神戸市の持続的な発展と市民生活の向上を目指し、地域経済の活性化から次世代育成、都市環境の整備に至るまで、多岐にわたる政策課題について市政をただしました。この内容について、当会派の大野陽平議員が質疑神戸市の持続可能な発展と市民生活の向上を目指し、地域経済の活性化から次世代育成、都市環境の整備に至るまで、多岐にわたる政策課題について市政をただしました。この内容について、当会派の大野 陽平委員が質疑をおこないました。

1. 地域未来戦略について
【質疑】大野議員
現在、政府において地方への戦略的投資と産業集積の形成を通じて日本全体の成長につなげる「地域未来戦略」の検討が進められております。一方で、地域ごとの重点産業や成長分野を定める「地域産業クラスター計画」の策定は知事主導を前提とし、戦略推進の財源となる「地域未来基金」についても都道府県が設置主体とされており、圏域経済を牽引する指定都市の役割が十分に位置づけられているとは言いがたい状況にあります。また、産業拠点等の整備に活用できる「地域未来交付金」についても、指定都市は都道府県より低い交付上限額とされています。地域未来戦略を真に実効性あるものとし、持続可能な日本の成長を実現するためには、指定都市の役割強化や、都道府県と同等の立場で地域未来戦略を担うことができる制度とするよう、国に対して強く要望すべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
【答弁】久元 市長
地域未来戦略は、地方への投資促進や産業集積の形成などを通じ、日本全体の成長につなげるための重要な戦略であると認識しております。一方で、議員からご指摘いただきましたように、本戦略において地方の役割とされる地域産業クラスター計画の策定は県主導とされており、財源となる地域未来基金も都道府県に設置されることとなっております。さらに、インフラ整備事業に活用可能な地域未来交付金につきましても、指定都市の交付上限額は都道府県を大きく下回っており、例えば兵庫県が50億円であるのに対し、神戸市は20億円とされています。このような制度設計は、産業や人口が集積し圏域経済を支える指定都市の強みを生かす上で「不十分」であると認識しております。このため、指定都市が本戦略の主体としてその役割を十分に発揮できるよう、指定都市の役割強化と都道府県と同等の財政措置を講ずることを、神戸市として国に対して要望していきたいと考えております。また、先般の指定都市長会においても本戦略のあり方が議論されたところであり、今後、指定都市間で足並みを揃え、国に対して議論を加速していきたいと思います。現時点においては、地域産業クラスター計画の策定主体、また地域未来基金の設置主体は兵庫県でありますので、兵庫県に対して本市の意向がクラスター計画に十分に反映されるよう求めるとともに、基金の活用においても、本市内の産業を重点的に支援することを強く働きかけてまいります。
【要望】大野議員
市長から非常に心強く、前向きなご答弁をいただき感謝いたします。地域未来戦略を真に実効性あるものとし、持続可能な成長を実現するためには、指定都市の役割強化が不可欠であります。自民党としても、全国指定都市議員連盟などを通じて党本部や関係省庁に強く要望していくとともに、当会派としても兵庫県議会としっかりと連携し、兵庫県に対して本市の意向が地域産業クラスター計画に十分に反映されるよう求めてまいります。
2. 産前産後の負担軽減について
【質疑】大野議員
まず、妊娠届出のオンライン化についてです。産後ケア事業は一元管理できるシステムの実証が開始されるなどデジタル化が進められておりますが、妊娠届出については、現在も書面で届出を提出し、窓口で面談する形となっています。母子手帳の交付などもあり来庁不要とすることは困難と理解しますが、事前にオンラインで届出や必要情報の入力ができれば、来庁時の手続き時間が短縮できます。また、市としても継続的な支援が必要な妊婦である場合、地区の担当保健師を面談に同席させるなどの体制構築が可能となり、利用者・行政双方にメリットがあります。今後のオンライン化の検討について見解を伺います。
次に、産前産後ホームヘルプサービス事業の普及についてです。産前産後の家庭にとって家事や育児の負担は特に大きく、本市でもヘルプサービスを実施していますが、利用率は高くありません。保護者から「要件に該当しないのではないかという自己判断による躊躇」や「ヘルパー利用への心理的抵抗」などの声を聞きます 。まずは産前産後のすべての家庭にサービスを体験してもらう機会をつくることが有効であり、誰でも無料で一度は利用できる仕組みを設けるなど、利用のハードルを下げる取り組みを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
