神戸市会予算特別委員会第3分科会(こども家庭局)において、当会派の平野委員が質疑を行いました。
本委員会では、子育て世帯への直接的な支援である「妊産婦タクシー利用助成制度」の利用期限の延長や、「産後ケア事業」の利便性向上、長年の懸案であった灘区における「病児保育の空白区解消」について質疑を行いました。また、子育て支援施策を広く届けるための広報・民間連携のあり方や、施設を退所した若者を支える「社会的養護自立支援拠点事業」の着実な実施について、当局と充実した議論を交わしました。以下にその内容をご報告いたします。

■ 妊産婦タクシー利用助成制度の利用期限延長について
平野委員: 妊産婦タクシー利用助成制度は、多くの市民に喜ばれている事業です。しかし、現在の利用期限である「交付日から14ヶ月後の月末」までに使い切れないという声も届いています。産後数ヶ月が経過した後も、産後ケア施設への移動や急な通院など、タクシーの利用ニーズは高い実態があります。利用者の利便性向上とタクシー利用のさらなる促進を図るため、利用期限を延長すべきではないでしょうか。
当局(中山局長): 本制度は当初、新型コロナウイルス感染症対策として緊急的に開始した経緯があり、産後6ヶ月程度までの利用を想定して期限を設定いたしました。制度開始から時間が経過し、現在の利用実態や保護者の皆様のニーズをより正確に把握するため、現在アンケート調査を実施しております。その結果を踏まえ、利用期限の延長も含めたタクシー券のあり方をしっかりと検討してまいります。
平野委員: 利用期限の延長は、子育て世帯への支援の幅を広げるだけでなく、地域公共交通の要であるタクシー事業者への支援にも繋がります。アンケートの声に真摯に耳を傾け、ぜひ前向きな検討をお願いいたします。
■ 産後ケア事業の予約システムと緊急時の対応について
平野委員: 産後ケア事業において、新たに予約システムが導入されました。導入後の運用状況と効果検証について伺います。また、予約システム化が進む一方で、切迫した支援が必要な緊急性の高いケースに対しては、どのような対応フローが確保されているのでしょうか。
当局(三品部長・小澤課長): 予約システムの導入により、スマートフォン等から施設の空き状況の確認や夜間の予約手配が可能となり、利用者アンケートでも「利便性が大きく向上した」との声をいただいております。今後はシステムから得られるデータも活用し、さらなる効果検証を進めます。また、緊急性が高いと判断されるケースについては、オンライン上の予約状況にかかわらず、各区の保健師が直接相談に応じ、施設と密に連携して優先的な受け入れ調整を行う体制を確保しております。
■ 灘区における病児保育の空白区解消について
平野委員: 灘区における病児保育施設の空白区解消は、地域にとって長年の切実な課題でした。この度、新規開設に向けた動きがあると聞いておりますが、その概要と今後の見通しについて伺います。また、保護者の切実なニーズを鑑み、開設時期の前倒しは可能でしょうか。
当局(中山局長): 地元医師会をはじめとする関係機関の多大なるご尽力により、令和8年4月の開設に向けて現在具体的な調整を進めております。これが実現すれば、長年の課題であった市内の病児保育空白区が解消され、全区での実施体制が整うこととなります。施設の整備状況や人材確保の状況等が順調に整えば、前倒しでの開設についても可能性を探ってまいります。
平野委員: 関係者の皆様のこれまでのご尽力に深く感謝申し上げます。空白区解消は多くの子育て世帯が待ち望んでいます。準備が整い次第、少しでも早い開設に向けて引き続き尽力していただくよう強く要望します。
■ 子育て支援施策の広報・民間連携について
平野委員: 神戸市では多種多様な子育て支援策が展開されていますが、それが本当に必要としている人に届いているかが重要です。行政からの発信にとどまらず、民間企業やNPO、地域団体等と連携し、相互のネットワークや媒体を活用したより効果的な情報発信の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。
当局(若杉副局長): 現在も様々な主体と連携した広報活動を行っておりますが、ご指摘の通り、情報を「届ける」工夫は常にアップデートしていく必要があります。今後はさらに多様な民間団体や企業等と連携協定等を結び、広報媒体を相互に活用することで、支援を必要とする方に漏れなく情報が届くよう、戦略的な広報に努めてまいります。
■ 社会的養護自立支援拠点事業について
平野委員: 児童養護施設等を退所した後の若者は、頼れる大人が少なく孤立しやすい傾向にあります。新たに設置される「社会的養護自立支援拠点」の狙いと具体的な事業内容について伺います。また、最も支援が必要な若者にいかにして情報を届け、拠点に繋げるのか、その手法についてもお答えください。
当局(丸山副局長): 本事業の狙いは、孤立しがちな若者に対して、いつでも気軽に立ち寄れる安心な「居場所」を提供することです。拠点では、同じ境遇の若者同士の交流や、専門員による生活相談、就労・住まいの確保に向けた支援を総合的に行います。周知については、施設退所前からの案内や関係機関との連携に加え、若者が日常的に利用するSNSを活用した発信、さらには支援員によるアウトリーチ(訪問支援)などを通じて、支援を必要とする若者に確実につながるよう図ってまいります。
平野委員: 立派な拠点を作っても、支援を必要としている当事者に情報が届き、足を運んでもらえなければ意味がありません。SNSといったデジタルな発信はもちろんですが、かつてお世話になった施設職員との縁など、リアルな人のつながりも含めたきめ細やかな周知・誘導策を徹底するよう要望いたします。
【結び】
当会派はこれからも、神戸で子育てをする皆様がより安心して暮らせる環境づくりのため、現場の声を市政に届け、制度の拡充と利便性の向上に全力で取り組んでまいります。


