令和8年6月25日 教育こども委員会【吉田委員による質疑】

令和8年6月25日に開催されました「教育こども委員会」において、教育委員会の所管事項に関し、教員の働き方改革によって生み出された余力をいかに「教育の質」の向上に繋げ、それを保護者へ伝えていくのか、また後援名義の承認基準の見直しについて、当会派の吉田 健吾委員が質疑をおこないました。


1. 教員の働き方改革を通じた「教育の質」の向上と保護者への可視化

【質疑】吉田 委員
教員の働き方改革について伺います。現在、先生方がこれまで担ってきたことや行事、例えば部活動の地域移行が進んでいくことであったり、スキー合宿のような校外学習が見直されたりといったことが行われております。事業概要においても、時間外在校等時間の削減という「量」の観点に加えて、教育全体の「質」の向上を目指した教員の働き方改革を推進していくというふうに記載されています。
そこで、働き方改革で生み出した教員の力を活用して、具体的にどういった取り組みを強化し、提供し、教育の質を向上させていくのか。また、それが具体的で分かりやすく保護者に伝わるような取り組みを行っていかなければならないと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

【答弁】福本 教育長
働き方改革は教員採用試験の厳しい結果を見ても非常に大きな課題です。社会情勢の変化の中で進めていくわけですが、やはり大切な「子供たちのため、保護者のため」という視点を失ってはいけないと考えております。
外形的な部分で言いますと、やはり「8時から17時」という勤務時間の中で、いかに子供たちのために働けるかという発想に転換していかなければなりません。これは簡単ではありませんが、授業改善や生徒指導の考え方の改善、そして会話という、本当に地道な形に取り組んでおります。
私が教育長になった一番の大きな狙いは、先生が基本的に「目の前の子供や保護者に対して親切になる」ということです。本当に自分が一生懸命、それを生業として努力できる環境を学校に作ることだと思っております。これまで閉鎖的だった学校を「スケルトン(透明化)」にしていき、学校の常識は社会の常識であるという形に変えていく。学校評価や学校運営協議会を活性化して常に保護者や社会の方に診ていただく中で、働き方改革によって先生が楽をするとか、手を抜くとかいうことが絶対に思われないように、神戸の教育を進めていきたいと考えております。

【再質疑】吉田 委員
今の「質」という点について、何なのかなと最近自分でも考えているのですが、子供の成長を捉えたときに、教員は何をする人かということを考えれば、例えば「認知能力」と「非認知能力」の二つに大別できると思います。
ここに心血を注ぐとして、資質を上げるのであれば、認知能力を伸ばすためにどういったことがされるべきなのか。例えば「個別最適な学び」というキーワードが出ていますが、わが会派の議員も本会議で提案してきました「学習習熟度別クラス」などへのチャレンジも、質を高めるために必要ではないでしょうか。
また非認知能力の面では、冒頭に言った校外学習や山登りのような手間のかかるものが少し少なくなっているのではないか、運動会も相当スリム化されているのではないかと感じます。「取り扱いで示されているからこうなるんです」というお答えしかいただけないようでは、質を本当に向上させていくという教育委員会のスタンスが見て取れないのではないでしょうか。改めてご見解を伺います。

【答弁】福本 教育長
非常に大切かつ本質的なご指摘をいただいた通りでございます。例えば運動会や行事の話について、私達はそれが働き方改革に逆行するから「するな」という提示は全くしておりません。
今は特に、学校現場に対して「それぞれ学校が違っていいよ」と言っております。次の学習指導要領も、校長の裁量によって授業時間をうまく工夫して時間を生み出せるようになっています。例えば「体育大会を2日間やって、とことん形を持って行きたい」という学校の判断があれば、我々はそれをバックアップします。
教員だけでなく管理職の質も重要であり、管理職の考え方でタガをはめていくのではなく、それぞれの地域や学校に合わせて非認知能力を伸ばす工夫を取り入れていく。これまでの「前例踏襲」ではなく、5年、3年といった校長の任期の中で、目の前の子供たちとその保護者の意向を考えながら、学校ごとに特色あるチャレンジをしていけるよう進めてまいります。

【意見】吉田 委員
本当に子供たちのために、そして保護者のために「8時から17時」という時間をしっかりとフルに使っていくという決意をおっしゃっていただいたと思います。
子供たちが公立学校に通うことに期待が持てる、また「あの校長先生になりたい」という方が増えるような、そんな希望が出るような環境をぜひ作っていただきたい。これからは学校によって取り扱いが変わってくるからこそ、地域特性や目の前のお子さんの状況から何が一番いいのかを、校長先生はじめ現場が熱心に考え、強く押し出していける環境となるよう、教育委員会としてもしっかり号令をかけていただくことを期待します。


2. 後援名義の承認基準の見直しと金融リテラシー教育の推進

【質疑】吉田 委員
教育委員会の後援名義のルールについて伺います。現在、金融や投資関係の事業については、親向けの営業活動が行われるケースがあるとの理由で、カテゴリーとして一律に対象外となっています。
しかし、金融リテラシーを向上させていくことは子供たちの将来にとって非常に重要です。営利を目的とした取り組みは要綱で禁止されていますが、単にカテゴリーで排除するのではなく、金融教育の推進という観点から基準を見直すべきではないでしょうか。

【答弁】山出 副局長
これまで金融投資をテーマにご申請いただいた事例の中で、子供向けの講座を実施する一方で、親向けの投資勧誘を並行して行うといった要綱の趣旨になじまないパターンが相当程度あったことから、令和7年1月に要綱を改正し対象外としております。
金融教育そのものは「総合的な学習の時間」等で進めており、産官学連携システム「(仮称)コラボ」に登録いただいた事業者様と連携した授業も行っております。講演内容の細部を事前に把握しきれない難しさはありますが、社会的影響も考慮しながら、どこまで承諾すべきか、名義の在り方について今後検証してまいりたいと考えております。

【要望】吉田 委員
金融教育であれプログラミングであれ、神戸市が特定企業の営業の片棒を担ぐようなことがあってはなりませんが、金融リテラシーの向上は不可欠です。カテゴリーで一律に排除するのではなく、ポイントを絞って認めていくべきです。後援名義の在り方について、柔軟な見直しを要望します。


自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、働き方改革によって生み出された貴重な時間を、子供たちの「生きる力」を育む質の高い教育へと確実に還元し、保護者や地域から真に信頼される学校づくりを強力に支援してまいります。

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