【答弁】久元 市長
妊娠届出時においては、窓口で保健師、看護師がすべての妊婦と面談を行っており、これは妊婦の不安を解消し、継続的支援の必要性を判断するためのものです。したがって、すべての妊婦の方に来庁いただくことは必要であると考えております。しかし、現在の手続きは決して妊婦本位ではありません。妊婦の負担軽減や、事前に状況を把握して的確な相談につなげることは不可欠です。オンライン化を進め、事前に一定のフォームに必要事項を入力いただければ、的確な相談・支援につなげられます。ご指摘を踏まえ、できるだけ早くオンライン化を実現できるよう具体化を進め、早期の実施を図ります。
【答弁】今西 副市長
家事育児等に特に不安や負担を抱える妊婦や2歳未満の子育て家庭を対象にヘルパーを派遣しており、令和7年度は延べ4,138回ご利用いただいております。ホームページやLINE、Instagramなどによる広報に加え、子育て支援サイトこどもっと神戸へ利用者の声を掲載するなど周知に努めております。国においても、子育て世帯全体の家事育児の負担軽減策を進めるための検討会が開催されており、今年の夏頃に方向性が示される予定です。誰でも利用できるサービスについては、国の状況を注視しつつ検討を進めるとともに、支援を必要とする方にサービスが行き渡るよう一層努力してまいります。
【再質疑】大野議員
ホームヘルプの要件についてお伺いします。現行の「体調不良などのため家事育児が困難で、昼間手伝ってくれる人がいない」という要件が利用の大きなハードルになっています。福岡市では要件を緩和し、支援体制の有無にかかわらず「不安や負担を感じている方」を広く対象とするよう改めました。本市においても、この「昼間手伝ってくれる人がいない」等の要件を見直し、より利用しやすい表現に改めるべきと考えますが、見解をお伺いします。
【答弁】今西 副市長
産前産後時期は心身の不調が生じやすい時期であり、これまでは負担が大きい方に届くよう広報してまいりました。利用を思いとどまることがないよう、広報の強化、国の検討結果や子育て世帯の声を踏まえ、要件の見直しも含めて、広く必要な方に届くよう検討してまいります。
【再質疑】大野議員
要件見直しの検討に感謝いたします。
次に、ホームヘルプのもう一つの課題である申請フローについてです。利用決定後、「派遣決定通知書」が利用者に郵送された後、利用者が事業者に電話して利用調整を行う仕組みになっていますが、事業者とのやり取りや時間調整にハードルがあります。産後ケア事業のように、オンラインで申し込みや調整ができるような利便性向上に取り組むべきですが、見解を伺います。
【答弁】丸山 子ども家庭局長
利用決定後に事業者から連絡をして調整を行っておりますが、電話が繋がりにくいなどの課題があると認識しております [41:48-42:15]。手続きの簡素化・省力化に向けて、オンラインでの申請手続きの活用など、利便性向上に向けて検討を進めてまいります [42:16-42:43]。
【要望】大野議員
オンライン化や簡素化の検討をよろしくお願いいたします。この産前産後ホームヘルプサービス事業については数年前から継続して質疑を重ねてまいりましたが、徐々に使いやすくなってきていることを実感しております。今後とも、支援を必要とするすべての人にしっかりと届く温かいサービスとなるよう要望いたします 。
3. コベカツの近隣自治体との連携について
【質疑】大野議員
中学校部活動の地域移行(コベカツ)についてです。本市および近隣自治体が移行を実施したのち、活動内容やアクセス面から、例えば東灘区の生徒が芦屋市の地域クラブへ参加をすることや、西区の生徒が明石市のクラブへ参加をすること、逆に他市の生徒が本市のコベカツに参加することが考えられます。一方で、コベカツサポートについては現状、本市に登録していない他自治体のクラブに参加する場合には利用できないなど、様々な課題が生じます。校区を越えて参加できること、子どもたちの選択肢が増えることが趣旨であることを踏まえると、こうした広域的なニーズに対応するため、近隣自治体との相互参加のあり方や支援制度の連携について、早期に協議を進めていく必要があると考えますが、見解を伺います。
【答弁】福本 教育長
コベカツの大きな特徴は、校区を越えて子どもたちがやりたい活動を選択できることであります。他自治体との相互連携も重要であり、他自治体において他市生徒の受け入れを行っている例もあります。一方で、自治体間で移行の進め方、登録要件、会費設定、組織体制などが異なるため、過渡期において一律に連携することは難しい面もあります。将来的に支援体制を活用し、生徒の選択肢を増やすためにも、他都市との相互参加のあり方や支援制度の連携について、意見交換・検討を進めてまいります。
