事業系資源紙のリサイクル禁止規則、歯科口腔保健における誤嚥性肺炎対策、障害者向け排せつ予測支援機器の追加認定、ならびに認知症神戸モデルの実績評価について、当会派の山下てんせい委員が質疑をおこないました。

1. 事業系ごみの資源紙リサイクルと排出事業者の負担感
【意見】山下 てんせい 委員 資源紙のリサイクルについて、排出を減らしたいという目的は理解できる。特に事業系ごみについて、可燃ごみの中に資源化可能なものがあり、適正に回収してリサイクルしていきたいという点は承知している。しかし、改正の概要の中で、事業系ごみの資源化できる紙類について廃棄物処理施設への搬入を禁止すると、かなりきつい書き方がされている。
【質疑】山下 てんせい 委員 永井谷のクリーンセンターなどの廃棄物処理施設に事業系ごみを持ち込んだ際、資源化できる紙類を水際でどのように止めるのか、あるいはどのように取り締まっていくのか質問しました。
【答弁】柏木 環境局長 各クリーンセンターにおいて、搬入されるごみの内容を確認する展開検査を定期的に実施しており、この検査を通じて資源紙の排出実態を確認し、事業系ごみは比較的排出者を特定しやすい傾向があるため、適正な排出を促していきたいと答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 事業系ごみは家庭よりも多く、焼却してしまったほうがコストがかからないため持ち込む方も多いと考えられる。段ボールなど半永久的にリサイクルできるエコシステムを構築する理念は理解するが、事業者がどう理解し協力してくれるかがとても大切な視点である。この書きぶりでは事業者に負担感が出てしまう懸念があるが、十分な説明が必要ではないかと見解を求めました。
【答弁】柏木 環境局長 事業系の資源紙について本市は他の政令市等と比べて少し遅れており、排出事業者の理解・協力が不可欠である。資源紙を持ち込める協力事業者の募集やマップ作成などで排出しやすい環境を整え、チラシを送付して他自治体の状況や本市が禁止を見据えている取組を示した。できるだけ丁寧に説明し理解を求めてまいりたいと答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 自治会等の資源回収は頻度にはよるが謝礼が入り、自治会活動の足しになるため住民の協力が得やすいが、事業系の場合はボリュームが様々。たくさん出る事業者は回収業者と相談してインセンティブを得ることも可能だが、中小企業ではそれほどの量は出ない。事業系資源紙取扱事業者などは紙を回収してお金もうけができる一方で、事業者が無償で提供するとなると抵抗感や不公平感が生じる。事業者が協力することによるメリットや不公平感を払拭するために、どのような説明が考えられるか質問しました。
【答弁】柏木 環境局長 量や種類によっては有価で買い取ってもらえる場合があり、古紙の取扱事業者の一覧の中で買取り基準を示している。全てが買取りになるわけではないため、ごみの減量・資源化の意義や社会貢献といった社会的意義を丁寧に説明し、負担が生じないような工夫を検討しながら取組を進めていきたいと答弁しました。
【要望】山下 てんせい 委員 理念は関係者全員が理解しているものの、十分な説明を行って協力を求めることで、事業者、回収業者、神戸市の三方よしになる可能性がある一方で、ボタンの掛け違いで十分な効果を得られない施策でもあるため、事業者に対する協力を求めるための説明を丁寧に行っていくことを強く推奨しました。
2. 歯科口腔保健における誤嚥性肺炎対策と口腔機能発達障害
【意見】山下 てんせい 委員 「こうべ歯と口の健康づくりプラン」は、神戸市の医師会がイニシアチブを取り、歯の健康に主眼を置いた条例の制定であったと認識している。しかし、今回の報告における地域包括ケアに向けた取組の中に、突然「誤嚥性肺炎」という言葉が出てきたことに一定の違和感を覚えた。
【質疑】山下 てんせい 委員 誤嚥性肺炎がここに出てきた理由について見解を求めました。
【答弁】時岡 健康局保健所部長 高齢者の8割の死因が誤嚥性肺炎であり、口の中の細菌が増えて免疫力が弱まることで発症してしまうため、口の中を清潔に保つ口腔ケアが重要である。また、意識しない誤嚥を防ぐために、喉を鍛える体操などがオーラルフレイルの延長線上、訓練と重なるため記載したと答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 誤嚥性肺炎を取り扱い、嚥下力を日頃から鍛える必要があるとなれば、嚥下障害や嚥下機能低下といったところにまで言及したほうが合理的である。オーラルフレイルの範疇を超えて、壮年期の歯の喪失を防ぐための歯周病予防や、よくかんで健康増進といったところにも影響を与えるのではないかと指摘しました。
【答弁】熊谷 健康局長 歯科医師も口腔内を広く診ており、誤嚥性肺炎についても加齢に伴う嚥下機能の低下や細菌増加などから発症しやすくなるため、口腔ケアや口腔体操が重要として記載した。高齢期だけでなく、若い世代から嚥下機能や口腔機能への関心を持ってもらうことが重要であり、40歳等の節目検診における効果的な啓発方法を検討したいと答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 歯と口の健康づくりは、虫歯を減らすという「対処的」なフェーズを超えて、「予防」というフェーズに入っている。その観点から、乳幼児期の検査で最近よく言われる「お口ぽかん」(口唇閉鎖不全症)について、3歳児歯科健診等での見解や報告を求めました。
