令和8年7月14日 外郭団体に関する特別委員会【山下 てんせい委員による質疑】

産業就労支援財団が持つ企業データベースの活用やシルバー人材センターの優位性確保、商工貿易センターの展示場機能の拡充、神戸観光局による「しあわせ運べるように」のPR、そして農政公社に対する既存農家への配慮と細かな課題解決を求める内容。この内容について、当会派の山下 てんせい 委員が質疑をおこないました。

1. 産業就労支援財団の企業データベース活用について

【質疑】山下委員 プロパー職員が神戸の会社の実情を把握していることが一つの価値であるという答弁があったが、財団の理事長として、この組織を使って神戸の産業界にどのような取り組みをしていこうと思われているのか。

【答弁】瀬合理事長 現場の企業や事業者、働きたいと思っているシニアやミドル世代との距離が近いこと、そして生の声やデータを把握できている現場力の強みが提供価値であると考えている。6年前に着手した市内企業のデータベース作りにより、令和8年の3月末時点で6万875社の企業情報が格納されており、接触履歴など文章ベースで1000件を超える入力情報がある。これを使って、現場のニーズや事業者のニーズに沿った政策の検討に繋げていきたい。

【意見】山下委員 データベース化が進んでいることは、神戸の特色ある産業の発掘に繋がっていくと思う。議員が接触する企業や産業界には偏りがあるため、その偏りをなくして神戸を俯瞰的に見ることができるのは本機関しかできないことである。財団の力を借りながら神戸の強みを発掘していくことが大事であり、理事長の今後の活躍に期待している。

2. シルバー人材センターと民間事業者との差別化について

【質疑】山下委員 フリーランス法ができたことで、インボイスを被ることになり、今後は会員と発注者の直接契約を促進するとの説明があった。しかし、約款上は労働者派遣事業ではなく請負として行うとあり、元々フリーランス法には乗らないのではないかと思っていた。直接契約にするとして、Timee(タイミー)のような短時間雇用の民間事業者や労働者派遣事業が山ほどある中で、シルバー人材センターとの差別化が全くなくなっていく気がするがどう考えているか。

【答弁】今井常務理事 民間事業者と横一線の立場になってきている中で、我々のアドバンテージは「人材の優位性」である。現場の職員は60代後半が過半を占めており、平均70歳以上の会員に対して自分が受注する気持ちで紹介している。また、現場の職員が企業との関係の中で継続して事業を請け負っているため、企業の目線と会員のスキルシートの双方に目配りした紹介ができる。地域に根が生え、顔が見える関係の中で対応していけることが我々の優位性である。

【意見】山下委員 受注者と発注者の関係を構築していくことは非常に大事な目線である。軽作業とは違う、シルバー人材センターならではの仕事を発掘していくことが重要だ。例えばポスティングのような同一作業を行うとなると、賃金の問題もあり民間の方に意義があるとなってしまう。

【要望】山下委員 発注者にどれだけ理解を求めるかと同時に、多様な業務の提案が大事になってくる。ボランティアの有償化や、夜間の児童館で時間を延長した際の新たな雇用としての発注など、多様な働き方が見えてくるのではないか。視野を広げつつ、約款の範囲内でしっかりと業務を受注していただきたい。

3. 神戸サンボーホールの展示場機能と成長戦略について

【質疑】山下委員 商工貿易センターのサンボーホールの稼働率はどうなっているか。

【答弁】中村総務部長 サンボーホールについては、大体45%から50%ぐらいになっている。

【質疑】山下委員 45%から50%というのは土日も埋まっているということで非常に優秀だが、逆に言えば頭打ちである。収益構造を考えると、伸びしろはこの展示場の稼働率ぐらいしかないが、成長戦略としてどう認識しているか。

【答弁】中村総務部長 サンボーホールは確かに頭打ちの部分があるため、貿易センタービルのテナント賃料について、近隣や市内の他のビルを見ながら平均賃料で入っていただき、低いところについては賃料交渉を丁寧に行うことで収益確保に努めている。

【意見】山下委員 やりすぎると民業圧迫と言われるため折り合いが難しいと思うが、外郭団体として成長戦略を見出していくことが重要である。神戸は街中の展示場機能が非常に弱く、4000平米前後の広さを持つ都心の展示場はほぼサンボーホールしかない。使い勝手が良く需要が見込めるため、商工貿易センターという外郭団体として、市内の都市型の展示室の確保という次の手を打っていくことを考えていただきたい。

4. 「しあわせ運べるように」を通じた観光PRについて

【要望】山下委員 「しあわせ運べるように」を作詞作曲した臼井誠さんがお亡くなりになった。この歌はすごく大事な歌であり、みなとのもり公園には歌碑がある。継承のために、観光サイトの「Feel KOBE」に載せるなど、何らかの形でPRや情報発信をしていただきたい。

【答弁】大畑局長 「しあわせ運べるように」は神戸市の二つ目の市歌として位置づけられており、神戸の子供たちがずっと歌って育つなど、市民に定着し心に浸透している歌である。市民や神戸を訪れる皆さんに知っていただくことは重要であるため、歌碑のPR等についても検討していきたい。

5. 神戸農政公社における既存農家への配慮と課題解決について

【質疑】山下委員 農政公社の法人設立の趣旨に関して、最近は里山農村地域の活性化事業や付帯事業の指定管理に力を入れすぎているのではないかという指摘を受けている。地域の農業振興という部分に関して、既存の農家に対する配慮についてはどのようにお考えか。

【答弁】椿野局長 農業振興面では、市内のイチゴ農家へのウイルスフリー苗の生産供給や、新品種の系統維持など、市内農家の生産基盤に不可欠な重要な役割を担っていると考えている。そういった点に力を入れながら他の事業にも取り組んでいる。

6. 再質疑(農政公社による細かな課題への対応)

【質疑】山下委員 であるならばもっと報告を見える化すればいいのにと思う。公社のフットワークの軽さに期待しているが、例えば神戸旬菜事業で作られている小松菜などの野菜が、ナフサ不足の影響で「神戸旬彩」と書かれた包装ビニールがなく出荷できないという事態があった。そういった些細なところにまで目が届き、配慮ができれば農政公社に対する期待はもっと高まると思うが、このエピソードを聞いてどう思うか。

【答弁】椿野局長 フィルムの話は生産者やJAの生産部会からも直接聞いている。5月には印刷塗料の確保が難しくなり、無地のフィルムにシールを貼って対応された時期があったことも認識しているが、今は落ち着いていると把握している。現場の近くにいる公社として、生産者の声を聞き把握できれば市の方に繋ぎ、一緒に何ができるか考えていく役割があると考えている。

【要望】山下委員 その答弁が欲しかった。次世代の人材育成や移住促進も大事だが、まさに今農業を担ってくださっている経験の深い農家さんの声もしっかり聞かないと、そういった人たちがいなくなっていくことに歯止めがかからない。今一番何で困っているかを広く拾って補足し、しっかりと目が届く農政公社であってほしい。


自由民主党神戸市会議員団・無所属の会は、本委員会の質疑を通じて明らかになった課題に対し、今後も市民の皆様の声を市政に反映し、神戸経済の発展と市民生活の向上に向けて全力で取り組んでまいります。

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