【要望】大野議員
相互連携、相互参加のあり方について検討を進めてほしいと思います。子どもたちの選択肢を広げ、多様な活動ができる環境を整えるためにも、早期の具体的な連携・協議を要望いたします。
4. 公立中学校における学力向上について
【質疑】大野議員
小中学校において主体的に学べる授業づくりを進め、個別最適な学び等の充実に努めていることは評価いたします。一方で、高校授業料無償化に伴い、私立中学校への進学が進むことが見込まれ、今後、市立中学校における学力構成の変化が想定されます。こうした中、市立中学校としては、授業に追いつけない生徒や、内容に物足りなさを感じる生徒に対して、確一的な授業を提供するのではなく、生徒一人一人の理解度に応じた指導を一層充実させ、魅力ある教育を提供していくことがこれまで以上に重要です。例えば、習熟度別クラスの導入などにより、多様な学力層に対応した学びを実現し、魅力ある学校づくりと生徒全体の学力向上につなげるべきと考えますが、見解を伺います。
【答弁】福本 教育長
生徒一人一人の理解度や習熟度に応じた指導は極めて重要であると認識しております。授業に追いつけない生徒、物足りなさを感じる生徒それぞれに対応するため、現在も個別指導やデジタルドリルを活用した学びを進めております。習熟度別クラスの編成については、クラス編成における生徒への配慮なども必要であり、一概に全校で導入することは難しいですが、授業の中で個々の到達度に応じた課題設定や、複数教員による指導などを行い、生徒の意欲を高める工夫を行っております。今後も個別最適な学びの充実に努めてまいります。

【要望】大野議員
ご答弁ありがとうございました。授業改善や様々な指導の工夫を通じて、すべての生徒が確かな学力を身につけ、公立中学校全体の魅力向上につながるよう引き続き取り組んでいただくことを要望いたします。
5. 市街地消防団の車両更新について
【質疑】大野議員
消防団の持続可能な体制に向けて、資機材の導入が進んでいることは評価いたします。一方で、東灘区をはじめ市街地消防団が所有する車両に関しては、現場から老朽化などにより車両維持が難しいとの声が上がっているものの、常備消防の駆けつけが早いことなどを理由に、公費による車両更新には慎重な考え方が示されてきました。これらの車両は、各消防団が独自財源や地元の財産区からの支援で更新してきましたが、こうした負担のあり方は団員の確保や活動の持続性の観点からも課題があるのではないでしょうか。緊急防災減災事業債や企業版ふるさと納税の活用なども視野に入れ、市街地消防団車両の更新に対する公的支援のあり方を、早急に整理すべきと考えますが、見解を伺います。
【答弁】小松 副市長
令和6年度に消防団のあり方につきまして、市内の全消防団長、支団長と議論を行い、その中で聴取いたしました消防団の方々の意見を参考に、昨年の消防団活動の環境改善の取り組みといたしまして、災害時情報収集ドローンや、携帯用コンクリート破砕機ストライカーなど、新たな資機材を配備したところでございます 。消防団員の方々からは、新たな資機材の導入はやりがいに繋がると聞いておりまして、今年度はドローンを追加配備する計画としているところでございます。市街地での災害対応につきましては、最新の車両、装備を有する常備消防が万全を期する体制を確保しているところでございます。東灘区から垂水区までの市街地を管轄する8つの消防団におきましては、台風や集中豪雨の中でもパトロールができるよう、令和2年度に人員搬送車を公費で配置し、災害に備えているところでございます。加えて、東灘、灘、兵庫、垂水の一部の地域におきましては、歴史的な経緯から、現在も地域で調達した車両を所有している消防団がございます。このうち、一部の車両につきましては、老朽化のため維持管理が難しい状態であると聞いております。まずは、これら老朽化した車両は早急に対応が必要でございますので、速やかに消防団と対応を協議してまいりたいと考えております。さらに、各種資機材の活用など、市街地の消防団活動のあり方につきまして、車両更新も含めて議論の場を設け、検討を進めてまいりたいと考えております。議論の中で車両更新をする必要がある場合におきましては、消防団の負担によらない形での整備を考えてまいります。加えて、ご提案の緊急防災・減災事業債は本市においても活用しており、その他の財源につきましても、他都市での活用状況等研究してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、車両はもとより、資機材の導入など、消防団の活動環境を整えていくことは重要でございますので、消防団と一緒に議論を深めまして、前向きに検討してまいりたいと考えております
