら追加的な日よけ対策ができないか。また、夏場に鉄製遊具が高温になり子供が利用できない問題について、商業施設や保育施設のようにタープやシェードなどを活用し、遊具の場所だけでも暑熱対策や日よけの設置などの環境づくりを進める必要があると考えるが、見解を質疑しました。
【答弁】山本建設局公園部部長 公園の高温常態化対策も必要であると考えており、多くの公園であずまややパーゴラを設置してきたが、老朽化したものも多いため屋根の補修や建て替え、新設を進めている。既存構造の活用については、パーゴラの傷んだ天井部分のみを取り替えるなどの対応を今後検討していく。遊具の熱さ対策については、日射の影響を考慮した設置方向とすることや、更新に合わせて金属製から樹脂製へ変更する対応を行ってきた。大型遊具の上のタープ設置やパーゴラの上のよしず設置、遮熱塗料の塗布などの他都市や商業施設の事例については、その効果や耐久性、維持管理体制について引き続き研究・情報収集していく。今後も公園内の日陰確保や遊具の熱さ対策に努め、安心して過ごせる公園環境の整備に取り組む。
【要望】平井委員 昨年も各局に暑熱対策を質疑し、体育施設の夏休み開放など様々な配慮が進んでいるのは良い動きである。身近な公園についても夏の間活用する方法を検討していただきたい。全ての公園にタープを設置するのは管理上大変であることは想像がつくため、各区の基幹的な公園や大規模な公園などを中心に対策を検討いただくよう要望しました。
自転車の利活用について
【意見】平井委員 道路交通法の改正に不安を覚えている市民への対応や、来街者に神戸の新たな魅力を発信するためにも、自転車関連施策はより一層推進すべきである。神戸市は令和7年11月に自転車利活用推進本部を設置し、「はしる」「とめる」「いかす」の3つの柱で施策を推進していると指摘しました。
【質疑】平井委員 本部設置から約1年を迎える今、これまでにどのような取組を実施してきたのか、また今後は「はしる」「とめる」「いかす」の各分野でどのような目標を設定し、どのような状態を実現しようとしているのか見解を質疑しました。
【答弁】原建設局長 誰もが安心・安全・快適に利用できる自転車利用環境の創出を目指し、昨年11月に副市長を本部長とする自転車利活用推進本部を立ち上げた。有識者にも参加いただき、3つの柱ごとに課題抽出や施策の方向性を議論している。並行してポートアイランド等での駐輪場の新設・増設や、神戸駅周辺の矢羽根型の路面標示の年内着手に向けた協議を行っている。今後の目標として、「はしる」では幹線道路での自転車道設置による空間分離や、生活道路での矢羽根型の路面標示による走行位置の明確化と自動車への啓発を行う。「とめる」では子供乗せ型自転車の受入れ環境充実や、ビッグデータを活用した需要把握による駐輪場の増設、次世代型自転車ラックの導入を図る。さらに商店街等と連携した駐輪場の在り方検討や、放置自転車対策を強力に推進する。「いかす」ではウォーターフロントでのシェアサイクル拡充や神出山田自転車道のイベント実施により、魅力創出や回遊性向上を行う。施策を確実にするため「自転車利活用推進戦略」を年度内に策定し、具体化に向けた直近5か年の実行計画を定め、全体像をお示しする。
【意見】平井委員 市民相談で一番多いのが自転車に関することであり、目標をしっかり設定して結果を出していただきたいと指摘しました。
【再質疑】平井委員 令和8年度予算で計上されている大開通りや灘浜・脇浜線などの主要ネットワーク路線の自転車道整備において、塗装によるレーン分離ではなく、構造で歩行者・自転車・自動車を分離する自転車レーンの整備をしっかり実現していただきたいが、いつまでに完了できる見通しか質疑しました。
【答弁】武田建設局副局長 大開通りにおいては、自転車レーンでの駐停車により使いにくいという課題があったため、歩道内で分離して自転車道を造る社会実験を行い結果が出ている。現在その概略検討を進めており、今後速やかに地域の方と共有し、了解が得られれば警察と協議して速やかに着手していきたい。
【再質疑】平井委員 放置自転車の撤去だけでなく、放置されにくくする対策にも力を入れてほしい。再整備案を策定中の新長田駅前について、現状は人が通りたい動線の上に迷惑駐輪がされている。再整備を機会に歩行者動線の舗装の色分けや、心理的に止めにくいと思わせるデザインを検討すべきである。駐輪場の整備と同時に、駐輪場へしっかり誘導しながら放置をなくしていく知見を生かしていただきたいが、いかがか質疑しました。
【答弁】武田建設局副局長 新長田駅前の再整備を検討している都市局と十分連携し、駐輪場の機能の見直し等について検討を始めている。新長田は駐輪スペースが多くあるにもかかわらず使われていないという需要と供給のミスマッチがあるため、機械式駐輪場などを導入し夜間や短時間でも利用しやすくすることで放置を減らすことを考えている。また、ピクトグラムを用いた分かりやすい案内やデザインラックを設置して整然と並べることで、公共空間の質を高め、景観と歩きやすさの向上につなげたい。
【要望】平井委員 広場の再整備案をデザインする専門家は日常的に駅を利用しておらず駐輪の困りごとを想定してデザインしているわけではないため、局のほうでしっかりと意見を出していただきたい。また、熊の出没などで奥山・里山への関心が高まる中、神戸市が「森の未来都市」として森林政策を非常に頑張っていることが市民に知られていないため、市民の理解を得ながらしっかりと進めていただきたいと要望しました。