【答弁】時岡 健康局保健所部長 口腔機能発達障害と呼ばれ、柔らかい食べ物やマスク生活の影響で口輪筋や咬筋の発達が遅れている子どもが増えている。健診時にかみ合わせや歯列不正なども確認し、保護者へ食べ方の指導や栄養士による食材の指導をセットで行っており、プラン変更時にも指導要綱に追記したいと答弁しました。
【要望】山下 てんせい 委員 鼻が詰まっていて鼻呼吸ができない子どもは「お口ぽかん」になる傾向が強く、口呼吸は高齢者の誤嚥性肺炎のキーワードにもなっている。これらをトータルで考えると、プランのアップグレードが必要であると指摘しました。
3. 障害者の日常生活用具への排泄予測支援機器の追加認定
【意見】山下 てんせい 委員 陳情第221号の排泄予測支援機器「DFree」について、議員勉強会等で理解しており、有効性があるという印象を持っている。昨年同様の陳情が出た時点で採用は全国で4自治体だった。
【質疑】山下 てんせい 委員 1年経過して、現在どのような状況になっているのか質問しました。
【答弁】黒田 福祉局副局長 現在、13自治体が採用していると答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 手元の情報では14自治体(港区、板橋区、品川区、行田市、宇都宮市、山形市、大野市、敦賀市、三島市、清須市、岡山市、下関市、流山市、池田町)となっており、姫路市でも検討が進められていると聞いている。運営検討会議において、児童がアラームが鳴るまでトイレに行ってはいけないという発想を抱く懸念が示されたが、排せつのタイミングや排せつが何なのかを理解させることは一定の効果があるのではないかと見解を求めました。
【答弁】黒田 福祉局副局長 尿意を感じられない方にとって、その契機が分かるということは非常に大事なところであると答弁しました。
【要望】山下 てんせい 委員 器具に依存してしまう懸念もあるとは思うが、エンドユーザーである陳情者が一定の効果を認めたからこそ陳情していると考えられる。適否を判断する実績が蓄積されていないというが、どの程度の実績が蓄積されれば検討してもらえるのか。ネガティブな意見もあるだろうが、機器の趣旨や学会の発表、他都市の事例を比較検討しながら前向きに検討してほしいと要望しました。
4. 認知症神戸モデルの実績と人材育成
【意見】山下 てんせい 委員 認知症機能検診の第1段階において要精密検査と評価された2万6,880人の方について確認したい。
【質疑】山下 てんせい 委員 第1段階から第2段階をちゃんと受診した割合はどれくらいか質問しました。
【答弁】渡辺 福祉局高齢福祉課課長 8割以上の方が受診されていると確認できていると答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 受診された2万8,107人のうち、実に85.9%の方が認知症やMCIと診断されたということで、非常に精度の高い成果が出ているのではないかと見解を求めました。
【答弁】渡辺 福祉局高齢福祉課課長 第1段階から医師の診断によって精密検査へ進んでいるため、結果として精度が高くなっていると考えていると答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 事故救済制度について、行方不明対策としてのGPSの導入支援が554名契約、見守りシールの配布が785人という報告があった。この実績についてどのように評価しているか質問しました。
【答弁】小寺 福祉局副局長 認知症神戸モデルの中で強く推進していくべき取組であり、市民や認知症の方、ご家族の安心感につながっていると考えていると答弁しました。
【再質疑】山下 てんせい 委員 認知症神戸モデルは市民税の均等割で1人当たり年間400円徴収し、全市の収入は年に3億円程度と見込んでいる。この費用と財源がずっと持続可能なものであればいいと留意している。認知症の地域の支え合いの体制に関して、介護研修等で指導者が53人いるとのことだが、市内で活躍されている方は何人くらいいるのか質問しました。
【答弁】小寺 福祉局副局長 指導者養成研修を受講した53人は地域ケアの推進や実践者研修の企画・講師を務めており、令和8年度現在で研修の講師を務めている方は26名となっていると答弁しました。
【要望】山下 てんせい 委員 まちぐるみで認知症に取り組む神戸市の覚悟を示すためにも、周辺都市で指導できる人が必要であり、神戸に学びに来る体制ができれば全国の認知症モデルのひな形になっていくと期待している。引き続きしっかり頑張っていただきたいと述べました。

自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、今後も市民の皆様の生活の質向上と、持続可能で公平な市政運営の実現に向けて、現場の声を反映させた建設的な提言を力強く推進してまいります。