【要望】大野議員
前向きなご答弁をいただきありがとうございます。特に老朽化している一部の車両については速やかな対応を講じていただくとともに、団員の皆様の負担に寄らない持続可能な車両更新の仕組みについて、早期の具体化をお願いいたします。
6. 路上喫煙防止の取り組みについて
【質疑】大野議員
路上喫煙防止の一環として、民間事業者による喫煙所整備に対する補助制度(上限270万円)が創設され、整備が進んでおります。一方で、都心部における高額な賃料が、設置のハードルになっていると聞いております。以前、環境局から「賃料は立地により差が大きく、適正性の判断や維持への影響という課題がある」と答弁がなされましたが、喫煙所が適切に維持管理されていることを前提とし、補助対象経費に「賃料」を加えることで、民間喫煙所の設置が進み、路上喫煙防止が一層推進されると考えますが、見解を伺います。
【答弁】小松 副市長
本市の喫煙所整備補助(上限270万円、5年更新)は、全国的にも手厚い内容となっております。ご提案の賃料補助について、適切に維持管理されることを前提としても、維持費を抑える動きに繋がりかねず、本来の目的である適切な維持管理が適切に行われない懸念があります。補助対象の拡大については、慎重に判断していきたいと考えておりますが、民間事業者へのアプローチ等による設置促進には引き続き取り組んでまいります 。
【再質疑】大野議員
賃料補助の懸念事項については理解いたしますが、例えば維持管理費が上限に達しない場合、その差額を賃料に充てるなどの柔軟な運用も考えられます。横浜市では実際に賃料補助を行っており、適切な維持管理と両立させています。こうした他都市の先行事例をぜひ研究していただき、より多くの民間事業者が参入しやすい制度となるよう検討をお願いしたいと考えますが、見解を伺います。
【答弁】小松 副市長
適切に維持管理をされることを条件に、維持費の補助上限額に満たない部分を賃料に充てるというご提案につきましては、先ほどの懸念も踏まえつつ、他都市の運用事例なども研究しながら、どのような方法が最も効果的か慎重に検討してまいります。
【要望】大野議員
他市の先行事例もぜひ研究していただき、民間事業者が参入しやすく、かつ実効性のある喫煙所整備が進むよう、柔軟な制度設計を強く要望いたします。
7. Xゲームズジャパンの神戸への誘致について
【質疑】大野議員
東京五輪を契機として、スケートボードやBMX等の人気が若者を中心に広がっております。本市においては、みなとのもり公園や六甲アイランドの民間パークなど、環境が整っております。また、神戸出身・拠点の選手として、スケートボードの河上恵蒔(EMA)選手、BMXの内野洋平選手、インラインスケートの安床兄弟や清水悠陽(はるひ)選手、川崎空知(そらち)選手など、世界レベルの選手が育っております。世界トップレベルが集う国際大会「エックスゲームズジャパン」は、高い集客力と発信力を有し、開催都市のブランド形成に寄与します。若者に選ばれる都市としての魅力をさらに高めるため、エックスゲームズジャパンの誘致に、戦略的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
【答弁】小松 副市長
エックスゲームズジャパンは、世界トップアスリートが集う非常に発信力の高いイベントであると認識しております。一方で、こうした大規模スポーツイベントの誘致には、多額の経費や会場の確保、人的負担、地域経済への波及効果など、多角的な検討が必要です。神戸での開催意義や費用対効果などを慎重に見極めつつ、若者を引きつける魅力ある街づくりの一環として、関係団体等とも意見交換をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
【要望】大野議員
若者を引きつける魅力的な都市、またアーバンスポーツが盛んな神戸のイメージをさらに高めるためにも、関係各局と連携した積極的な検討と誘致活動を強く要望いたします。

以上のように、大野議員は、神戸市の経済・防災・福祉・教育・都市魅力の向上に資する数多くの重要な提案を行い、当局からも前向きな姿勢を引き出す実りある質疑を展開いたしました。自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、今回の大野議員の質疑を通じて明らかになった各政策課題の解決に向けて、神戸市がさらなる成長を遂げ、市民の皆様が安全・安心で豊かに暮らせる街づくりを実現できるよう、会派一丸となって全力で取り組んでまいります。


