令和8年10月1日 決算特別委員会 第2分科会(水道局)【平野 達司委員による質疑】

宅地内(空き家等)の給水管からの漏水対策、湧水情報の建設局との情報共有による道路陥没等の防災対応、スマートメーターの導入に向けた検討状況と政令指定都市間の連携、烏原貯水池(土木遺産)の管理と地域連携による見学等の活用、および神戸市を中心とした水道事業の広域連携の推進について見解を求めました。この内容について、当会派の平野達司理事が質疑をおこないました。

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1.老朽給水管からの漏水対策

平野理事 鵯越町の空き家集合住宅で、湧き水と思われていた水がメーター上流の給水管漏水だった事例があった。給水管は所有者責任だが、特に山麓部の空き家などでは放置されやすく、発見が遅れれば貴重な水道水が無駄になり水道局の収益にも悪影響を及ぼす。居住者不在や所有者不明のケースを含め、給水管の老朽対策に今後どう対応していくのか尋ねる。

水道局 メーター上流の漏水は放置されやすく、安全上の観点から水道局が緊急修繕することもある。山麓部や空き家の漏水対策として、HPや検針票、SNSを通じた宅地内漏水の早期通報の呼びかけや、水道条例に基づく配水管分岐部からの給水管切り離し制度の活用を進める。また、鉛製給水管の取替え啓発時の通報依頼や、2か月ごとのメーター検針時の空き家周辺確認により早期発見に努める。

平野理事 市民には湧き水か漏水かの判断がつかないため、水が出ていれば通報するよう広報することが重要だ。次に防災の観点から尋ねる。市民通報で現地調査した結果、漏水ではなく湧水・地下水と判明するケースも多いと聞く。建設局からは道路陥没防止のために情報共有したいとの答弁があったが、水道局としても把握した湧水情報を建設局へ積極的に提供し、防災に貢献できないか見解を求める。

水道局 通報時は残留塩素を測定して判断しており、水量が多い場合は建設局に共有することもあるが、現状では微量な漏水や全ての湧水情報を共有するには至っていない。なお、建設局の路面下空洞調査には水道局も費用負担等で協力している。局横断の情報共有は重要と認識しており、道路陥没防止や道路管理の効率化に役立つ情報について、今後も建設局と積極的に連携・共有していく。

平野理事 地下鉄や地下街などでも湧水や漏水があり、各局が個別に対応している現状がある。情報を局横断で共有・連携することは将来的な道路陥没や事故の防止につながるため、ぜひ連携を強化して防災に役立ててほしい。

2.スマートメーターの導入促進について

平野理事 国のガイドライン策定や「神戸水道ビジョン」改定など導入環境が整いつつあるが、スマートメーター導入に向けた局内の検討状況はどうなっているか。

水道局 局内プロジェクトチームで2つの目標を進めている。1点目は大口径メーターの導入で、実証実験を経て今年度から全市立小・中学校への展開を決定し、検定満了を迎える41校へ本格導入する。2点目は関西電力との共同検針で、協議により2027年度から実施可能となったため通信方法の選択肢が広がった。当面は大口径化を進めつつ、小口径の比較検討も継続する。

平野理事 漏水早期発見や利便性向上など多くの利点がある。検討段階から一歩進め、具体的な導入方針を示すべきではないか。

水道局 技術革新や安価な海外製メーターの動向などを精査している最中だ。先進事例や世界情勢を加味し、今年度中には具体的な導入計画を立案・提示したい。

平野理事 コスト低減や迅速な導入を図るには、他都市の動向を伺うだけでなく政令指定都市間で情報連携し、通信方式などの方向性を見出すべきだ。早期実用化に向け、都市間連携をどう進めるのか。

水道局 東京都・横浜市・大阪市による先進協定の動向を注視するとともに、関西の4都市会議(大阪・京都・堺・神戸)の実務レベルで通信方法などの意見交換を行い、早期導入に向けた連携を図っていく。

平野理事 通信方式や電池寿命に加え、山地や密集地、地下といった神戸特有の地形を踏まえた検証が必要だ。一律に決めず他都市と横連携しながら神戸市に最適な方法を選定し、得られたデータを漏水対策や災害時対応など水道DXへ活用できる仕組みを構築してほしい。

3.烏原貯水池の適正な管理

平野理事 烏原立ヶ畑堰堤周辺の「水と森の回遊路」は多くの市民に利用されているが、木が生い茂り見通しが悪い箇所もある。土木遺産の魅力を伝えるためにも適切な管理や歴史を伝える工夫が必要だ。現在の管理状況と、予備水源としての現在の位置づけについて伺いたい。

水道局 定期的な剪定に加え、2024年度からは危険木の調査・伐採を進めており、薄暗い箇所の保全管理も検討を始めた。今後は関係部局と連携して歴史や魅力の発信も検討したい。なお、水質(カビ臭原因物質)の課題があるため現在も予備水源と位置づけており、大規模渇水などに備えて適切に維持管理していく。

平野理事 地域では湊川隧道や兵庫運河とともに「三大土木遺産」を巡るツアーなどが自主的に行われている。予備水源であるならなおさら、こうした地域活動と連携して魅力を発信することが水道への関心や地域活性化につながる。地域から要望が出ている取水塔内部の見学などに対応できないか。

水道局 県主催の見学ツアーへの協力実績もあり、オール神戸で魅力を発信することは有効だと捉えている。地域から要望のある取水塔内部の見学については、水源保全や安全面の配慮を前提としつつ、実現に向けて検討したい。

平野理事 取水塔の見学は年数回や人数制限といった条件付きで構わないので、ぜひ機会を作ってほしい。また、ダム下流の沈澄池周辺についても見学要望があるが、草木が生い茂り危険な状態だ。回遊路と同様に安全対策を含めた整備を進め、将来的には見学できるようにしてほしい。

4.広域連携の深化・検討について

平野理事 水道法に基づき全国で事業統合などの広域連携が進んでおり、神戸市も明石や淡路島への送水支援などを行ってきた。今後、本市が中心となった広域連携をどのように深化させていくのか見解を問う。

水道局 これまでも送水や水質検査の共同化を進めてきた。今後はリーダー都市として、独自開発した「受援マニュアル作成支援ソフト」の県内提供などを通じ、技術継承や危機対応力の向上を図る。先進事例の共有も含め、各事業体が自ら課題を考えられる機会づくりに努める。

平野理事 20〜40年先を見据えた広域連携のあり方を考えるべきだ。工業用水道も含めた連携が必要になると考えるため、ぜひ検討を求めたい。

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